負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

セリエAファンは今年のワールドカップどの国を応援するんだろうな

イタリアはサッカーでもヘタリアになってしまったと象徴づける出来事がワールドカップ予選敗退だ。

イタリアがW杯出場権を逃したことはサッカーファンに大きな衝撃を与えた。

2年前にはドイツやスペインに打ち勝ったチームが、スウェーデンとの直接対決に敗北したことはイタリアサッカーの衰退を象徴している。

 

かろうじて現時点ではチャンピオンズリーグにASローマとユベントスが勝ち残っているので、セリエAを愛する人々はこの2チームの活躍に期待を寄せているだろう。

ただしCLで燃え尽き、その後のワールドカップに楽しみが無くなるという事態も発生しうる。

 

かつてセリエAが黄金期を築いていた時代は、どの国の代表にもセリエAでプレーするワールドクラスの選手が存在したものだが今はスター不在となっているのが現実だ。

セリエAに在籍する世界レベルの選手としてイメージするのはアルゼンチン代表のゴンサロ・イグアインだが、イグアインほど応援していて期待外れに終わる選手もなかなかいない。イグアイン目的にアルゼンチン代表を応援するだけ無駄である。

もう一人アルゼンチン人FWと言えばイカルディが存在するが、出場機会に恵まれるかはわからない。

ただアルゼンチンと言えばイタリア系移民にルーツを持つ選手が多く、例えばリオネル・メッシはイタリア系だ。

更にバティストュータのようにかつてセリエAでプレーした選手も多く、イタリアと縁が深いという意味ではアルゼンチン代表を応援するという事は一つの選択肢になる。

 

他に思いついた選手と言えばピアニッチとジェコが存在するが、残念ながらボスニア代表が出場しないため彼らの応援というわけにはいかない。

しかし今大会同じ旧ユーゴスラビア構成国のセルビアが出場権を獲得している事は一つの楽しみであり、ダークホースとしても期待される。

例えばラツィオのミリンコビッチは次世代スター候補であり、今大会は彼の大会になるかもしれない。

そもそも旧ユーゴ諸国ではセリエAが人気であり、現在でもユーゴ系の選手は多い。ローマのコラロフやトリノのリャイッチはその代表例だ。

かつてはサビチェビッチやボバンがACミランで輝かしい実績を残しており、今大会はセルビア代表とクロアチア代表というユーゴ系の国々を応援して見ても面白いかもしれない。

かつて「東欧のラテン」と言われたこともあり、南欧のイタリアとどことなく雰囲気が似ている部分もある。

その意味ではアルゼンチンも同じヨーロッパ系のラテンの雰囲気があり、イタリアと似ている国という意味ではアルゼンチンかセルビア、クロアチアになるだろう。

 

イタリア代表

それにしてもアズーリと呼ばれるイタリア代表と言えば結果にこだわったサッカーをし、勝負強いというイメージがあったがここ最近はそういった伝統的な強さが存在しない。

直近の試合では、圧倒的に攻めるトッテナムにユベントスが守り抜き唯一の数少ない枠内シュートをものにして勝ち上がったことはイタリアらしさを感じた。

ただしここ数年2度チャンピオンズリーグ決勝に進んだものの、バルセロナ、レアル・マドリードというスペイン勢に優勝を阻まれている。

 

最強ドイツが唯一苦手とし、かつてはスペインが長年勝てなかったイタリアの強さはここ最近やはり失われている。スウェーデン戦に関しては当時の代表監督がとてつもない無能だったという背景はあるが、それでもイタリアが衰退しているのは事実と言わざるを得ない。

今のイタリアは改革の途上にあり、気長に待つしかないというのも現実だ。

 

セリエAならば自分はACミランが好きなのだが、ガットゥーゾが指揮を執り始めてから少しずつではあるが生まれ変わりつつある。

かつてのようにヨーロッパに冠たるイタリアを取り戻すためには、こういった試みを評価していかなければならない。

また2年後の欧州選手権ユーロに向けたチーム作りも進んでおり、ドンナルンマ、エル・シャーラウィ、クトローネ、ヴェッラッティ、ボナベントゥーラのような新世代の選手がイタリアを立て直すことに期待がかかる。

昔は強かった古豪と言われるようにならないためにも彼らの台頭が待たれる。

 

しかしそれでもやはりイタリアが参加しないワールドカップはどこか寂しげだ。

ワールドカップのたびにイタリアを応援することが楽しみだったというファンは多いが、今年はその恒例行事も行うことができない。

W杯ではいつもイタリアファンが盛り上がることが風物詩のようでもあったが、今年はその光景を見ることはできない。

日本は特にセリエAの人気が高く、20代以上のサッカーファンにとってはやはりイタリアは特別だ。10代であってもつい最近まで本田圭佑と長友佑都がACミランとインテルに在籍していたため思い入れがあるファンは多いだろう。

バッジョの時代が終わり、デル・ピエロの時代は去りファンタジスタの系譜は途切れかけている。ピルロとブッフォンが引退し、標準的に充実はしているが突出した象徴的選手というのは生まれていない。

マリオ・バロテッリという問題児もいたが、あまりにも刺激が強すぎるのか代表からは遠ざかっている。

 

イタリアと言えばサッカーだけでなく、車やミリタリー、料理、ファッション、音楽の分野でも存在感がある国なのでイタリアという国自体にファンが多い。

普段サッカーを見なくてもワールドカップの時だけはイタリアを応援するという人々も多かったが、今年はそのイタリアは残念ながら出場しない。

ミリタリーと違ってサッカーではネタ要素が無くガチだったはずなのに、ついにはサッカーでもネタキャラになってしまっている。

今の状態はまさにどん底であり、予選敗退という状況からどこまで這い上がれるだろうか。

かつての栄光を知るサッカーファンは今もイタリアの復活を心待ちにしている。

1/35 CV33 カルロ・ベローチェ アンツィオ高校