日本人の海外移住先としてオランダは有力候補になる
海外移住を目指して英語を学んでいる人にとって、実は隠れた穴場と言えるのがオランダだ。
特にヨーロッパへの移住を希望しているならなおの事オランダは有力な候補地だと言えるかもしれない。
欧州の英語圏と言えばこれまではイギリスが代表格だったものの、近年EU離脱を国民投票で決定してヨーロッパ大陸とは距離を置こうとしている。更に元々移民に対する差別意識も強く、食事へのこだわりが強い日本人にとっては決して住みやすい国とは言えなかった。永住権や国籍を取得することも難しく、物価も非常に高く食事なども美味しい物となれば高い上にそもそもイギリス料理ではないということが多い。
イギリスにも美味しい料理はあるが、それは高い上に海外の料理だ。
それらのことを勘案すると余程イギリス文化に興味関心が無い限り、今後日本人がイギリスへの移住を目指すメリットはそれほど大きくは無いように思う。
難易度が高い上に快適でもないならわざわざ移住する必要性は薄いのではないか。
むしろどうしてもヨーロッパに住みたいが外国語は英語しか勉強していないという場合、その代案となるのはオランダになるかもしれない。
欧州の中でも最も英語が通用する国であり、事実上の準英語圏のようなところがあるだけでなく移民受け入れに対しても寛容な伝統がある。
もちろん近年排外主義的な傾向も無い事は無いのだが、難民ではなく先進国から優秀な移住者がやってくることに関しては歓迎する人々が多い。
よく「オランダは第二次世界大戦で日本に植民地を奪われたので反日だ」という俗説が存在するが、むしろ欧州でトップクラスに日本人への印象が良いがオランダなのではないかと自分は考えている。
それがなぜなのかというと、有名な歴史的画家のゴッホが大の浮世絵好きだったことである程度日本文化がリスペクトされていることに加えて、近年サッカー選手のオランダでの活躍が良い印象を残しているからだ。
特にフェイエノールトでプレーした小野伸二の活躍は今でも伝説として語られており、オランダで最も有名な日本人と言えるかもしれない。
その後にも本田圭佑が即席を残し、今では堂安律と小林祐希がプレーしている。
今後、堂安律の活躍は特に期待されるので日本人のイメージは更に良くなる可能性も否定できない。
サッカーオランダ代表は以前ほど強くはなくなっているしエールディヴィジの欧州での地位も低下している傾向にあるが、依然としてオランダではサッカーが国民的なスポーツでありサッカー好きにとってはオランダは更に魅力的な国だと言える。
日本にもオランダ代表のファンは多く、ヨハン・クライフやファン・ニステルローイ、そしてウェズレイ・スナイデルなど名が知られた世界的名選手を輩出してきた。特にスナイデルは長友佑都とインテル時代にチームメイトだったこともあり、その交友は今でも続いている。
サッカーを通して知るオランダの事情としては、日本人が非常に住みやすいこととやはり英語力の高さだ。
まず欧州でプレーする日本人選手の経験談の中で、差別的な行為にあったという話はほとんど聞こえてこない。
どの国も多少ちょっとした差別行為があったという話が存在するのだが、オランダに関してはほぼ聞いたことが無いどころか非常に暮らしやすそうだという話の方が多い。
またオランダ人サッカー選手の英語でのインタビューなどを聞くと、実際に英語力はかなり高くむしろイギリス人の英語よりも聞き取りやすいぐらいだ。
オランダ人がほぼ全員英語が話せるのは学校での授業以上にTVの英語字幕が何よりも勉強になってるとのこと。
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) 2017年10月10日
日本も学校の授業ではなく、そういった日常に英語の勉強となる機会を設けてはどうか?
