サッカーロシア代表が弱い理由が闇深い
スポーツ大国ロシアは2018年の夏に自国開催のワールドカップを控えている。
サッカーの大きな国際大会を開くことはロシアにとって悲願であり、ソ連時代を含めても過去最大級の国際イベントだと言える。
サッカーとロシアと言われてそれほどイメージが沸かない人も多いかもしれないが、実はロシアもヨーロッパの国々と同様にサッカーが人気なスポーツでありソ連時代からも民間で広く親しまれてきた。
欧州に近い西側になればなるほどサッカーの人気が高まり、シベリア地域の東部に近づくほどアイスホッケーの人気が高まるという構図がある。そのため今回のロシアワールドカップは全ての試合が西部地域で行われ、観戦の場合はヨーロッパに近い時差となる。
そしてワールドカップを自国開催に控え、開催国枠で出場するロシア代表は今非常に厳重な臨戦態勢となっている。
ロシアと言えば今年の1月に開催されたピョンチャンオリンピックで国ごと出場資格がはく奪されたことが記憶に新しい。その前のリオデジャネイロオリンピックでもいわゆるドーピング問題が騒動となった。
ロシアのスポーツに対するイメージはもはや地に落ちており、汚れた闇の深い世界だというものになっている。
だからこそ自国開催という重要な機会にロシアサッカー協会は敏感になっており、ドーピング問題への対策を徹底的に行い、威信を傷つけないように準備しているようだ。
しかし別の見方をすれば、サッカーロシア代表がいまいち振るわない理由がまさにこれなのではないかとも考えられる。
はっきり言ってしまえば要するにドーピングをしていないから弱いのだ。
決してロシア代表は絶望的に弱いわけではなく、直近のブラジルワールドカップでは、勝ち抜けるだけでも非常に厳しいヨーロッパ予選を突破し参加をしている。
ブラジルではグループリーグ敗退に終わっているものの、欧州の中堅国程度の実力は兼ね備えている。
もっとも輝かしい実績はアルシャヴィンが活躍し、ベスト4に進出したユーロ2008だ。
まさに2008年から2014年までのロシアサッカーはこれからの発展を予感させるような新興国であることを感じさせた。
だがその成長が停滞し始める時がやって来る。
2014年に行われたソチオリンピック期間中に、当時はウクライナ領だったクリミアを併合したことで経済制裁を科せられロシア経済は低迷し始める。
そのロシア経済とリンクするかのように、サッカーでもロシアは本来は発展するはずだったルートから外れていくことになる。
自分は今回のワールドカップがロシアで開催されると決まった時、2018年は経済成長を遂げたロシアで華やかな大会が行われるだろうと期待していた。
かつて「BRICs」という言葉があったように、本来ロシアは次世代の新興国として期待されていたが、現実にはロシア経済は低迷し訪れるはずの未来はやってこなかった。
サッカーも同じで、ある時期にはロシアリーグのクラブが欧州の大会で台頭し、有名選手の移籍も相次いでいた。
クラブでも代表でもロシアは新たな強豪国になっていくのではないか、そう自分は予想していた。
しかし現在ロシアのチームは以前ほど有名選手を獲得するわけでもなく、代表の成績も伸び悩んでいる。
ロシアサッカーがもっとも輝かしかった時期には、日本代表の本田圭佑がCSKAモスクワに所属しスペインの強豪セビージャに打ち勝ちチャンピオンズリーグでベスト8に進んでいる。これは今では考えられないような成績だ。
その他にもルビン・カザンやゼニト・サンクトペテルブルクなどのチームが、チャンピオンズリーグの舞台で旋風を巻き起こすことは多かったが今ではほとんど名前を聞かなくなっている。
むしろ有名選手の移籍はアメリカに移っており、米ソの宇宙開発競争のように、サッカーにおける冷戦も現在はアメリカにリードされている。
話をドーピング問題に戻すならば、そもそもサッカーの世界ではあまりドーピングの話を聞かない。
これがなぜなのかと言えば、サッカーの世界は流動性があるため秘密裏に国策でドーピングを行うということが難しい構造があるからだ。
前述のように外国からロシアリーグに移籍する選手も多いため、ドーピングを国策でしていればすぐに明るみになってしまう。更にロシアから他の国のリーグに移籍することもあるため、例えば西欧地域のリーグでドーピングを継続することは困難だ。
冷戦真っただ中のソ連時代や、今よりも選手の海外移籍が難しかったボスマン判決以前は閉鎖的な環境で行うことができたもしれないが今は21世紀だ。
またサッカーというスポーツの特性上、ドーピングを行い筋力や身体能力を強化したからといってそれが簡単に結果につながるという物でもない。
ボールを足で蹴るというのがサッカーであるため、不確実性が高く単純な身体能力の強化は役に立たない。
つまり「おそろしあ式スポーツトレーニング」がサッカーではまるで通用しないのだ。
ロシアはソ連時代からスポーツ大国として名を馳せていたが、実際にはただドーピングをしていただけというのが明らかになり、その張りぼての実態が白昼に晒されることになった。
