負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

悲報:俺氏、この夏の思い出が一切ない

今年の夏って本当に何もなくないか?という漠然とした意識が自分にはある。

とにかく薄っぺらい夏であり、"忌まわしい夏"もいざ終わっていくと思うと少し寂しい部分はあるが同時に空虚な感覚は否めない。

 

自分の今年の夏を端的に言い表すならばエアコンのついてない部屋で暑さや貧困に文句を言いながら、だらだらと社会批判を繰り返していただけの夏だった。

24時間テレビも気づけば終わっており、夏特有のイベントにはもちろん恵まれず、今年は地元の夏祭りにすら参加しなかった。

彼女と海に行くと言う事も無ければ、家族で山に行くとというわけでもない。ただ寂しく独りで安酒を飲んで凄していただけの惨めな夏でしかなかった。

 

去年はまだ充実していないなりに何らかの思い出はあった。

まだ外に出る機会は多く、人と話す機会もあった。地元の夏祭りで氷が入った焼酎を飲みまくり、ポケモンGOブームに便乗し田舎でさえポケモントレーナーに多く出くわした。

ちょうど地元の田舎にリターンしてきた1年目だという事もあり様々な激動があり、新しい生活に適応しようと奮闘してた時期でもある。

 

更に去年の夏はリオデジャネイロ五輪というビッグイベントがあり、日本選手団が歴史上最多のメダルを獲得するなど世間的にも大きく盛り上がった。

安室奈美恵の「Hero」を聞くと去年の夏が非常に懐かしくなり情緒を感じる。

また不謹慎だがやまゆり園の問題もあり、オリエンタルラジオが24時間テレビでパーフェクトヒューマンをやるという皮肉めいた話題もあり光と闇の両面について様々なことを考えさせられた夏だった。

 

サッカーファンとしては自分と同世代のリオ世代が出場しており、結果的には藤春のオウンゴールで敗戦することになるのだがそうめんを食べながらその試合を見ていたことも今思えば懐かしい。

サッカーの話で言えばおそらく来年2018年はロシアワールドカップがあり盛り上がる可能性を秘めている。ちょうど夏季五輪とW杯の中間の年だったため大きなスポーツイベントがなかったという事も何か味気ない印象を感じさせる。

 

しかし実は今年の夏、珍しく野球に興味がない自分がなんと甲子園に盛り上がっていた時期でもある。

この夏自分は10日程夏の暑い中で外仕事をすることになり、現場でラジオとして甲子園の実況が流れる音声を聞いていた。

自分は生粋の懐古マニアであり、既に数日前のことを懐かしみ始めている。仕事がキツいなかで聞こえてきた甲子園やローカルラジオも、リオ五輪のようにもしかしたら来年あたりには思い出話になっているかもしれない。

唯一今年の夏の思い出があるとするならば外仕事をしながら地元のラジオを聞き甲子園を応援していたことだろうか。

日本の野球の前時代的な文化を批判しておきながら、なんだかんだで甲子園の地元高校だけは気になり去年はオリンピックのマイナースポーツにも"感動"していた自分を見るとなんだかんだで日本人だと思わずにはいられない。

エアコンが無い夏も極寒の冬になると意外と懐かしくなり、実はこういった季節感を感じることはその時は辛くとも後から懐かしい情景として感じられるようになる。

 

もし心残りがあるとするならば地元の夏祭りに参加できなかったことだろうか。

ちょうど仕事期間中だったため参加する体力も無く部屋の中から花火を見ているしかなかった。しかも途中からその花火にすら興味が無くなり、終戦後も戦闘が続いた樺太戦について考証したNHKのドキュメント番組を見ており外のムードとは対照的な陰惨な夏を過ごしていた。

 

スポーツイベントに熱狂するわけでもなく、リア充イベントに参加するわけでもなく陰惨な太平洋戦争末期に思いを馳せながら悲しい夏を過ごしたのがこの夏だ。

更にネットを見る機会もそれほどなく、去年のように世間の盛り上がりにも特に関心が無かったため何が起きていたのかもよくわからない。自分が見ていたのは古本屋で買った小説か、サッカー関連のニュースに限定されていた。

海外サッカーがちょうど休止期間中だが実はサッカーニュースや移籍話には盛り上がっていた自分がいる。

もし来年の夏、今を懐かしむことがあるとすれば仕事をしたこと、暑い部屋の中で社会を批判していたこと、陰惨な戦争番組を見ていたこと、そして小説を読んだりサッカーの移籍話に一人盛り上がっていたことだろうか。

 

そしてその来年の夏といえばもちろん自分の中では最大のイベントがある。

ロシアで開催される2018年FIFAワールドカップだ。

世間的には完全に盛り上がりが空気で、日本代表もあまり期待できない状態にあるが個人的には非常に楽しみにしている。まずロシアという国が好きなことに加えて、密かに現ハリルホジッチ体制の日本代表にも期待している部分がある。

2014年のザッケローニ体制があまりにも酷い末路に集結してしまったため、今回は逆に何かサプライズがあるのではないかと期待している。

 

本当はロシアに現地観戦しに行こうと考えていたのだが人生計画に歯車が生じ始めてこういった底辺人生に落ちぶれることになってしまった。

更に言えば今のロシアは少し危険なためむしろ現地に行く必要はないかもしれない。

 

いずれにせよあと1年頑張って来年の夏は思う存分ワールドカップを楽しめるように準備をしたいと現状では考えている。出来ればスポーツバーのようなところでお酒でも飲みながら観戦するか、せめて自宅観戦であっても何か美味しい物を食べながら毎試合楽しめるようには生活レベルを高めておきたい。全国のスポーツバーを回りながらワールドカップ観戦をしているというのは一つの理想的な未来でもある。

このブログともう一つのブログのほうも含めて、毎試合詳細な分析を含んだマッチレポートを書いてみても面白いかもしれない。

 

少しサッカーの話に飛躍しすぎてしまったが、自分も含めて今年の夏何も思い出がなかったという人は今度こそ「来年の夏」に向けて勝負の1年を頑張ってみるのも良いかもしれない。

本田圭佑が「ワールドカップは1年前が全て」と言っていたが、日本代表当落線上にある選手が覚悟を決めた1年を送るように、この夏の終わりから自分も覚悟を決めて頑張っていきたい。

来年の夏自分がどう変化しているか、1年前のこの夏をどう感じるか、惨めだった夏の終わりから這い上がっていく1年にしたい。