負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

中国人「天安門事件とか正直どうでもいい」←まあ分かる

香港の市民デモが今世界中の話題となっており、第二次天安門事件だと例える声もある。

そこでつい最近、天安門事件に関するドキュメント番組を見たのだが実際の中国人に聞いてみると「知らない」「どうでもいい」という意見が多く、中国共産党の見解としてももう終わった事なのでこれ以上語ることはないという感じだ。

 

中国人のそういった態度を見て憤る思いも分からなくは無いが、逆に中国人の立場で考えれば別に日本人が犠牲になった訳でもないんだし別に大多数の中国人は今で幸せなんだからとやかく言うんじゃねぇよというのも分からなくは無い。

 

確かに米中貿易戦争が加熱してきてはいるものの、もう中国の発展は経済や技術どころか更には文化コンテンツまで成熟する段階に入ってきていて、先進国と差がなくなり始めている。

既に人工知能や5Gの技術はもちろん、有名どころではTiktokにしろアズールレーンにしろ、身の回りの中国製品どころかアプリやゲームまで日本人は中国文化にどっぷり浸かってるわけで、その内、中国にしか作れない物ばかりになっていくだろう。

 

正直現実の生活や発展の方が大事であり、綺麗事みたいな民主主義の理念なんてぶっちゃけ何の役にも立たないわけで、人権が乱用されてポリコレ天国になった国はどこも悲惨だ。

その上形だけ自由選挙があるだけで、実際シルバーデモクラシーと上級国民ゲーになって民主主義なんで壊滅してる日本からすりゃ、もうこういう不毛な論争はどっちでもいい。

 

日本人ですらそう思うんだから、いくら外からディストピアだろうと言われても、当の中国人は落ちぶれた自称先進国の西側先進国の方がよっぽど哀れに見えるだろう。

 

そもそも民主主義の国でない人は人間味が無くて暗いというのは冷戦時代のソ連に対する偏見で、実際のソ連人は役所の冷たい対応などを除けば実は暖かい人が多かったし、芸術も評価されているものは多い。

多少民主主義社会の人々と考え方の違いはあるかもしれないが、中国人も人間味があり自身と活気に満ちており、逆に日本人の方が暗い社会とネットの普及で自らディストピア化しているよなぁと思うのだ。

文化だって規制の中では育たないというが、現に中国は第三次産業やソフトコンテンツが発展するというか、もう日本を抜いて独自の広大な内需で成り立ち、更には輸出する段階になっている。

 

天安門事件が起きたのは1989年で中国はまだ開発途上国だった。日本で言えば1960年代くらいの生活水準や社会意識だろうか。実際自分の父親が1980年代の中国に社員旅行で行った話を聞くと、本当にそのぐらいの感覚だったようだ。

 

その時は現代の体制に疑問を抱き新しい社会を夢見るが、いざ発展してみるとそんなことどうでもよくなってくるのが人間だ。

日本だって戦後少し経った時代は反安保だといって大規模なデモをしていたが、岸内閣が強行採決で退陣して、その後池田内閣で高度経済成長を迎えたら興味を失っていった。極左活動も1970年代に入れば政治の季節が終了して世間からの支持を失っていく。

結局貧しい時代だからこそ不満もあるし新しい未来への憧憬がかきたてられ意識が高くなっていくが、いざ発展すると皆タピオカブームみたいなものにしか関心が無くなっていくわけだ。

最近だとSEALDsがはしゃいで盛り上がっていたが見事に消えていったことが既に懐かしい。特に今のネットだとああいう意識高いノリは馬鹿にされるので、中国も似たような状況なのだろう。

 

中国人からすれば天安門事件は過去の安保闘争や最近のSEALDsを時の政権が武力で鎮圧したようなもので、「暴動」を上手く処理したというイメージに近い。

不謹慎だが中国人の立場からすればそれくらいやって当然という感覚だろうし、80年代に学生運動してた世代なんて今の中国に若者からすれば暑苦しいおっさんやおばさんにしか思えないだろう。

 