ブラジルはサンバのリズム感覚をサッカーに応用し、ドイツは基礎から地道に育成改革を行い、フランスは移民選手に門戸を開きチームを強化した。
一方ロシアは薬を盛ろうとした。
そんなロシアンジョークが笑い話ではないのがロシアの闇だ。
今回のロシアワールドカップにおいて、ロシアは開催国枠として初戦を行う。
対戦相手はサウジアラビアであり、その後エジプト、ウルグアイとグループリーグ突破をかけて競い合うことになる。
一昔前の情勢ならばこのグループの突破は順当に考えればウルグアイとロシアだったが、今のエジプトはモハメド・サラーという選手が台頭しており今大会サプライズを巻き起こす可能性があるチームなので容易な競合相手ではない。
一方でロシアはいわゆる「海外組」がほとんどおらず、名の知れた選手がほとんど存在しない。
ゴールキーパーのアキンフェエフと、ミッドフィルダーのジャゴエフは本田圭佑とチームメイトだったこともあり日本でも有名だ。
スペインリーグのビジャレアルに所属するチェリシェフは、レアル・マドリードの選手でもあったため一定の知名度はある。
しかし本田圭佑のCSKAモスクワ時代を知っているファンからすれば、ジャゴエフはロシアの未来を背負う選手にまでは成長しなかったというのが正直な本音だろう。
サッカーの代表チームは自国リーグでプレーしている選手が主体となった場合良い成績を残すことも多く、今回のロシア代表が全く期待できないというわけではない。
ロシアにおけるサッカーの発展は今回のワールドカップの成績次第だ。
自国開催でロシア代表が勝ち進み大会が盛り上がれば、止まってしまった成長を再開させることができるかもしれない。
しかしそもそも、ロシア人の感覚からすると「サッカーで強かったら何になるんだ、大事なのは軍事だ」というのが本音かもしれない。
現在のFIFAランキングでロシア代表は60位代であり、これは中国代表とほとんど変わらない。現段階で63位がロシアで65位が中国というのは、かつてのロシア代表の姿からは想像もできない。
今回のW杯も開催国枠でなければ厳しい予選を突破できていなかった可能性の方が高い。
その一方で軍事力ランキングでは世界2位の"強豪"である。
サッカーでは惨敗するかもしれないがスペインやポルトガルなどミサイルボタン一つで叩き潰せるだろうし、ウクライナやポーランドもまた子分の衛星国にしてやろうかと彼らは考えることができる。
ドイツやフランスもやるならサッカーではなく力でかかってこいというのがロシアの思考法だ。
ウラジーミル・プーチンは日に日に強硬路線を強化しており、経済やスポーツよりも軍事力の威信を重視している。
サッカーでは低迷しているがむしろ軍事では戦闘機や戦車、新型ミサイルと世界基準の"選手"が育っている。軍事ではサッカーにおけるブラジルのような強豪国であり、ロシア人にとってはそれが何よりも重要な事なのである。
それでも今回のロシアワールドカップが世界に対するロシアのスポーツを発信する絶好の機会であることに変わりはない。
サッカーはロシアのスポーツの中ではクリーンな部類である。国家ぐるみのドーピングが発覚したことをきっかけにロシアのスポーツは変革を余儀なくされている。
今回のワールドカップをきっかけにこの国のスポーツ文化が現代化していくことを願いながら、この大会の行く末を見守りたい。
メジャーリーガーになったイブラヒモビッチのゴールが相変わらず凄い
アメリカMLSに移籍したイブラヒモビッチが早速デビュー戦でやってくれた。
これぞイブラというようなスーパーゴールでチームを勝利に導き、新たなる伝説の開幕を告げた。
しかもLAギャラクシーの今回の対戦相手はロサンゼルスFCでもあるため「ロサンゼルスダービー」という舞台まで整っており、やはりこの男は何か持っている。
かつてスウェーデン代表時代にイングランド戦で決めたあのオーバーヘッドゴールを彷彿とさせるような強烈ボレー弾は、ゴール裏から見るとその回転が凄まじいことが分かる。
そしてヘディングでのゴールも決めており、メジャーリーグでの大暴れを予感させる最高のデビュー戦となった。
イブラヒモビッチと言えば怪我から復帰したばかりであり、以前のようなアクロバティックなプレースタイルを取り戻せるかどうかが不安視されていたが「イブラ健在」というようなゴールを見事に決めた。
やはりイブラはアメリカでもイブラだ。
更に移籍してからという物の俗に「イブラ節」と言われる発言も急増しており、ようやくズラタン・イブラヒモビッチという神が帰還したことを象徴づけている。
「王」と言ってはいけない、なぜなら「神」と言わなければ本人から怒られるからだ。
「ライオンは餓えている」
「ズラタンをファンに与えてやったよ」
「戦争に行くならガットゥーゾを連れていく」
ここ最近だけでもこのような発言をしており、アメリカ人好みのキャラクターをしていることも彼がMLSで愛されるための大きな魅力になるだろう。
外見、プレースタイル、言動、その全てのキャラクターがアメリカ人の好みに合うため、アメリカのサッカー人気向上に大きな足跡を残すことは間違いない。
