日本人にとって最も難しい外国語は断然アラビア語
世界には様々な外国語があり日本にも多くの学習者が存在するが、その中でも特に習得が難しい言葉がある。
消滅しかかっている言語や教材がそれほど存在しない外国語は例外として、メジャーな外国語の中ではアラビア語が頭一つ抜けて難しい。
国連の公用語の一つであり世界中に話者が存在する言語であるにもかかわらず、日本でアラビア語を勉強する人はそれほど多くは無い。
有名なところで言えば東京都知事の小池百合子が実はアラビア語が堪能であり、エジプトに留学しカダフィのような指導者とも会っている。小池都知事旋風でもしかしたら今後アラビア語が日本でも注目されていくかもしれない。
しかしこのアラビア語はとにかく日本人の外国語学習者にとって鬼門である。
まずアラビア語やアラブ文化自体が日本人に馴染みがなくアラビア文字を見たとき、その難しさは一目瞭然だろう。
日本も戦前はそうだったが現代では横書きで書く場合右から左に書くということに慣れるまでが難しい。更に近代化以前の日本語のように口語と文語が違うという現象が起きている。
すなわち文字で書く場合のアラビア語と話し言葉のアラビア語が一致しないのである。アラビア語は姿かたちがそれほど昔に比べて変わっていない言語であり、文字で書く場合は厳格な文語調の執筆方法となっている。
そして文字でアラビア語を学ぶ場合最も難しいのが「辞書を引く難しさ」である。一般の外国語を勉強している場合わからない言葉が辞書を引くことができるが、アラビア語はわからない単語があったからと言ってある程度アラビア語の素養がない辞書を引くことすらできない。
初級者なら辞書を引くことができる他の言語と違い、アラビア語は辞書を引くことが中級者以上にならなければできない。
これは例えるならば日本語や中国、全く読めない漢字があったときに発音がわからず辞書を引くことが難しいのと似ているだろう。外国人学習者はこういったところで苦戦することが多い。
そして日本人にとってアラビア語はまさにそういった状況に陥るのだ。
現在はデジタル化された文章も多くコピーして検索することができるが、書籍だけで学ぶ場合は非常に難しい。
更に口語のアラビア語は地域差が大きく、話し言葉はまたそれぞれ細分化している。一口にアラビア語と言っても様々な種類がありアラブ地域一帯で簡単に通用するとは限らない。
日本人にとっては漢字語圏でもなく、ヨーロッパ言語からも離れているという非常に難易度の高い言語であり最も習得することが難しい言語と言っても過言ではないだろう。
もしアラビア語を勉強している日本人の人がいたら、相当頭がよく外国語のセンスがある人だと自分は思うだろう。
同じ外国語学習者から見てもアラビア語を専攻している人は本当に凄く見える。実は小池都知事は外国語においてかなり凄い人なのである。
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では日本人がアラビア語を習得するメリットはあるのだろうか?
これからアラブ社会が発展し、世界的にもイスラム圏の影響力は強くなっている。
それに伴いアラビア語の国際的な重要性は更に高まる物だと思われる。
またアラブ首長国連邦のドバイは世界屈指の豪華な都市であり移住先としても人気が高い。産油国はスケールの大きい開発を行っており、将来憧れて移住するのであればアラビア語はつかえたほうが良いかもしれない。
しかし実はドバイにいる人はほとんどが外国人らしく国際都市というだけあって英語も充実している。現実に実用性だけで考えるならばわざわざここまで難しいアラビア語を習得する必要性は無いかもしれない。
ビジネスなどにおいても正直に言えば英語を極めて、「英語とアラビア語が話せる通訳」の人を雇ったほうが早いというのが現状だろう。
そう考えたときにアラビア語は趣味や文化的探究心をモチベーションに学んだ方が良い言語だと言える。
本当にイスラム文化に憧れていて、イスラム教に改宗してコーランを原本で読みたいと考えているならば必須だろう。コーランは本来は翻訳してはいけないとされており実際には直接原語で読まなければならない。イスラム圏の人々は幼いころからこれからの言葉を諳んじているようだ。
サウジアラビアのような国で本当にアラブ世界に溶け込んで生活したいと思う人や、アラビア語話者の人と本当に親密な関係になりたいと思っている人はやはりこの言語を学ぶ必要があるかもしれない。
本当にイスラム圏やアラブ諸国の世界観や文化、そして風土に惹かれているのであればアラビア語を駆使しアラビア文字を読み書きする生活も楽しいかもしれない。
実際にアラビア文字は美しくデザインでもあり、例えばサウジアラビアの国旗は世界屈指のかっこいい旗の一つだろう。
この難解な文字を読むことができたり書くことができればかなりかっこいい。
更にサウジアラビアはそもそもコーランが憲法になっている国であり、サウジアラビアのような国でイスラム様式で暮らすのであれば間違いなく必須になる。
逆に今回国交を断絶したカタールは比較的外国の文化に寛容であり外国人でも暮らしやすいとされていたが、今回そのことをサウジアラビアなどの国から問題視された様である。
前述のようにアラビア語の口語自体が多種多様にあり、更にイスラム文化圏の国も多くの差異がある。そういった違いを具体的に考慮しながらどのような形で勉強していくかを自分で決めなければならないのがアラビア語と言えるだろう。
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