負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

新世代が解く!ニッポンのジレンマとかいう有能番組

テレビとかオワコンだろという風潮に逆張りして、最近テレビばかり見ている。

番組表見て面白そうなものを探すのが自分の習慣になっている。

 

テレビの存在感が大きかった時代にテレビを叩いていたからそれは勇気がある行動だったが、テレビの権力が衰えてから叩くのは時代遅れ感というか今更感のような物がある。

結局のところ自分は世間の風潮に逆らっていたいだけなのと、弱い者をわざわざ叩くことに乗り気になれないのだろう。

 

それにテレビは何だかんだでかなり予算をかけて作られており、内容がわりとしっかり作りこまれていることに最近気付いた。テレビがオワコンだと言われるようになったことで、逆にテレビ局側も真剣に作るようになったのかもしれない。

いろいろ批判や賛否両論あるのも事実だが、その中でも特にNHKはわりとしっかりしたものを作っているというか時間の無駄にはならない。

その中でも自分が特に最近評価しているのが「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」という大体1か月に1回の頻度の番組シリーズで、放送がある時はよく見ている。

 

この番組は若い世代限定の討論番組という形になっており、古市憲寿がメインの司会を務め社会問題が中心に取り上げられる。

おそらく若者のテレビ離れという事もあり、この番組を見ているのはどちらかといえば、最近の若い世代が何を考えているか知りたいという上の世代が中心なのではないかと自分は予想している。

ただそれは非常にもったいなくて、むしろ最近のゆとり世代やさとり世代と呼ばれる世代に見てほしい番組だ。出演者が全員1975年以降生まれという縛りになっており、この世代が抱える問題を積極的に取り上げてくれるので非常に考えさせられる。

 

自分はこの番組を見て同世代がどういったことを考えているのかを知ることも多く、世の中こういうことを考えている人がいるんだなという参考やヒントにもしている。

必ずしも今の新世代の平均像ではないかもしれないが、似た様な考えを持っていたり、ジレンマを抱えていたりする人も出演しているので、悩みを持っている人におすすめだ。

 

そもそもNHK自体が若者向けの番組を最近特に重視し始めており、むしろ民放の方がその部分では手を抜くようになっているようのが現代だ。民放としても若者を重視することにそれほどメリットがなく、NHKのほうが視聴率を気にしなくてよい事もあり、将来の世代を育てるという長期的な視野を持っている傾向さえある。

その傾向が顕著なのは紅白歌合戦であり、最近の歌手をよく出すようになりむしろ高齢者層から今時の歌手が分からないと寂しがる意見が寄せられるほどだ。

 

ただ今までのNHKのお堅いイメージや、ネットによって広がったNHK叩きのような印象が強く、先入観や拒否感のような物を持っている人はまだ多い。

しかし民放が低予算という事情によって手を抜かざるを得ない時代に、ちゃんとしたドキュメンタリー番組や討論番組を作る局はNHKぐらいになっている。

民放の主力はもはや連日バッシング対象を見つけて、その場の視聴率に踊らされたワイドショーばかりになっている。

そういう時代にNHKは貴重な存在だ。

正確にはNHKのクオリティが上がっているというよりも、民放が腐敗しすぎてNHKしか選択肢が無いようになったとも言えるかもしれない。

 

いずれにせよ探してみればNHKは結構面白い番組が多く、この新世代が解くニッポンのジレンマは自分が気に入っている番組の一つだ。

とにかくいろんな人が出演しており、こういう人が同じ世代にいるのだという発見はとても多い。

社会学者の古市憲寿は、個人的に全ての考え方に賛同しているわけではないが話し方や切り口は面白く、この番組で自分の中における評価が高まった出演者の一人だ。

意識低い人もいれば意識高い人もいて、とにかく自分が日々考えていること以外の刺激というものを得られる。

広く言えば現代の生き方について考えさせられる機会であり、全てを鵜呑みにするわけではないが、こういった選択肢もあるのかという情報を得ることもできる。

 

とにかく今の新世代の働き方や人間付き合いなどの悩みや人生の計画についてここまで長時間、そして定期的に取り上げてくれる番組はほとんどないだけに貴重な存在だ。

若者は何も考えていないという偏見が存在するが、むしろ若い世代ほど真剣に考えているし、別の言い方をすれば悩んで思いつめている。

少なくともワイドショーで叩きやすいバッシング対象を見つけてストレスを発散している人々よりも、こういった討論番組を見ている人の方がしっかり考えているはずだ。

もっといえば自分で自分自身の人生について考えていかなければならない時代になったからこそ、考える人は物凄く思考するようになった。

考える人とそうでない人、その両極端が現代の若者層かもしれない。

今の世代は結構みんないろいろ考えて悩んでいるんだなということが分かるだけでも面白く、もやもやした思いを抱えている人はぜひ見てみると面白いかもしれない。