やはりアメリカ人はスポーツに豪快な要素を求める嗜好をしているため、まさにイブラヒモビッチはMLSに適任のスターだ。
まだ欧州に残って欲しかったというのがファンの心理ではあるが、中国スーパーリーグや中東に行くよりはアメリカを選んだことは良い選択をしたと言える。
アメリカ人がサッカーで見たいのはダビド・ビジャのような小柄な選手が巧みにオフサイドラインと駆け引きをする事ではない。それがサッカーの魅力ではあるが、アメリカ人の好みではない。
アメリカのサッカーファンが求めるのは今回のイブラヒモビッチのゴールのように、派手なロングシュートなのだ。
欧州のトップリーグに比べてやや緩いリーグというのも相性が良く、エンターテイメント性に富んだ派手なゴールは今後数多く見られるかもしれない。
アメスポと言えば四大スポーツとしてフットボール、バスケットボール、ベースボール、そしてアイスホッケーが地位を確立しているが今後サッカーが5大スポーツとなるのか、それともホッケーを超えて4大スポーツの一角になるのかにも注目が集まる。
イブラのMLS移籍はアメリカのサッカー人気自体を大きく変える可能性もある出来事だ。
今回のワールドカップでアメリカは予選を勝ち上がることができず、サッカー人気にストップがかかるのではないかと思われていたがむしろイブラヒモビッチの到来はその人気に拍車をかけるだろう。
イブラヒモビッチ自体、その名が示す通り旧ユーゴスラビアのボスニアとクロアチアにルーツを持つ選手であり移民の子孫である。
だからこそ移民の国アメリカとも相性が良く、更に白人であるという事も「ヒスパニックに人気なスポーツ」というアメリカにおけるサッカーのイメージを変えることに役割を果たすのではないかと自分は見ている。
ロサンゼルスという国際色に溢れた都市に、イブラヒモビッチは大きな存在感を示すことになるはずだ。
ところで背番号が9番なのが気になり、イブラのトレードマークである「10番」は誰が付けているのかと調べたところ、メキシコ代表のジオバニ・ドス・サントスだというのは個人的に驚いた部分だ。
アメリカと言えばメキシコ人も多く、ここにアメリカ人好みのイブラヒモビッチが加われば、ロサンゼルス・ギャラクシーの人気には更に不動のものになりそうだ。
ジョビンコ、ランパード、カカー、ビジャ、ピルロと大物の移籍が相次いでいるが、彼らはアメリカのサッカー人気の決定打になるような選手だったとは言い切れない。
ここにイブラヒモビッチという強力なキャラクターが加われば、かつてのベッカム以上に大きな役割を果たし、アメリカがサッカーの国に変わっていくきっかけになるのではないか。
そもそも既にプレシーズンマッチでヨーロッパの名門クラブが訪れた時はスタジアムが満員になるほどの人気があり、ワールドカップの時のアメリカの盛り上がりはもはや「サッカー不毛の地」ではないことを示してきた。
最後に欠けていたラストピースがリーグにおけるスター選手であり、ここに自らスターを演じることが大好きなイブラが加わればエンターテイメントという意味でも盛り上がることは間違いなさそうだ。
既に注目度は高く、アメリカ人が求めるキャラクターが遂にメジャーリーグに到来した。
英語が堪能なことや、ニュースペーパーの見出しに使えるような発言が多い事は従来のサッカー選手のイメージと大きく異なる。彼はアメリカ文化の愛好者であり、むしろ欧州で異端児として扱われていた個性はアメリカで輝くことになるだろう。
挨拶はこうしてスーパーゴールを披露することで行った、彼がアメリカンドリームを掴みとる準備は既に整っている。
セリエAファンは今年のワールドカップどの国を応援するんだろうな
イタリアはサッカーでもヘタリアになってしまったと象徴づける出来事がワールドカップ予選敗退だ。
イタリアがW杯出場権を逃したことはサッカーファンに大きな衝撃を与えた。
2年前にはドイツやスペインに打ち勝ったチームが、スウェーデンとの直接対決に敗北したことはイタリアサッカーの衰退を象徴している。
かろうじて現時点ではチャンピオンズリーグにASローマとユベントスが勝ち残っているので、セリエAを愛する人々はこの2チームの活躍に期待を寄せているだろう。
ただしCLで燃え尽き、その後のワールドカップに楽しみが無くなるという事態も発生しうる。
かつてセリエAが黄金期を築いていた時代は、どの国の代表にもセリエAでプレーするワールドクラスの選手が存在したものだが今はスター不在となっているのが現実だ。
セリエAに在籍する世界レベルの選手としてイメージするのはアルゼンチン代表のゴンサロ・イグアインだが、イグアインほど応援していて期待外れに終わる選手もなかなかいない。イグアイン目的にアルゼンチン代表を応援するだけ無駄である。
もう一人アルゼンチン人FWと言えばイカルディが存在するが、出場機会に恵まれるかはわからない。
ただアルゼンチンと言えばイタリア系移民にルーツを持つ選手が多く、例えばリオネル・メッシはイタリア系だ。
更にバティストュータのようにかつてセリエAでプレーした選手も多く、イタリアと縁が深いという意味ではアルゼンチン代表を応援するという事は一つの選択肢になる。