いわゆる「80後」や「90後」と呼ばれる世代であり、彼らは裕福な現代中国しか知らず、「天安門事件で中国当局はこんなに酷いことをした、なぜ中国人は黙っているんだ!」と西側の人間が上から目線で説教してきたところで鬱陶しいとしか感じないのも当然だ。

今の日本は衰退しかかっているからこそ、「今は革命が必要だが日本人はデモストライキを冷笑するから何も変わらない、昔の若者は情熱があった」という論調になるが、中国はあれだけ発展していたら民主主義の理念(笑)になるのも頷ける。

 

そもそも中国は4000年の歴史で強い皇帝の時ほど安定と繁栄を享受し、確固とした指導者がいないときは戦乱で荒廃していたという長い経験がある。

近代民主主義など最近できた薄っぺらい戯れ言という感覚なのだ。

大体、日本人だって歴史のほとんどが帝と貴族による支配か軍事政権だったわけで、民主主義に目覚めたのはここ最近の話だ。

幕府というのは武人による統治であって、実は軍事独裁で軍人が偉い時代というのは何も昭和の軍国主義時代だけではない。

中国はガチガチの専制国家であり、日本は筋金入りの武人国家だというのが本来の国民性に合っているのではないか。

逆にアジアで最も民主主義が成熟した国だと意識高く誇っている韓国が産み出したアジアのスーパースターが文大統領であるのだから、民主主義ってなんだろうなと思わざるを得ない。しかもその韓国が経済発展を遂げたのは軍事政権下であるし、実際左派の意識高いノリのうんざりしている韓国人は多い。

中国が皇帝による専制、日本が武人による統治だとすれば、韓国の歴史上、儒教に熱を上げてきた時は周辺国に侵略されてきた。机上の教理に酔っているといかに国が脆いかがわかる事例だ。そして今は熱心に民主主義という理念に系統しており、彼らはアジアで最も市民意識に目覚めた成熟した国家だと思っている。

 

最近、日本にトランプ大統領がやって来て媚びた外交だと揶揄された。目覚めたリベラルの宿敵トランプに喜ぶ日本と、民主主義の砦を自負するイギリスの対比が鮮明だったが、正直日本からすればトランプ兄貴ほど頼もしい味方はいないだろう。

別に一国の首相が道化を演じて媚を売ろうが、元々安倍はそんなキャラなんだし、日本の最高権威は天皇なのだからその誇りが守られれば民間人の首相が雑用をすることぐらい構わないというのが日本人の感覚だ。

良くも悪くも日本は特殊なのだ。帝と将軍のどちらかが偉いという感覚で生きてきたので、いつの時代も総理大臣は二番手であって共和国ではない。

 

だから実は物の見方によっては実は中国人が共産党独裁や習近平体制を称賛する感覚は、日本人からするとわりと理解しやすい部分がある。

よくありがちな量産型民主主義国家と違って、自分達は独自の体制があるという人とは違うアイデンティティのような意識があるのかもしれない。

また最近中国は意外と反日を控えており、例えば旭日旗問題で意外なほど寛容でつい先日も海上自衛隊を歓迎し現地のミリタリーファンが「歴史ある海軍」として写真撮影に殺到した程だ。

韓国としては対日同盟として味方だと思っていた中国に梯子を外された格好で、旭日旗問題で勝ちたければ中国にはかつてのような反日国家に戻られると困るわけだ。

 

かといって中国に今回の香港のように飲み込まれるのも困るわけで、アメリカとの関係は大事にしておきたい。

正直アメポチ上等でキングトランプ閣下にF35売ってもらって空母認めてもらって何ならイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに続く第5の同盟国として信頼してもらった方が日本は安泰だ。

 

ただ日本に米中の間で巧妙に生き延びる外交センスがあるかといわれれば微妙で、ここら辺は二枚舌どころか五枚舌もある英国には遠く及ばない。

仮に戦国時代のような謀略に長けた武将が今いれば、同じ島国の日本にもそんなセンスがあったし明治の薩長の時代にはそういった気概があった。これも全ては民主主義を美化し、武人を軽視してしまったツケだ。

