ひろゆき「日本人が中国語を勉強するメリットはほとんどない」
最近2ちゃんねるの創設で有名なひろゆきがフランスで生活してフランス語を勉強しているということを知ったのだが、その話で語っていた「自分が勉強したときに最も効率のいい言語を勉強したほうがいい」とういう理論が興味深かった。
理路整然とした合理的な話は面白く改めてひろゆき面白いなとも思ったし、その話を聞いて外国語学習熱が復活したので良い機会だった。
そのひろゆきの話によると日本人が中国語を苦労するメリットはそこまでないという事だ。中国だけで14億の人がいて世界中の華僑が話している言語として中国語は世界で最も通用する言語のひとつである。実質的には20億近い話者が存在するのではないだろうか。
日本にとっても隣国であり今後世界をリードする大国である中国の公用語をなぜ学習するメリットがないのか、自分はその部分を不思議に思った。実際中国に加えて世界中の華僑が使用するというメリットは大きく世界最大級の言語でもある。
人脈やビジネスを考えたときに間違いなく有用なはずだ。
ではなぜ日本人が一見有用に見える中国語を学ぶ必要がないのか?
その理由は非常にシンプルだ。
「日本語が話せる中国人を雇う方が早くて安上がりだから」
日本にいても感じることだが実際日本語を扱える中国人は多く、彼らは日本語学習熱が非常に高い。中国方面で何かをやろうとするならば彼らを雇ったほうが自分が習得するより早いのだ。
これと似た理論で言えば英語圏の人がスペイン語を勉強してもそれほどメリットがないのである。なぜならばアメリカ国内にメキシコ人が多く彼らを雇ったほうが安上がりだかららしい。
つまり「自分が学んで得する言語とそうでない言語」は明確に存在し、自国より人口が多く経済水準が高くない国の言語をそこまで熱心に勉強するメリットは大きくないのだ。
また日本において日本人が中国語ができたところで通訳や翻訳家、語学教室での需要も見込めない。なぜならば人件費の安い本場のネイティブの中国人の方がよほど需要があるからであり日本人が中国語を習得してもそれほどメリットはなく、中国において日本語教師として働く場合もこれまたやはり「日本語の出来る中国人」が無数に存在する為それほど高待遇では迎えられず競争が厳しい。
それに加えてひろゆきは中国人との「労力」の勝負でも勝つ見込みはないと語っており、人口も多く安い賃金で長時間働ける中国人にその分野で日本人は勝てないと主張している。
日本人が中国語を勉強するならばよほど中国に興味があり中国文化を心から愛している人に限られるだろう。中国語能力に加えて中国でビジネスを開拓するアイデアや情熱も存在しなければならず中国語ができるというスキルだけでは「日本語ができる中国人」に勝ち目はない。
また個人的な外国語学習の経験からすると「好きではない言語」というのは勉強が続きにくい。ただ単にこれから中国語が重要になりそうだからという理由だけでは続かないし、素直に日本語が話せる中国人を雇い他の言語やスキルを磨いたほうがいいだろう。
価格:2,160円 |
よって日本人が外国語を学ぶとすれば1位は当然英語だとしてよく大学の第二外国語として学ばれる言語は大きなメリットがある。
たとえばひろゆきのようにフランス語は「希少価値」を生み出せるだろうし、日本の大学の第二外国語の教育レベルはそれほど高くないために習得すれば周りの日本人に比べて特殊な価値を持つことができる。
本国の経済水準のレベルが高い国はそのまま移住先にもなり得ることに加えて、自分より安い賃金で働けるライバルが発生しにくいというメリットがある。
まさにフランス語ならばフランス自体が日本と同等かそれ以上の生活水準で過ごせる国でありひろゆきの話を聞くと非常に充実した生活を送っているようである。
またこういったかつて植民地を多く保有していた国の言語というのは本国以外でも通用する為「先進国」と「新興国」の両方で通用するという一石二鳥のメリットがある。
給与水準が高く希少性を持てる国に加えて、これから発展するであろう新興国で通用するというメリットもあるのだ。
たとえばフランスならばアフリカでは非常にメジャーな言語であり、これからアフリカは爆発的な経済発展を遂げる可能性がある。人口、領土、資源、そのすべてにおいてアフリカは最後のフロンティアであり21世紀はアフリカが台頭するだろう。
フランス本国のメリットも大きく、フランスはヨーロッパの中では比較的日本への関心度の高い国であり「フランス語ができる日本人」への扱いは良いと言える。それに加えて「経済発展をする新興国」の言語としてのメリットも大きい。
これに近いのがスペイン語で、スペイン語はラテンアメリカ諸国、そして中南米諸国で非常に多く通用する。世界での重要度に対してスペイン語ができる日本人や日本語ができるスペイン語圏の人が少ないのも見どころだ。自分が今勉強しているのはまさにスペイン語で今新しく第二外国語を日本人が勉強するならばフランス語かスペイン語のどちらかが最有力候補となる。
またドイツ語も伝統的に日本で重要視されている言語だ。
科学、医学、哲学などではドイツ語が非常に重要視されている。それに加えて現在のEUはドイツの存在感が非常に強く実質ドイツ第四帝国ともいえる状況だ。イギリスが離脱したことで欧州においてドイツ語の地位が高まる可能性はあるだろう。
実際スイスやオーストリアのようにドイツ語圏といっても差し支えの無い国があり欧州におけるプレゼンスは高い。またひろゆきのいうように「安い人件費で雇える話者」が存在しないこともプラスだろう。EUとの関係性を考えたときその中心に存在するドイツとの関係は今後を重要になっていくかもしれない。
しかしドイツ語、イタリア語の重要性はスペイン語やフランス語に比べてローカルであるためドイツかイタリア本国に対して情熱がなければより広域で話される言語を学んだ方が得だろう。
とくにイタリア語はよほど芸術や音楽、料理、サッカーに関心がある人に限られ実際の実用性ならばロシア語よりも下になるのではないだろうか。
そういった意味ではインドネシア語、タイ語、ベトナム語などが穴場かもしれない。中国ほど日本語学習に熱心ではない上にこれから経済発展を遂げ、日本企業も重要視している地域が東南アジアだ。地理的にも近く需要に対してライバルが少ない。
例えばイタリア語やドイツ語は近代以降学習環境が整えられていることに加えブランド価値があるため日本ではライバルが多い。それに加えて実際はローカルな言語であり話者もそれほど多くは無い。
一方東南アジアの言語はこれから話者も需要も増大し、なおかつ現地の東南アジアの人々も中国人ほど日本語学習に熱心ではない。もちろんルックイースト政策によって東南アジアでも日本語は重要視されているのだが、かつてほど日本や日本語は重要視されておらずトレンドは移り変わっている。東南アジア人は今それほど日本を重視しておらずむしろ日本人の方が東南アジアを重要視し始めている。
総評をまとめるならば「これから経済発展をする可能性が高い国」や「新興国」の言語として中国語を学ぶのは時代遅れであったり労力に見合わない。
そして実用性を求めるならだ第一に英語、そして第二外国語としてトライリンガルを目指す場合は「かつて植民地を多く抱えていた欧州の国」か「これから発展することに加えて日本語学習熱が中国に比べて盛んではない国」の言語が現実的な選択肢に入るだろう。
いずれにせよ21世紀という激動の時代、もはや一つの母国語しか話すことができないという人材は淘汰されていくだろう。外国語の学習は少しでも早い方がいい、そういったグローバル化の時代になっていることは間違いない。