他に思いついた選手と言えばピアニッチとジェコが存在するが、残念ながらボスニア代表が出場しないため彼らの応援というわけにはいかない。
しかし今大会同じ旧ユーゴスラビア構成国のセルビアが出場権を獲得している事は一つの楽しみであり、ダークホースとしても期待される。
例えばラツィオのミリンコビッチは次世代スター候補であり、今大会は彼の大会になるかもしれない。
そもそも旧ユーゴ諸国ではセリエAが人気であり、現在でもユーゴ系の選手は多い。ローマのコラロフやトリノのリャイッチはその代表例だ。
かつてはサビチェビッチやボバンがACミランで輝かしい実績を残しており、今大会はセルビア代表とクロアチア代表というユーゴ系の国々を応援して見ても面白いかもしれない。
かつて「東欧のラテン」と言われたこともあり、南欧のイタリアとどことなく雰囲気が似ている部分もある。
その意味ではアルゼンチンも同じヨーロッパ系のラテンの雰囲気があり、イタリアと似ている国という意味ではアルゼンチンかセルビア、クロアチアになるだろう。
それにしてもアズーリと呼ばれるイタリア代表と言えば結果にこだわったサッカーをし、勝負強いというイメージがあったがここ最近はそういった伝統的な強さが存在しない。
直近の試合では、圧倒的に攻めるトッテナムにユベントスが守り抜き唯一の数少ない枠内シュートをものにして勝ち上がったことはイタリアらしさを感じた。
ただしここ数年2度チャンピオンズリーグ決勝に進んだものの、バルセロナ、レアル・マドリードというスペイン勢に優勝を阻まれている。
最強ドイツが唯一苦手とし、かつてはスペインが長年勝てなかったイタリアの強さはここ最近やはり失われている。スウェーデン戦に関しては当時の代表監督がとてつもない無能だったという背景はあるが、それでもイタリアが衰退しているのは事実と言わざるを得ない。
今のイタリアは改革の途上にあり、気長に待つしかないというのも現実だ。
セリエAならば自分はACミランが好きなのだが、ガットゥーゾが指揮を執り始めてから少しずつではあるが生まれ変わりつつある。
かつてのようにヨーロッパに冠たるイタリアを取り戻すためには、こういった試みを評価していかなければならない。
また2年後の欧州選手権ユーロに向けたチーム作りも進んでおり、ドンナルンマ、エル・シャーラウィ、クトローネ、ヴェッラッティ、ボナベントゥーラのような新世代の選手がイタリアを立て直すことに期待がかかる。
昔は強かった古豪と言われるようにならないためにも彼らの台頭が待たれる。
しかしそれでもやはりイタリアが参加しないワールドカップはどこか寂しげだ。
ワールドカップのたびにイタリアを応援することが楽しみだったというファンは多いが、今年はその恒例行事も行うことができない。
W杯ではいつもイタリアファンが盛り上がることが風物詩のようでもあったが、今年はその光景を見ることはできない。
日本は特にセリエAの人気が高く、20代以上のサッカーファンにとってはやはりイタリアは特別だ。10代であってもつい最近まで本田圭佑と長友佑都がACミランとインテルに在籍していたため思い入れがあるファンは多いだろう。
バッジョの時代が終わり、デル・ピエロの時代は去りファンタジスタの系譜は途切れかけている。ピルロとブッフォンが引退し、標準的に充実はしているが突出した象徴的選手というのは生まれていない。
マリオ・バロテッリという問題児もいたが、あまりにも刺激が強すぎるのか代表からは遠ざかっている。
イタリアと言えばサッカーだけでなく、車やミリタリー、料理、ファッション、音楽の分野でも存在感がある国なのでイタリアという国自体にファンが多い。
普段サッカーを見なくてもワールドカップの時だけはイタリアを応援するという人々も多かったが、今年はそのイタリアは残念ながら出場しない。
ミリタリーと違ってサッカーではネタ要素が無くガチだったはずなのに、ついにはサッカーでもネタキャラになってしまっている。
今の状態はまさにどん底であり、予選敗退という状況からどこまで這い上がれるだろうか。
かつての栄光を知るサッカーファンは今もイタリアの復活を心待ちにしている。
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ガンダムが生き残るにはゲーム路線に切り替えるしかない
ガンダムファンにとっては常識だが、中にはそれが非ガンダムファンの人には伝わらないというような現象がある。
例えば「Zガンダム」をどう読むかなど、小学校低学年の漢字レベルと同様に簡単だ。
もちろん答えはは「ゼータガンダム」であり、機動戦士Zガンダムに登場する主人公機体である。
しかしこれは実はガンダムファンの常識に過ぎず、「ゼットガンダム」と読む人も実は一定数存在する。
ではなぜ彼らがこの機体名をゼットガンダムと読むのかと言えば、それはゲームで見たからである。
ガンダムゲームの代表格と言えばバーサスシリーズが知られているが、いわゆるそのバーサス系の動画をネットで見たことでガンダムを知るという新しい世代が登場しているようなのだ。