 

中国といえば皇帝と科挙という官僚主義だが、これはまさに習近平と共産党エリートにあてはまる。

明治維新の残り香があった日清日露、第一次大戦までの時代と比較して、東條が首相になっていく経緯を見てもわかるように官僚主義になると途端に無能になる日本とは真逆で、中国は中華という秩序を皇帝と官僚が治めているときが安定している。

 

中華という文明から離れた島国の戦闘民族の我々はある意味野蛮な存在であって、実は世界最凶のアングロサクソンのような本能の戦闘センスで生きてきた。

よく韓国人は「やはり島国はサイコパス」と日英を見て言うが、日本人って小綺麗に優等生ぶろうとするのは辞めて、素直に本性を認めた方がいい気はすると思っている。

 

逆に漢民族というのは我々が思っている以上に本来は温厚で、常に外敵に悩まされてきた歴史が長く、それゆえに反動で中華思想と掲げたり、今みたいな拡張政策を続けたりする面がある。

これはロシア人と瓜二つで、端から見れば膨張政策のように見えるが実は過去の辛い歴史による不安ゆえの行動だ。

一見優等生に見えるイギリスや日本が実はバリバリの武闘派で強敵に喧嘩売りまくって、実は問題児や不良に見える中露が臆病な内弁慶だというのは興味深い構図だ。

 

ソ連が防衛戦争には滅法強かったが侵略戦争は苦手としていたように、実は人民解放軍はほとんど対外戦争で勝利したことがない。自国民や平和に過ごしていたチベット、ウイグルには内弁慶でいじめまくったが、アメリカ相手に勇敢に戦って鍛えられてたベトナムには一瞬で撃退されたのが中国軍だ。

また中国最大の領土として毛沢東や周恩来が回復しなければならないと掲げた清帝国の領土も満州人が成し遂げたものであり、元はモンゴル人の国家だ。

現代中国の中心は漢民族だが、歴史を見てみると漢民族というのは外的に攻撃的になったことは少なく、どちらかというと文明や文化を発展させてきたわりと平和的な民族なのだ。

 

なので習近平主席が演説で「中国は平和国家だ」と何かと平和を強調するのは、まあ漢民族の歴史観としてはギリギリ嘘ではない笑

逆にバリバリの戦闘民族日本人が戦後しれっと平和国家の振りをしてる姿の方が彼らからすれば不気味に映るだろう。

資源もなく体格も小さい日本人が東洋どころか西洋にまで喧嘩を売りまくってたことを中国人は覚えている。それどころか巧妙な外交で渡り合い、今でも米英と上手く付き合えているというのは不可思議な話だ。もちろん外交は仲良しごっこの馴れ合いではなく時に厳しいこともあるので、ちょっと米英が厳しくなったからといって勘違いして絶交するとこの前のようなことになるのは教訓だ。

 

実はこの香港デモの直前に大きな布石があったことを知っておかなければ話は見えてこない。

そもそも今回問題になっている法案は数ヵ月というか一年前から問題になっていたが、そんな文脈の中トランプが台湾を国家として承認したばかりだった。

また就任して間もない頃に台湾をTAIWANだとツイッターで言及し、トランプはアメリカ大統領史上初めて台湾という呼称を使った大統領でもあった。

イスラエルの首都はエルサレムと同じくらい重要な発言をしているので、世界は変わりつつある。

 

アメリカ「台湾は独立国家」

中国「香港は中国」

こんな感じの対立がバチバチ火花を散らしている。

いわゆる中国と台湾の両岸問題だが、今回の件で中国の本性を知って台湾で親中派が減少し総統選挙候補のほとんどが台湾の独立を守れるのは我が党だけと強調する事態に発展している。

 

台湾に対する中国の圧力といえば、かつてTWICEの台湾人メンバーであるツウィが番組内で渡された台湾国旗を振っただけで「独立活動家」とみなされ謝罪に追い込まれたことがある。

実際この後、韓国で活動する台湾出身の芸能人はプロフィーでも「中国台湾」という微妙な表記をされるケースが増えているので、トランプが台湾を国家として認めた影響は大きい。

 

トランプ「ツウィをいじめた中国に言ってやる、TAIWAN NO1!!!」

トランプはONCEだった!?

