負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

結局ゲームって暇人が強くなるだけだよな

昨今のコンシューマーゲーム離れが進んで、逆にソシャゲが人気になっているのかということを考えたときに行き着くのは「現代人は忙しい」という結論だ。

 

携帯ゲーム機は例外として本格的なゲーミングPCや据え置き機が必要なゲームは家でしかできない上に、プレーの上達に膨大な時間が必要になる。

そりゃ今の時代に誰もコンシューマーゲームをしなくなり、スマホを持ち歩けばどこでもできる上に課金すればある程度強くなれるソシャゲのほうが流行るのも納得するわという話だ。

 

自分はどちらかというとコンシューマーゲームでプレーを磨く事に拘ることが多く、いわゆる対人ゲームの4分類における鳥タイプである。欧米では日本のソーシャルゲーム型の「Pay to win」というのは嫌われる傾向にあり、つい最近もガチャ仕様の課金が炎上したという騒動がある。

 

逆に日本ではHKT48というアイドルグループの指原莉乃が「中学生メンバーがコツコツ積み重ねたデータを一瞬で追い抜くのが好き」と課金の力を見せつけている。その指原のトーク自体は面白いので別に批判しようとも思わないし、課金すれば勝てるようになるゲームというのは現代日本人に向いているのも事実だ。

 

社会人になれば忙しくなるのは当然であり、使うことができるお金は増える代わりに使える時間は減ってしまう。これはソシャゲや課金型ゲームの利点としてよく言われることであり、時間がないがお金はある社会人にとってむしろ課金式はありがたいという意見は数多く存在する。

 

ゲームプレイヤー

結局のところゲームというのはゲームという何の役にも立たない単なる娯楽をひたすら練習できる暇人が強くなる世界であり、「金で勝っている」の対極として「時間で勝っている」という状態になっている。

 

課金で強くなった人に対して「おまえらは金の力で勝っているだけ」と批判すれば、逆に「おまえらだって練習時間で勝ってるだけだろ、こっちは暇人じゃないんだ」と反撃されるだろう。

どちらも確かに一理あるし、それぞれが自分が持っている物を駆使して勝利を目指しているに過ぎない。

 

実際ゲームに没頭できるのはプロゲーマーや動画投稿者のようにそれを生業にできる人々、もしくはニートの中でも更に将来の心配をしなくていいニートや、長期休暇中の学生が殆どであり一般的な社会人はこの競争に加わることができない。

サービス残業という先進国とは思えない慣習が改善されずに放置されている国なのでなおさら今の日本人には時間が無い。

バカンスという習慣も無ければ自分の仕事を早く終わらせれば帰れるという文化も無い、日本人にとって最大の悩みはむしろお金ではなく「時間」だ。

 

note.mu

この記事でも書いたがネットのゲーム対戦にガチ勢が増えすぎた現在、もう甘い事は言っていられない時代になっている。

暇人は全力でゲームの練習をしてくるところに、なかなか練習時間を確保できない人が参入しても単なるサンドバックにされるだけなのである。

それを「練習不足だ、勝てるようになるには練習するのが当たり前だ」というゲーマータイプの人が説教をしても彼らの心には響かないだろう。

 

実は「時間」というのは持っている人と持っていない人の差が激しい 財産の一つであり、忙しい社会人がPay to winを選ぶのは仕方ない流れなのかもしれない。

自分は前述のように練習で上手くなることを重視するタイプなのだが、それでもやはり上を目指すことの途方も無さを実感することはある。それこそ昔はゲームは3種類ほどしていたが、今では3つもやる余裕はないとして1つのタイトルに絞って集中している。

 

人生ゲームだけをしていればいいほど悠長な物ではないわけで、ただでさえ忙しい現代人が膨大な練習時間が必要な上に練習する場所も限られているコンシューマーゲームから去っていくのは必然だと言える。

自分は今時古いソシャゲをしないタイプの人間だが、日本人にソシャゲが向いていることも理解できる。逆に言えば暇人が一番強くなる欧米型のゲームというのは最も日本人のライフスタイルに向いていないとも言えるだろう。

ゲームを文化と相対的にとらえて考察することをゲーム文化論とでもいうのであれば、ゲームというのはその国の文化に自然と適応していく物なのだと説明することができるもしれない。