これはガンダムというコンテンツの人気存続を考えた場合、一つの打開策になるのではないかと自分は考えている。
Zガンダムを「ゼットガンダム」と読む新規層は貴重であり、これからの時代むしろガンダムをゲームとしてみる層が主流になっていくのではないか。
今の時代にガンダムシリーズのような長期的にコンテンツが継続している作品を最初から見るというのは非常に難しいのが現実だ。
仏教の経典を全て読んでこいというぐらいに面倒な事である。
しかし仏教にも南無阿弥陀仏と唱えていればそれで救済されるという浄土真宗という派閥が存在する。
それと同じように今後は、ゲームでガンダムの機体名さえ知っていればもうそれでガンダムファンというカジュアルなスタイルが求められているのではないか。
ガンダムファンは深みのある知識に拘りがちだが、実は浄土真宗の頃から簡単に入門できるスタイルが流行っていたのである。
今の時代に「ガンダムのアニメ」を見ることはやや時代遅れのダサいことになりつつあるが、「ガンダムのゲーム」をすることはスタイリッシュだという風潮がある。
スタイリッシュどうかはわからないが、とにかくゲームの世界では良くも悪くもガンダムは一目置かれている。ガンダムのゲームは凄いとか、マニアックなガチ勢が多いというようなイメージがあるのは事実だ。
アニメはダサいがゲームはかっこいい、そういう時代においてガンダムがこれから重視するべきなのは間違いなくゲームだろう。
ガンダムと言えばリアルロボットの世界観が人気を博してきた要因であり、個人的にもその世界観が気に入っている。
モビルスーツというのは、その世界に置いては実在する現実の兵器であるという設定があるからこそそこに深みがある。どのような目的で製造され、どのように活躍したかというその作品内の史実を考察することがガンダムファンの楽しみ方であった。
しかし今の時代に、もはや戦争の現実感は薄れゲームとして戦う事の方が憧れに感じるようになっている。
そういった時代に適応していくこともガンダムには必要なのではないか。
ガンダムのプラモデル、通称ガンプラもこれからは作中のキットというよりもゲームキャラクターのキットとして売り出していけばかつての地位を取り戻せるかもしれない。
作中の好きなキャラクターが使っているから欲しいのではなく、これからは自分がゲーム内で使っていたり好きな動画投稿者が使っていたりするからガンプラが欲しくなるという時代になっていくのかもしれない。
例えばキラ・ヤマトが機動戦士ガンダムSEEDにおいて搭乗するストライクガンダムという機体がある。
このMSは地球に侵攻するザフトに対抗するために、地球連合がオーブのモルゲンレーテ社と共同開発をしたという設定が存在する。更に完成間近ではあったもののOSの調整が進んでいなかったところに、クルーゼ隊が襲撃し奪取されかけるがキラ・ヤマトがOSを書き換えてそれ以降キラの搭乗機体になる。
実弾を無効化するフェイズシフト装甲やモビルスーツが携帯できるサイズに小型化したビームライフルに加え、3種類のストライカーパックがあり多種多様な局面に対応できる。
これくらいの設定はガンダムファンとしては基礎常識なのだが、今の時代の十年以上前の知識を当たり前に兼ね備えておかなければならないというのはハードな要求なのではないか。
Zガンダムに至っては30年前の機体であり、これはスポーツで言えば30年前の選手を知っていなければならないという状況に似ている。
これからはアニメ作品内の「兵器」という設定から、ゲーム内の「キャラクター」という設定の方が受け入れられやすい時代になっていくことは容易に想像がつく。
ガンダム最大の良さだったものは、今はむしろ敷居の高い設定になりかけてもいる。
そして今の時代はゲームが若い世代からは憧れの対象として見られる時代になっている。
ガンダムのモビルスーツデザインはキャラクターとして考えれば非常に優秀な物が多く、実際に若者のロボット離れだと言われながらも支持を集めている。
実際に最新作品のビルドダイバーズはVRの世界を舞台にしており、ゲーム路線は既に始まってもいる。
これからのガンダム作品が目指すべき道はゲームの世界なのかもしれない。
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サッカー国際親善試合ドイツ代表VSスペイン代表 レベルが高すぎてヤバイ
サッカーの国際Aマッチデーがあり日本代表も久々の代表戦を行っているが、世界でも同様のことが行われている。
あと3か月後にFIFAワールドカップが始まるため、W杯出場国はどこも最後の仕上げに取り掛かっている。この時期の親善試合はただの親善試合ではなく、どこもワールドカップ本戦を想定した本気の試合を行っている。
そして今回ハイライト動画ではあるがドイツ対スペインという屈指の好カードを観戦してみた。
出来ればこういった試合も地上波で放送したほうが、世界のレベルを知り日本サッカーの参考にもなるのだがネットにあるハイライト動画でも十分参考になる。
