負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

大人になると創作熱が下がるのはなぜなのか

最近まるで創作熱が湧かない。

とにかく描きたいと思う物がもうあまりなく、ペンタブを起動して絵を描いたのは数か月前にさかのぼる。

アナログでも当然絵を描いていないし、何か心にぽっかり空白が開いてしまっている。

 

創作に必要なのは「資金」「時間」「情熱」の3つのトライアングルである。

今の自分が創作できないのは生活に困窮しており、それどころではないからというのがまず第一の理由だ。

創作に集中できる環境が無ければ中々創作活動を続けていくことはできない。

 

更に結局のところ絵というのは時間が最も必要と言っても過言ではない分野だ。

これが大人になると絵を描けなくなる最大の問題であり、一般の社会人生活を送っていれば中々絵を描く時間には恵まれない。

良い絵というのは才能はもちろんの事、時間をかけなければ描き表わすことはできない。絵の本質というのは、極めれば最終的には丁寧な作業量に比例する。

 

そして最後に情熱だ。

創作衝動や、描き表わしたいイメージのような物があれば自然と筆は動くが、この基礎が無くなってしまえばもう何もできなくなる。

情熱という最後の砦が無くなれば絵描きとしては致命的だ。

 

正直なところ個人創作というのはお金にもならないし、なかなかやりがいを得ることは難しい。絵というのは時間と労力がかかるが、見ている人は一瞬でよほどのことが無い限り反応が無いことが多く、当然よかったからと言って支援があるわけでもなく割に合わないというのが現実だ。

社会人が地道に続けていくにはあまりにも労力と対価がかけ離れているのが絵の世界だ、そしてライバルは多い。

 

ここ最近、漫画村が大きな問題になっているがもはや正規品の漫画ですら無料で見ることが当たり前になっている時代に、ネットの末端で行う創作では食っていけないのが現実だ。

作ってる方はいろいろな物を犠牲にして真剣に作っていても、見ている人はあくまで暇だから見ているに過ぎない。漫画ですら買って応援しようという考え方が衰退している時代に、もうネットの個人創作を応援しようという人はなかなかいないのが悲しい実態だ。

自分自身ピクシブにDL販売のような物を出しているが結局のところ売れずに、まぁこんなものかと悟ることになった。

結局こうして資金、時間、情熱の順番で無くしていくと誰もが廃業していくことになるのだろう。絵にはお金と労力や時間、そしてやりがいが必要という事を理解してくれる人はそう多くは無いし、替りはいくらでもいる。

 

そんなピクシブを久しぶりに見て、昔から知っている人のアカウントを少しだけ閲覧した。

創作活動を未だに続けていて「よくまだ続いているなぁ」と冷めた邪な目線で見ている自分に気付いた。

前にその人を見たときは「自分ももっと続けてみるか」と思ったが、今は「どこからそのモチベーション来るんだよ・・・」と考えるようになっている。

 

閲覧数はむしろただでさえ少ない自分より更に少なく、相変わらず増えていない。

昔に比べてコメントは増えているが、投稿者同士でコメントし合ったり、わずかな固定客を作っている状態とも言えるだけで、いつか冷淡に去っていく時は去っていくのだ。

ネットのコミュニティで盛り上がっているときは一瞬で、半年も投稿しなければすぐに忘れ去られるのが現実だ。

自分もコメントしているから返してくれるような状態でしかなく、お返しをしなくなればこういう人は去って行き、いざという時は心配もしてくれない。

ネットの人間関係は疎遠になれば音沙汰無くなることが悲しくさせる。

 

本当に冷めた捻くれた考えなのかもしれないが、先行きの無い創作をしていて何になるのかと考える自分がいるのも事実だ。

失礼であることは承知で、その人の作品シリーズは客観的に見て受けそうな要素は見当たらず、実際に自分より昔から投稿していながらずっと何年も変わっていないような状況だ。

右肩上がりで伸びていく時は楽しいが、ある程度限界を悟るとモチベーションは続かなくなる。

自分は絵の才能が無いことや創作に未来が無いという現実を悟ったが、この人は一体い何を目標に書き続けているのだろうと疑問に感じることがある。

 

閲覧数が少なくてもネット上の人間関係で盛り上がっていれば確かにモチベーションは続くだろう。現に自分もピクシブでコメントしてくれる人がそれなりにいた時代は、正直今より下手な頃でも楽しかった。

しかし疎遠になるともう過去には戻れないし、夢や希望に満ちていた頃の自分にも戻れない。

続けても明るい未来があるようには思えないし、そもそも今の環境や状況では悠長に絵を描き続けていられない。生活の不安の中で創作欲求は中々湧き上がってこない。

 