 

同じ美人独立運動家といえば香港の周アグネスさんがちょっと話題になっているけれども、やっぱ美人がジャンヌ・ダルクみたいに救国の女神として現れると応援したくなるのは万国共通だ。

実際ジャンヌは不細工だった説と美少女だった説とがあるが、もう浪漫のためにヤンデレ厨ニ少女だった説で自分は解釈している笑

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それでいえばアグネス・チョウちゃんは欅坂46が好きらしいので、中国から黒い羊として扱われている香港版まほほんとして好きになっちゃうだろう?

そして気づいたのが香港人は「香港人」という言葉を意識して強調する傾向があるという点で、実際香港人は中国に対して優越意識のような物を持っているという話はこれまで何度か聞いたことがある。

そもそも言語も広東語寄りで文化や価値観も大きく違い、中国共産党に媚を売ってるジャッキー・チェンの現地評価は低いようだ。

実際自分の年齢だとまだ香港がイギリス領だった時代に生まれているし、周アグネスさんもギリギリ中国になったばかりか英国領だったかという時代だろうから親世代は完全に香港というアイデンティティがあるだろう。

自分も親から香港旅行の話を聞かされたり、漫画や映画で香港を見たりした時の印象なので、最近ここまで中国化しているというのはちょっとカルチャーショックだ。

中国人が海外旅行に行った時に「香港人です」といえば扱いが違うというエピソードもあるように、そりゃ香港人が自分の出自を大事にしたいという思いも理解できる。

 

ツウィが謝罪動画をあげさせられたときも「中国人として」と言わされていたが、どこか表情は暗かったのが印象的だ。

アメリカの大学で台湾人が生徒会のような学生組織のリーダーになったときも本省人から抗議と嫌がらせがあったようで、数の暴力で少数派の台湾人や香港人は窮地に立たされている。

日本の意識高い系デモと違って本当に命がかかっているから、雨傘デモにしても本気度が違う。

今後中国が香港を強行的に併合してしまえば、香港の金融産業や観光産業は付加価値を失い中国の一つの省として細々と過疎化していくだろう。

中国には他に様々な特区があるし、他の省が発展して優位性を失った省も存在する。香港は香港だから価値があるのであって、中国の一つの小さな領域になってしまうと希少価値は半減する。

 

周アグネスちゃんに「私は中国人です。習近平主席を尊敬しています。」とツウィみたいな悲しい顔で謝罪動画を投稿させたくなければ欅オタのおまえら全力で行けよ。

そして中国当局が香港のジャンヌ・ダルクを欲しがれば、もうひとり別のアグネスがいるではないか。

アグネスちゃんは大事だけどアグネスチャンはどうぞどうぞ、でも安倍はアグネス・チャンのファンなんだよなぁ・・・笑

 

そんな周アグネスちゃんが戦わなければならないのは欅坂の曲で言えばサイレントマジョリティーではない、ノイジーマジョリティーというもっと大きな強敵だ。

今や中国は一つの国家だけでも完結できるほど巨大で、実はアフリカの全人口合わせた数より多いという現実がある。

更に中央アジアのキルギスやカザフスタンや東南アジアのスリランカやミャンマーを準植民地レベルに仕立てあげ、欧州はモンテネグロを手中に収めたと思ったらイタリアに着々と進出し元々ドイツとはズブズブの関係にある。

 

軍事拡大をし併合した地域は発展しているというロジックを駆使する姿は、かつて批判していた帝国主義の日本とまんま同じ事をしているが、ドイツと別のチームになりそうなのは幸いである。そしてイタリアがこっちに逃げてきたらいよいよ座敷わらしがやって来たと可愛がって迎え入れようではないか、おあとがよろしいようで。