この組み合わせはは今現在ヨーロッパの強豪国の中で最も組織力あるチーム同士が激突したと言えるかもしれない。フランス代表は個人のタレント能力では今欧州一かもしれないが、ドイツとスペインの組織力にはまだ到達していないように思う。
実際に直近のスペインとフランスの直接対決でもスペインに軍配が上がっていることがその証明だ。
この試合最大の2つの見どころは、ロドリゴ・モレノの1点目をアシストしたスペイン代表アンドレス・イニエスタのスルーパスと、ドイツ代表トマス・ミュラーのミドルシュートだ。
イニエスタの視野の広さはいつ見ても異次元で、一つのパスで試合の流れを変える魔術師だ。
ゲームのキャラクターで言えばテクニカルな動きや頭脳的なプレーで相手を翻弄する印象に近く、そういったタイプが好きな人はイニエスタを応援してみると面白いかもしれない。右脳の空間認識能力がもはや人外の領域にあるため、そのパスには常に驚かされる。
本人も今年のワールドカップが年齢的に最後だと語っており、自分としても思い入れのある選手だ。
次にドイツ代表トマス・ミュラーが決めた同点ゴールのミドルシュートは凄まじい。
ミュラーという選手はペナルティエリア内のどさくさの中で決めるゴールが得意な選手で、あまりこういったダイナミックなミドルシュートを決めることは無い。
ドイツのストライカーらしい系譜を受け継いでおり、謎の得点センスを兼ね備えているが基本的には地味な選手だ。
しかし弾道を見ても異様な軌道を描いており、エリア内限定の選手と見せかけてこういった飛び道具も持っている。
個人的にこの選手はあまり好きではないが、世界最高ゴールキーパーのデ・ヘアが獲れないのだから規格外のシュートだったと言わざるを得ない。
所詮ハイライト動画に過ぎないことは承知で、この試合を見て思ったのが「シュートの威力」は絶対的に大事だなという事だ。
スペイン代表と言えば細やかなパスサッカーを主体にしており、流れるようなパスワークがこの試合でも披露されているが強力なミドルシュートを打つシーンもいくつか存在した。
そしてこういう強豪国同士の試合を見ると、ますますワールドカップが楽しみになってきた自分がいる。
今年の夏最大のビッグイベントはワールドカップであり、もはや今の自分はW杯のためだけに生きていると言っても過言ではない。
サッカーの非日常感は今の自分に昂揚感を与えてくれる数少ない娯楽だ。
どれだけワールドカップを楽しむかを今から考え、観戦計画を練っている。
ちなみに今年の優勝予想自体はフランス代表なのだが、優勝してほしいという願いならばメッシ擁するアルゼンチン代表を推している。
本当は日本代表以外で好きなナショナルチームはスペイン代表だが、リオネル・メッシがワールドカップを獲得する最後のチャンスになるかもしれないので今年はアルゼンチン代表の優勝に懸けている。
そしてこのドイツ代表は間違いなく優勝候補の筆頭だ。
今のドイツ代表がどういったチームかと言えば、それはWW2に参加した陸戦の将軍の中で最も有能だと連合軍におそれられたドイツ軍の知将マンシュタインに率いられるチームだと考えればミリタリーファンには分かりやすい。
おまけにティーガーやパンターと言った高性能の戦車やメッサーシュミットBf109を揃えているようなもので、全てのポジションにワールドクラスの選手が存在する。
それこそワールドカップにおける得点記録を毎回伸ばしているトマス・ミュラーはエーリッヒ・ハルトマンのような撃墜王だ。
ドイツ代表には二人の司令塔が存在する、トニ・クロースは3号突撃砲のように後方から戦線を支える駆逐戦車のようなものだ。
そしてメスト・エジルはより前線で相手の急所を突くパンター中戦車のような存在かもしれない。
そんな彼らを率いるのがヨアヒム・レーヴという監督であり、このロシアワールドカップ後はレアル・マドリードの監督に就任するのではないかと言われている。
代表チームを率いる監督の中では、アルゼンチンのサンパオリと並ぶトップクラスの知将でありクラブチームレベルの監督であることは間違いない。
だからこそドイツのホームでスペイン代表が1-1に引き分けたというのはスペインの視点で言えば上出来だろう。前回大会でグループリーグを敗退したことでスペインの時代は終わったかと思われていたが、フランスの勝利し、FIFAランク1位の優勝国ドイツに引き分けたことの意味は大きい。
世界のレベルが高いことは日本代表にとっては厳しい現実ではあるが、同時の世界のレベルの高さを思う存分に楽しむことができるのがワールドカップだ。
今からそんな夏の祭典を楽しみにせずにはいられない。
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美味しいお酒はいつもより調子に乗って飲み過ぎてしまう
味の良いお酒というのはどうしても、いつもより多めに飲んでしまいがちだ。
一昨日は大量に飲んでしまい、丸1日経っても二日酔いが収まらず今も頭がクラクラしている。
