負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

東北産白魚(しらうお)で今夜は一杯するよ

つい最近、酒飲みとして中々素晴らしい肴を見つけたので紹介したい。

それは「しらうお」と読んで白魚と書く。

厳密には「しろうお」や「シラス」とも違い、更に産地によっては現地でシラスと呼ばれていることもあり複雑だ。

 

ただ今回自分が食べているもの(何せ食べて飲みながらリアルタイムで執筆している)は、間違いなくしらうおと読むタイプの白魚で主に東日本で漁れる食材のようだ。

西日本育ちなので正直今までの人生で食べたことがなかった初めての味だ。つい先月経験したばかりの春の味覚であり、今回あまりの美味にリピートさせていただいた。

ここは天下の台所大阪、さすがいろいろな食材が東西を超えて揃っている。

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見た目は食べるのも可愛そうな綺麗な白い魚で、これを生でタレにつけて食べる形式だ。ウィキ大先生によると、昔は肉体労働をしない殿様の手が綺麗で、献上されていたからという説もあるようだ。

 

現代では高級食材と言っても400円程で売っており、なおかつそんなに勢いよく食べるものではないので十分に長持ちする肴だ。牛丼やハンバーガーの大きめのサイズと同じくらいだ。

そしてむしろ刺し身よりもちびちび長時間食べられるのでコスパはいい。タレの味が濃いこともあるし、シラウオ自体の味もしっかりしているのでまさに酒飲みのためにある存在だ。

ゆっくり晩酌をしながら、お酒とともに味わう至高の時間である。

ジャンクフードを一気に食べるよりも、こうしたものを酒とともに気長に食べるスタイルもまた味わいがある。

 

九州産の芋焼酎を舐めるように少しずつ飲み、同じく濃密な旨味を持つ白魚を一つずつちびちびと食べる。本当にこれくらいのペースがちょうどいいくらいに両者味がしっかりしている。

自分が同じく酒好きの親父から言われた事だが、「刺し身はそんなやんやん食べるものではない」というフレーズだ。

昔から刺し身は父の影響で家でよく出ていたのだが、酒飲みになってその言葉の意味がわかるようになった。酒を覚えたての頃はパクパク魚をカッ食ってしまうものだが、それでは魚が喜ばない。

この白魚も同様、大漁に見えるが一匹ずつしっかりとした魚だ。

一匹、多くても二、三匹ほど箸でそそりながら食べ味わい、酒を呑む。

 

食感は非常にぷりぷりしていて生きがいい。最新の輸送技術に感謝すべきか笑

そして通常の大型の魚では味わえない感覚で、魚卵とも違う。刺し身と魚卵のいいとこ取りのようなイメージだ。

東北の春がふわっと、というよりもぷりっと広がる。

きっとまた来年の春、この味が恋しくなっているだろう。