断酒生活、とりあえず1日目は無事成功
昨日から始めている断酒生活だが、まずは久しぶりに1日もお酒を飲まずに終えられた。朝の目覚めは非常に良い。いつもならば今ごろ前日のアルコールがアセトアルデヒドに変わり頭痛や吐き気に苦しんでいるはずだ。
胃のヒリヒリ感もないため間違いなく健康には良いという実感も得えられている。
しかし既に朝から飲みたいと思っているのも正直なところだ。
むしろこれだけ体調が万全ならばいい飲み時だとさえ思っている。
飲めば朝から苦しい、飲まなければ朝から飲みたい。
どちらにしてもジレンマがある。
そもそも昨日1日を通じて「酒を飲みたい」という考えに支配され続けていた。何気なく読んだ小説にも飲酒シーンが出てきて飲みたいという感情に襲われる。
おそらくテレビを見ていたらアルコール類のCMが流れ、それ以上に飲みたくなっていただろう。アルコール中毒者のために「のどごし音」が自粛されたというニュースを聞いたことがあるが、確かに禁酒生活中だとそれは刺激になるだろうしそもそも日本の文化自体がそこら中が酒であふれている。
自分は決してそういう事を規制してほしいとは思わないし、そもそも今も美味しい酒が飲めるならば今すぐにでも飲みたいと思っている。
ぬるくて美味しくもない酒をつまみも無しで飲まないといけないから嫌になっているだけで、キンキンに冷えたロックの果実酒が目の前にあれば有無を言わさず飲むだろう。
正直なところ心の底からお酒を辞めたいと思ってこんな生活をしているわけではない。現状の環境ではぬるくて美味しくもない酒を我慢しながら飲まないといけないから仕方なくやめているのと、金銭的な事情もあるから制限しているだけに過ぎない。
しかし、それでも1日飲まずに過ごしたことで大きなメリットがあることに気付いた。
まずは自分自身の稼働時間が非常に長くなったことと、即自的な快楽がなくなったことでいろいろな努力をするようになったことが大きな変化である。
いつもならばお酒を飲みながらダラダラ過ごしていたため日常生活の基本的な事すら怠り腐敗していたが、昨日は飲まないことでエネルギッシュになり久しぶりに溜めておいた部屋の片づけをすることができた。
かなり動いたため疲れたが、肉体的に生きているという実感を得られたし達成感があった。
また前述のように小説を読むようになり、夜中に静かに小説を読むのは久しぶりに楽しいと思った。お酒で酔っているとどうしても小説を読むことが億劫に感じて音楽を聞くか映像を見るか、ただ横になっているかがメインになっていたが活字を読む習慣を上手く作れるようになりそうだ。
元々自分は小説や文学が好きではあったのだが、最近はお酒の量も増え読書からは遠ざかっていた。
また稼働時間が増えたことで絵や文章を書く時間も今まで以上に確保できるようになった。今までならば動けなくなって絵も描けなくなっているような時間帯にイラストを描けるようになった。小説を読んだり絵を描いたりすればお酒を飲まずとも楽しめそうである。音楽を聴きながら絵を描くことはお酒が無くても十分楽しめると感じた。
自分で何かを作っていく充足感をよって楽しむことで代替できれば生産的な生活になるだろう。
ゲームをすることや面白い作品を見ることなども良い代用になるかもしれない。
更にお酒を飲んでいない事そのものに達成感や充実感を得られることにも気づいた。
「味の悪い安酒を飲んでわざわざ頭を痛くして何になる」と言い聞かせてストイックに過ごせばそれなりに達成感がある。傍から見れば1日酒を飲まなかっただけで何がストイックな生活なのかと思われるかもしれないが、まるでしっかり運動したり筋トレしたりしたかのような充足感がある。
また酔っていない状態の時も「頭痛を抱えながら寝込んでいるときよりはマシ」と言い聞かせている。酔いの楽しい時間が過ぎてダウンしているときは、アルコールがきれいさっぱり体から消えて欲しいという感覚になる。今はその理想の状態になっていると思えば満たされていなくてもやり過ごせる。
結局お酒を飲んでも楽しい時間はそれほど続かないのである。ましてや一人で安酒を飲んでいるときは酔う事や現実逃避が優先事項になりどうしてもハイペースで飲んでしまう。安酒なはずなのに量が増えるため結局はお金がかかる。
そういう金銭面でも飲まない事にはメリットがある。1日飲まないだけでかなり節約した気分になり、少し節酒するだけでもある程度お金が浮く。
決してものすごく楽しいというわけではないが、1日が今まで以上に長く感じることはできた。酔っている状態が短距離走のように激しい物だとすれば、飲まない生活というのは体力を上手く分配し長距離走をじっくり走るようなものかもしれない。
ちなみに以前久しぶりに飲まない日があったときは翌日がっつり大量に飲んだ。
真の関門は2日目以降である。初日を達成することよりも継続して実現することが最も難しい。
気を引き締めながら今日も過ごしたい。