味の良いお酒と言っても、普段の安酒よりやや高めの数百円代の物でしかないのだが、味がしっかりしているものはぐいぐい飲めてしまうため気づいたときには過剰にアルコールを摂取してしまっている。
外に出たときのテンションだと尚更飲みたくなるので、いろいろなところで飲み歩きした結果1夜で一週間分ぐらいの酒代を使ってしまっていた。
あまり美味しくないお酒だと自重するが、美味しいお酒だとまるで永遠に飲めるような感覚になってしまうのだ。
コンビニやスーパーをお酒を得るために巡ったり、場末の中華料理屋でお酒を頼んだりして楽しかったことは楽しかったが醜態を晒してしまったとも言える。
深夜の街をお酒を片手に飲みながら歩く人間なんて、この田舎町には自分しかいないだろう。完全に頭のイカれた奴だ。
とにかくまだ二日酔いで気分が悪い内に、戒めとして覚えておくことが重要だ。
少なくともこの1週間は飲まない、そうすればこの浪費は取り返せる。
前園真聖を見習って今回ばかりは本当にしばらく禁酒をしなければならない。
それぐらいに気分が悪く後悔しているし、こんなことをしている場合でもない。あまりにも馬鹿げていた。
ただメンタル面で上向いていることとして、最近お酒を飲んで気分が悪くなった時に昔ほどネガティブにはならなくなっているのは個人的には大きな進歩だと言える。
酔い過ぎて気分が悪い時は死にたいとしか思わなかったが、最近はそこまで自虐することは無くなっている。
しっかり反省してお酒以外の別の楽しみを見つけてストイックに今回こそお酒の量を減らしていきたい。もう少し飲んでいたら本当に命にかかわっていたかもしれないし、改めてお酒というのは加減を誤れば危ない物だなとも感じた。
味が良いお酒は確かに良いし、飲み方を間違わなければとても楽しいものだが、終わり方が悪ければ結局後悔することになる。
折角の良いお酒を台無しにしないためにもちゃんと考えて飲むことも大事だなと。
自暴自棄になってお酒を飲んでも幸せにはなれない、そんなことを何度も言っているがそろそろ本当にそのことに気付かなければならないだろう。
お酒の飲み過ぎは本当に気分が悪くなる、この気分の悪さを覚えている内に反省しなければまた同じ過ちを繰り返す。
とりあえずまずは一週間、"謹慎"することにしたい。
一つは経済的な理由から、そしてもう一つは体のケアのためでもある。一度、しばらくの間お酒を断って体を休ませたいし、上手く行けばお酒を辞められる。
むしろ無駄な出費を抑えられれば今回がきっかけでむしろ経済的に得をすることなるだろう。
お酒は思っているほど素晴らしい物じゃないと考え直して、一度距離を置く必要がある。幸せになれる魔法の水ではないのだから、むしろいつも同じように後悔するだけだ。
本当に 丸1日ただ悪酔いと葛藤しているのだから本当に無駄でしかない。
以前断酒したときは最長で2週間まで行く事が得きた。
出来ればその時を超えたいという思いもあるが、まずは半分の一週間が現実的な目標だ。
今月中は飲まないという考え方にしても良いし、お酒に依存する人生自体を変えていきたくもある。
別の面白い趣味を作るか、人生テンションが上がらない時間の方が長くて普通だという考えを持って安易にテンションをあげようとしないことも大事な心がけかもしれない。
人生が楽しい事ばかりではないというのはもう仕方がないことだと割り切るしかない。
むしろお酒に頼ることでますます人生が悪くなっていっている。
何か目標や夢を他に見つける必要があるんだろうなあ、負の連鎖はここら辺で断ち切らないといけない。
バーチャルユーチューバーって現代の闇を表してるよな
バーチャルユーチューバー市場がここ最近拡大しつつある。
実際に再生数を見ても非常に多く再生されており、もはや一大ジャンルとして確立されたと言っても過言ではないだろう。
バーチャルユーチューバーの流行が示している本質、それはつまり「結局、最近のオタクは可愛い女の子を見たいだけ」ということに尽きる。
オタク層が好む作品の変遷を辿れば、まずアニメの中だからこそ描けたスケールの大きい作品が減り、女性キャラクターしか出てこない日常アニメの時代になる。
そしてもはやストーリーや背景すら必要とされなくなった結果、そこに残ったのはキャラクター、つまり今のバーチャルユーチューバーとなったのだ。
必要最低限の物だけに絞った結果、もはやキャラクターだけいればいいじゃんという時代になったとも言える。
今までは面倒なストーリーのアニメを見て、そのキャラクターが少ししか登場しないような話まで何とか見ていたのがオタクだった。しかし今の忙しい時代に毎回1話ずつ、しかも目当てのキャラが登場しないようなシーンまで見るというということは現代人のライフスタイルに合わなくなってきている。
バーチャルユーチューバーの流行はそんな「最低限の物でいい」「必要なものだけでいい」という現代人の嗜好を象徴している。
壮大な夢物語はもはやアニメの中ですら非現実的な物なり、ましてキャラクターが命を落としてしまうような作品など「癒し」を求める最近のアニメファンにとってはご法度なのだ。