プロの漫画家ですら漫画村に食われて廃業が迫っている時代に、個人の手作り的な創作にもう居場所は無いんだろうなぁというのが現実として迫りくる。

結局予算という現実に夢は勝てないのだ。

資格や受験のように、1年後合格すれば確実に生活が変わるというような明確な指標も無いのが芸術の世界である。

絵やイラストで食べていくというのも、成人向けの物や同人物を描いたりソシャゲのキャラクターを描いて買い叩かれれば食っていく事はできなくはない。

ただそれは創作で生きていくのとは違うよなぁとも感じる。

ただ単に絵で食べていくことが目的ならば、普通にもっとまともな資格試験でも目指したほうがマシだろう。絵を描くいて食べていくこと自体が目的なわけでもない。

 

結局好きなものを描いて過ごすというのは単なる趣味と割り切る方が良いのかもしれない。

例えばプロのスポーツ選手になれたかった人が、週末仲間と草野球やフットサルをするようなものだ。

それらはお金にはならないし誰も見ていないし、夢が叶うわけではないが、やっている本人たちは楽しい。

壮大な夢は一旦棚上げにして、とりあえず趣味として続けると言うのが現実的な落としどころなのだろう。

 

その人は恐らく本当に好きだから描いているのだろう、本来創作というのはそうであるべきだ。

完全オリジナル物であっても、少なからず見ている人はいるし徐々にコメントしてくれる人は毎回丁寧に対応していれば増えてくる。

とにかく好きで、まめに続けることが苦にはならないタイプの人は絵を描き続けられる。

 

画壇からは評価されずに絵も売れない、それどころか画材すらろくに買えないのに描き続けたかつての巨匠に比べればまだペンタブで描くデジタル絵は恵まれているだろう。

絵の才能は何かと言ったら本当に好きで描き続けることそのものにある。

普通の仕事をして時間の合間に練習をして、週末の草野球やフットサルをするぐらいの生き方を創作にも当てはめるべきなのかもしれない。

 

ただその生き方に虚しさを感じるというのが今回のテーマだ。

結局絵も才能の世界で、いくらでも上手い人は星の数ほどいる。

数年続けてもさっきのような、自分より閲覧数が少ないが、コメントやイラストの交流だけはなんとか盛り上がっているという状況にしかなれない。

ピクシブに投稿する前や学生の頃は華やかな未来を思い描いていたし、自分はもっと評価されると思っていた、しかし現実はそうならなかったし、その間社会人になる努力をしていなかったので戻るような場所も無い。

そんな惨めな現実を抱えている人向けにこのテーマを話しているとも言える。

今更創作活動を再開してもどうせ大したことにはならないことはもう分かり切っているし、そんなことをしている余裕ももうない。

かといって現実に振り切って、普通の生き方を志すのもつまらない。

どっちつかずの中途半端な生き方になって今更やり直す気力も沸かないよなぁ、というような宙ぶらりんのような状態だ。

 

更にここに悩みを付け加えるならば、自分の活動しているジャンル自体がもう時代遅れのものになっている場合、更に将来性は無い。

かと言って流行のジャンルで描きたい物も無く、そもそも今の時代、漫画村とユーチューバーが全てになって来ているとも言える。

この時代の逆風の逆らい、個人創作を貧困の中で続けていく事自体にもう何の意味があるのかなぁと考えると虚しくなる。

終わるべくして終わるジャンルというか、もうすでにいろんな人が廃業しているのだろう。

プロの漫画家すら廃業を迫られる時代に、将来が明るくなっていくと言う兆しを見つけることは難しい。

 

何度も例に挙げることになるがが、そのオリジナル作品の人も増えたのは表面上のいつ崩れても分からない人間関係だけでしかないのが現実だ。多分この人はあと3年続けても自分の作品が完成するだけで対して閲覧数は変わっていないだろうし、創作だけで食べれるようにはなっていないだろう。

 

そもそもピクシブ自体もうこれから年々利用者は減っていくのではないか、結局ピクシブもYoutubeと漫画村とソシャゲに負ける運命にある。

発展は無限ではなく有限であり、ある程度限度があるという現実を悟った今、果たして何を希望にすればいいのか。

現実を知らず希望に満ちていた学生の頃ぐらいしか創作には没頭できないし、幸せな時代は一瞬なのだろう。

本気で勉強すれば東大に入れるのではないかと思い偏差値が上がりやすい勉強し始めの頃は幸せだが、徐々に現実に気付くようになる。

 

しかし唯一心の拠り所があるとするならば、スポーツの世界とは違い絵の世界は戻ろうと思えばいつでも戻れるというところにある。

スポーツのように肉体的な限界があるわけでもなく、ゲームのようにサービスが終了すれば競技ができないというわけでもない。

時代の流れはあるかもしれないが落ち着いたときにまた始めること自体はできる。

一見停滞と思えるような時期も、実はそれが後に創作に反映される重要な期間だったと言える時が来るかもしれない。

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