負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

そういえば昔北朝鮮産マツタケとかあったよね

ミサイルを三週連続で発射するなど最近世間をにぎわしている北朝鮮だが、いよいよアメリカ海軍の主力空母が有事に備える準備を取っており状況は緊迫している。はたして開戦するかどうか、今世紀最後の共産主義国家の一つがついに崩壊するのか世界の注目を集めている。

 

そんな北朝鮮だが、昔懐かしの思い出として北朝鮮産の山菜や魚介類が昔は日本のスーパーで普通に売られていた時期もあった。10年ほど前の経済制裁以降交易は停止されたが当時は北朝鮮産のものが日本の日常でも普通に買えたのである。

自分が小学生の時ぐらいまではギリギリ見かけていたが、もう今の子供たちは知らない時代のものになるだろう。

初めてスーパーで北朝鮮産マツタケが売っているのを見たときは、なぜ北朝鮮のものが売っているのかと驚いた物である。北朝鮮産アサリなども主要な輸出産業の一つだった。当時は子供ながらにまずそうと思ったし、そもそも笠が開きすぎててイメージするマツタケとは違っていた。当時は今以上に北朝鮮が不気味な国に見えたこともあり食べて大丈夫なのかという思いすらあった。当時は中国産の食品がかなり危険だと騒がれていた時期もある。

ちなみに今現在でも中国産として偽造されて日本に輸出されているようであり、日本で出回っていないわけでもない。

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現在金正恩政策は「プレゼント政治」のための資金不足に陥っており、かつては渡航が禁止されていた一般庶民まで外貨獲得のために出稼ぎ労働者として「輸出」しているようである。たとえばモンゴルの工場で働いたり、ロシアワールドカップのスタジアム建設の労働者としても酷使されて給与のほとんどは送金させられているようである。実質的な強制労働に近い形だ。アジアによくある北朝鮮レストランもその外貨獲得の一環であり彼女らは「偉大なる指導者」のために働いているようである。

現在偽造されている北朝鮮産松茸もそういったプレゼント政治やミサイル開発の資金源になっている物だと思われる。これが社会主義の実態でもある。

 

北朝鮮の思い出と言えば昔はマンギョンボン号という連絡船が日本にやってきていたことも懐かしい。現在でも実在しており、ロシア方面によく言っているようである。当時は今以上に拉致問題が話題になっており、金正日政権だったこともあり北朝鮮は今以上に危険で不気味な国家に見えていた。

脱北者のドキュメントや北朝鮮特殊部隊の訓練映像も連日流され、当時ミリタリーに興味を持ち始めていた自分は言葉は悪いがワクワクしながら見ていたものである。「怖い国」に惹かれていたし、ソ連などの東側陣営の不気味さなども興味を持つようになっていった。中学時代はまさに自分の中で軍事趣味や共産趣味が全盛期でとにかく不気味な陣営に憧れていた時代でもあった。

 

それが懐かしくなって最近ネットで北朝鮮旅行記などを読むのだが幹部クラスの生活はそれなりに裕福であり、旅行者への待遇も良いため旅行としていくならば意外と北朝鮮はいい旅先である。どこか懐かしい旅情を感じさせるため「レトロ国家」としての魅力がある。未だに冷戦的な空気があるため、あの時代のマニアならばタイムスリップするために北朝鮮という空間に行くのは面白いかもしれない。

いっそのこと北朝鮮はそういった観光産業で生きて行ってもいいのかもしれない。

旧ソ連製どころか旧日本軍製の航空機も現存しており、壮大な軍事テーマパーク路線に走れば面白そうである。白頭山周辺の景色も雄大であり、むしろ開発されていないため素晴らしい自然が残っている。かつて日本が統治したことに思いを馳せながら巡ってみるのも楽しいのではないかと旅情を誘われる。

 

ちなみに世界最大の廃墟と言われた柳京ホテルは予定では今年開業と言われており、北朝鮮ウォッチャーとしては注目したいところだ。こういった全体主義国家が国威発揚のために全力で何かを建設するという事は今の時代少なくなってきている。民主主義の世界では予算の無駄遣いは許されないのである。

日本でもすぐに無駄な公共事業と批判されるが、全体国家だからできる巨大国家事業のようなものもある。浪漫と言えば間違った言い方になるかもしれないが、「見かけ上の浪漫」はもしかしたら北朝鮮にあるのかもしれない。まさに平壌だけを開発しているがゆえにその平壌には他の国には類を見ない社会主義的な建設物がある。非日常のレトロ国家としての雰囲気を極めれば隠れた観光地として人気を集めるかもしれない。

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