意外と無意識に英語への抵抗感がなくなると思う。
それがなぜかと言えば本田圭佑が語っているように、テレビ番組で英語字幕が普及していて日常で英語に触れているからだという事と、通商によって成り立ってきた国なので外国語を重視している歴史があるからだろう。
元々、オランダ海上帝国と言われ世界の海を支配していた時代があるし、日本の出島にやって来たことは日本史の授業で必ず習う。
歴史を見れば第二次世界大戦の時に対立していただけで、実は日蘭関係は良好だった時間の方が長く日本人にとって欧州の中でも縁が深い国だ。
150年前に結ばれた日蘭修好通商条約がまだ有効なので日本人が働きやすいという話もあるぐらいで、サッカーと同じくまさに欧州の窓口だと言えるかもしれない。
人権意識が非常に高い国なので当然ブラック労働のようなものもなく、個人の自由を尊重する国なので日本で息苦しさを感じている人はオランダへの移住を考えてみてはどうだろうか。
英語圏の国と言えばイギリス以外にも、アメリカやカナダ、ニュージーランド、オーストラリアなどがあるし、シンガポールやインドも英語は広く通じる。
ただどこも永住権を取る条件が難しかったり、特にインドの場合先進国になるにはまだ時間を要するので住みにくいという事情も考えられる。
一方でオランダは実は経済的にも発展しており、近年経済成長率も高く生活水準は高い。
自分はオランダには行ったことがないものの長崎県で少しオランダの雰囲気を体験したときのことは今でもいい思い出となっている。幻想の持ちすぎは良くないかもしれないが綺麗な国であることは世界的にも評判だ。
またどうしてもヨーロッパが良いというこだわりがある場合、イギリスがEUを離脱するというのは条件としてかなり厳しくなっていく可能性が高い。
EU圏内の国籍があればほとんどの欧州は自由に行き来できるので、できればイギリスはEUに留まっていたほうがよかったのだがもうそうではなくなろうとしている。
逆にオランダは隣に欧州最大の経済大国のドイツがあり、車で気軽に行き来できる距離にある。
欧州に住んでいろんな国を周ってみたいと考えるならばオランダは英語が通じることと、移民受け入れに寛容な事も含めて便利な国だ。詳細な条件は他にも存在するが、5年済めば永住権が獲れるようなので移住の難易度は比較的低く、住むメリットも大きい。
例えばフランスだと、フランスに住んでいるならフランス語を使うべきだというような風潮が存在するし、イタリアは日本人とほとんど変わらないような英語力だと言われている。
第二外国語を新たに学ぶのはやはり時間もかかり大変なので、できれば英語が通用する国がいいと言う場合やはりオランダは魅力だ。
もちろん現地の生活で多少はオランダ語が必要になるかもしれないが、英語で補完しながら暮らしていけばそれなりに覚えていくことは可能だろう。
実際、本田圭佑がオランダでプレーしていたときはほとんど英語が話せないような状況で移籍して、そこから現地で英語を学んで行っていた。
オランダ語の勉強よりも、他の欧州で通じる英語を勉強したいという希望を出せばクラブ側もそれを許してくれるような風土がある。例えばドイツやスペインでプレーする選手の話を聞くと、ドイツ語やスペイン語を覚えなければならないという物が多いが、オランダに移籍する選手はほとんど英語だけで通用していることが多い。
サッカー選手の話なのでこれがオランダの事情の全てというわけではないが、英語でそこそこ何とかなる国であることは間違いないようだ。
また日本人で北欧に憧れる人は多いが、例えばフィンランドの場合、フィンランド語は世界で最も難しい言語の一つでありやはり語学が壁になる。
美しい景色で幻想を抱くかもしれないが、気候も寒く税金も高いので実際は暮らしにくいのも北欧に共通している。その点で比較的温暖で平地が多い上に、近隣の欧州諸国にも行きやすいオランダは欧州に住む拠点としてはベストな国の一つだと言える。
またカリブ海にキュラソーのような海外領土があり、南洋の島国にも住める可能性があるというのはオランダを選ぶ上で更なる魅力になる。
欧州の中では比較的に差別意識も低く、人権意識が高くわりといろんなことに自由で規制が少ないというのも開放的に暮らせる要因になるかもしれない。
こうして考えるとオランダは日本人が見落としがちな穴場として、海外移住の候補先になるのではないか。今すぐ具体的に行動するというのは難しいが、とりあえず英語を勉強する将来の目的の一つぐらい考えるだけでもモチベーションが違ってくるだろう。
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