ただでさえ現実に忙しく疲れている時に、アニメの中ですら夢を思い描く余裕も体力もなく、傷つきたくもない、それが現代人の本音なのだろう。
時間と金がない、恋人も友達もいない、そんな孤独と貧困にまみれた疲弊しきった日本社会にこのバーチャルユーチューバーという存在は見事にマッチする存在だ。
可処分所得はなかなか増えていかずお金が無いので楽しい事は何もできない、そして社会人になれば自然とかつての仲間たちとも疎遠になっていく。
学生時代の人間関係と違い、職場で中々気の合う友人を作ることは難しい。
仮に交友関係があったとしても、平日ではなかなかスケジュールが合わず結局孤独に苛まれることになる。
ネットの表面上の人間関係を小まめに維持することにも疲れ、そして当然のことながら彼女は作ることができない。頑張って婚活しても、いずれ高額な不妊治療が必要な人としか結婚できないとなると誰もが諦める。
これが今の平均的な成人男性の実像なのではないだろうか。
みんな疲れているし諦めているのだ。
バーチャルユーチューバーの再生数がそのまま日本の孤独な独身男性の数だと考えれば相当に闇は深い。
これまでそんな孤独な男性層を癒してきた三次元のアイドルや配信者も、昨今は様々なな問題を起こしておりどうせ裏切るからと信用できなくなっている。
そんな時に手軽に自分の好きな時間に見れて、視聴者に寄り添ってくれるバーチャルユーチューバーは心の隙間を埋めてくれる存在なのだろう。
一人でストロングゼロを飲みながらバーチャルユーチューバーを見て晩酌するのが現代人スタイルだとも言える。
安い居酒屋ですら低所得者には行けない時代に、仕方なくストロングゼロを飲みながらyoutubeの動画を見ているような底辺の人間を誰かが助けてくれるわけでもない。
バーチャルユーチューバーのコメント欄は社会の吹き溜まりであり、どこにも居場所が無い人が集まっている日本で最底辺の空間だろう。
最底辺だからこそ似たような人々にとっては居心地がいいし、そこにいれば擬似的に仲間がいるような気がしてくる。
こんなささやかな一員感さえも今の日本人にとっては貴重なのだ。
悪いのはバーチャルユーチューバーに癒しを求める彼らなのではない、こういった可愛そうな男性を大量生産してしまった日本社会なのではないか。
社会からも女性からも必要とされない哀れな成人男性がみんな虚しくバーチャルユーチューバー見て即自的に癒されてる、これが日本の現実だ。
そして社会からも男性からも必要とされない哀れな成人女性はネコ動画を見て同じく癒される。
今の日本人が求めているのは大きな夢ではない、小さな癒しなのである。
その小さな癒しやささやかな日常の幸せすら手に入らなくなったのが現代なのである。
アニメを見るには忙しく、他の楽しみを得るには金もない。
恋人など当然作れないし結婚など夢のまた夢、かといって風俗には経済的余裕がないので行けない。
職場に友達もおらず、学生時代の友達は疎遠になったり日ごろはスケジュールが合わなかったりする。かといってネットの人間関係は面倒なうえに表面上だけで、誰も自分にしか興味が無い。
そんな世の中からあぶれた男性の最後の拠り所がバーチャルユーチューバーなのだろう。
アニメはバーチャルユーチューバーに食われて、漫画は漫画村に滅ぼされる。
ゲームもソシャゲに全てを持っていかれ、もうこれからかつてのような面白いものは作られなくなるだろうと言えば老害の懐古厨呼ばわりされるかもしれない。
予算も需要もどこにもないのでもう凄いアニメは作られないだろうし、漫画やゲームも壮大なスケールで製作されることは無いのだろう
バーチャルユーチューバーに限らず、日常の中で最低限手に入るようなもので満足するようになったのが最近の日本人だとも言える。
誰もが元気が無く疲れていて、冷めている。
夢を追いかけても無駄だと本能的に悟りきってしまっているのだ。
弱り切った心がやっとの思いで求めるのが癒しであり、今の日本人を象徴している。
経済が良くお金があった時代に作られたもののほうがよかったかもしれないが、もう過去のものを超えるものは出てこない、そういった停滞感が日本全体に漂っている。
幸せな時代はいつまでも続かない、その現実に誰もが気付き、夢なんてなくても日常で幸せだし持っても無駄だという時代になってしまった。
大人しい現代人はスポーツ観戦も興味ないし、アニメの中で傷つきたくない。
派手な生活がもてはやされた時代から、地味な生活でも良いという時代になった、いやそうせざるをえなくなった。
オタクは結局可愛い女の子見たいだけなので、それに特化したバーチャルユーチューバーが流行る国になってしまった。
日常アニメよりさらに意識低いものが現れたとも言えるだろう。
スーツはオーダーメイドだった時代から、量産のものでも全然かまわないという価値観になったように、安い物や手軽なものでいいという考え方が日本人の平均的な感覚になっている。
可処分所得が少なく、未来は良くなっていくわけでもないという時代に適応しきったのだろう。
もはや初音ミクのように歌う必要すらなく、ただ自分に話しかけてくれるだけでいい、それがキズナアイなのだ。