負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

やはり北朝鮮に旅行に行くのは危険なのか

自分は中学時代から共産趣味に目覚め、東側諸国や冷戦に憧れている。思想的には社会主義を崇拝しているというわけではなくむしろ右寄りの考え方に近いが、社会主義陣営のエキゾチックさやノスタルジーを感じさせる雰囲気を好んでいる。

 

その一環として朝鮮民主主義人民共和国、すなわち北朝鮮には興味があり、個人的に観光でいつか行きたいと考えている国の一つでもある。

北朝鮮旅行関連のブログや動画を見る事も好きであり、独特な雰囲気を求め実際に世界中が羅観光客が訪れており「北朝鮮ツアー」も存在する。

自分が初めて北朝鮮の旅行について知ったときは「本当に北朝鮮に行くことができるのか」と疑問を持ったが、実は北朝鮮は日本やアメリカが非難するほどの閉鎖国家ではない。意外と国交を結んでいる国も多く経済制裁を受けている割にそれなりの文明を維持している。

 

その北朝鮮観光記などを読むと観光客へのもてなしは厚く、北朝鮮政府からすると「重要な観光資源」であると同時に、帰国した際に北朝鮮の評判について宣伝するための「プロパガンダ要員」として期待されている。

つまり基本的に北朝鮮への旅行は安全で重要なVIPとして丁重に扱ってくれるため、旅行先としては実は比較的安全な部類に入る。

更に厳格な警備もされているため危険な目に合うことは少なく、管理され監視されつくしているがゆえに逆に安全という現象が起きている。政治的に管理されており、民間人との接触も基本的には禁じられているためむしろトラブルは起きにくい。

 

しかし共産主義国や独裁体制の国というのは西側諸国や民主主義国家の論理が通用しない部分も多く、それゆえに想定もしていなかったトラブルが発生することもある

 

例えば今回アメリカから北朝鮮ツアーによってその社会主義国へ旅立ったオットー・ワームビア氏の問題は世間を騒がせている。彼はホテル内に合った宣伝用の看板を持ちだそうとしたことで1年間拘束され、こん睡状態で帰国したのち1週間で絶命する形となった。

 

北朝鮮側からすれば国家の財産を持ちだそうとしたわけであり、更にスパイの潜入に対しても彼らは敏感になっている。政治問題を抱えていると通常の倫理では考えられないようなことに発展し、拘束されついには帰らぬ人となる可能性も皆無とは言い切れない。

北朝鮮側は"拷問"については否定しており、今回の件が米国と彼らによるプロパガンダ合戦に利用されている側面はあるが、いずれにせよ1年間拘束されたことは事実である。

その件を受けて北朝鮮観光ツアーについて再考する論評も寄稿され始めているが、ある種見過ごされてきた朝鮮民主主義共和国への旅行企画が今後見直されることになるかもしれない。

www.bbc.com

 

個人的な考え方を述べるのであればどの国の旅行にもリスクという物は付きまとう物であり、その国の特性をある程度理解してから旅行しなければ危険な目に合う事は当たり前なのではないかと思っている。

むしろ安全性で言えばアメリカへの旅行も完全に問題ないとは言い切れず、その国に適応した行動をしなければならないことは西側の自由陣営の国々でも変わりはない。

それぞれの国に一長一短の特性があり揉めてはいけない点については把握しているべきだった。今回のオットー・ワームビア氏もそもそもホテルの備品を持ちだそうとしたことが間違いだったのである。

常識的な行動を取らなければならないのは北朝鮮であっても変わりはない。北朝鮮政府が通常の設備と比べて、宣伝用の備品について敏感なことは本来ならば想定しておくべきだったのではないだろうか。

 

そういったことを踏まえれば今回のことで北朝鮮への旅行が危険だと判断するのは安易であり、むしろその計画されつくしたツアーは海外旅行初心者にとっても参加やすいのではないかと考えることもできる。

政治関連で問題を起こしさえしなければ安全でなおかつ、非日常感や異国情緒を味わうことができるのが北朝鮮旅行であり個人的にいつか行きたいという思いに変わりはない。

仮にトラブルが起きた場合日本は自己責任論が強いため「北朝鮮に行った人が悪い」の一点張りになることは想像がつくが、リスクを避ける考えであればそもそも海外旅行に行くべきではない。

 

政治問題に発展した場合の解決は非常に難しいが、完全なる計画旅行であるため海外旅行特有の民間人との余計なトラブルが発生しにくいという利点もある。

他に問題点があるとすれば停電が起きやすい事と会話は基本盗聴されているということだが、余計なことをしでかそうとしなければ基本的には社会主義陣営らしく計画的にことが進んでいく。

 

いつか自分が楽しみにしていることでもあり、今回の一部の常識はずれの観光客の行動でこのツアーがなくなってしまうことになるならば自分としては非常に残念である。しかし危険なものとして扱われ観光客が減ることで、再び「レアな旅行」としての価値も高まり数少ない観光客への扱いもより良くなる可能性もある。

 

ソ連時代のような共産圏の雰囲気があり、しばらく過ごせば日本の風景とあまり変化が感じられなくなる韓国よりは北朝鮮旅行の方が面白いのではないかと自分は思っている。

羊角島国際ホテル、平壌高麗ホテルはプロパガンダ目的もあるためかなり豪華らしく近々「世界最大の廃墟」と言われていた柳京ホテルもオープンされるらしく見どころ自体は豊富である。平壌に限れば国威発揚の社会主義的建造物が多いため、実は韓国以上に観光資源は豊富であり出される食事なども見たところではクオリティは高い。

北朝鮮凱旋門

個人的に最も訪れてみたいと思っているのが平壌にある凱旋門であり、小学校時代に図書室にあった世界各国の特徴を紹介した図鑑で見たときから自分の中で憧れになっている。この凱旋門を図鑑で見たときさすが軍事国家だと圧倒させられ、正直かっこいいと思った自分もいる。

冷戦が終結した現在では希少な社会主義国家であり、タイムスリップしたような感覚にもさせられる。

 

たとえば同じく社会主義国のキューバはかなり昔のアメリカ車が現役で走っているらしく、こちらもレトロでノスタルジックな雰囲気があると言われている。

また金正日誕生の地だと宣伝され、朝鮮民族の聖地だと言われている白頭山は、非常に綺麗な自然を楽しむことができ平壌以外の景勝地も豊富である。

やはり海外旅行に行くのであれば旅情を感じさせる国や珍しい物がある国に行きたいものであり、そう考えたとき実は北朝鮮は隠れた名所だと言えるだろう。

 

しかし唯一の問題があるとすれば未だに朝鮮戦争の最中にある国であり、休戦中ではあるがいつ再開されるかわからないという危険がある。むしろ一番のリスクは第二次朝鮮戦争の開戦であり、昨今ミサイル問題によるトランプ政権との緊張関係によってその危険性は高まってきている。

こればかりはもはやどうにもならない事であり、開戦した場合帰国が困難になるどころか攻撃の巻き添えになる可能性すら存在する。

その一方で平和に慣れ切った日本人にとっては戦争や軍事の存在を日常で感じる機会が多い北朝鮮旅行は貴重な体験にもなる。

全体主義国家の空気を現代で味わう事は難しくなっているが、その珍しい国が実はかなり近い場所に存在しているのだ。

 

前述のように北朝鮮当局を刺激するような余計な行動さえとらなければ実は安全性が高く、観光客への扱いも良く非日常的な空間を体験できる旅行先だと言える。

自分自身いつかそういった北朝鮮ツアーに参加したいと考えており、その時が訪れた場合はこのブログでその旅の様子について報告してみたい。

elkind.hatenablog.com

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