負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

アル中にとって1日お酒を飲まないって奇跡に近いよな

なんと珍しいことに今日は一切お酒を飲んでおらず、昨日からも含めれば実質24時間以上飲んでいないことになる。これはまさに奇跡で、本当に久しぶりに飲まない日を迎えることができた。

アル中にとってこれは偉業である。

1日断酒できたことに喜びを感じずにはいられない。

自分は酒を飲んで寝ることが当たり前の習慣になっており、酷い日は朝から飲む。毎日最悪な気分で目が覚め、飲みすぎた次の日は酔いが冷めるまではとにかく地獄だ。そして酔いが冷めたときは「やっと飲めるようになった」とまた呑み始める。

 

久しぶりに1日も飲まずに終えてよかったことはとにかく気分が悪くならずに済んでいることである。飲むと止まらなくなり必ず頭が痛くなるまで飲むのが自分であり、必ず飲みすぎなければよかったと思うほど飲む。しかし今は非常にさわやかな気分であり、あの辛さから解放されたクリーンな状態だと思えば今の状態も悪くない。

 

まずお酒を飲もうとするとき人間はこう考える。

「飲めば今より楽しくなるだろう」という心理が働くのだ。つまり今と飲んだ後の楽しい状況を比較し後者を選ぶから飲むのである。

しかし実は比較しなければならないのは酔いが冷めた後の「まだ酒が足りない」という不満足感や、飲みすぎた後の虚しい感情や気分の悪い感情なのである。

今と飲んだ後の気分の悪い状況、どちらがマシかといえば前者だ。

 

不摂生な人間はとにかく目の前の快楽を重視し今この状況を楽しくするためにすぐ飲む。実際自分も毎日のように「なんかシャキッっとせえへん、せやエネルギーチャージとして飲も!」とすぐに酒に頼っていた。

人生が上手くいっていない人間はとにかく日常が楽しくなく気分が落ち込んでいるため、すぐその気分を変えるために酒を飲もうとして結局飲みすぎて後悔する。

結局は最悪な気分になるとわかっておきながら、てっとり早く目の前数時間楽しくなるためだけにすべてを費やしてしまうのである。まるでお酒を飲めば自分が変わり元気になれると錯覚してアルコールに手を出す。

しかし結末はいつも決まって最悪の終わり方である。飲みすぎて徐々に頭が痛くなるフェーズに入り、それを先延ばしにするためまた呑んで少しの時間楽しみを得る。頭が痛い中まずい安物のウイスキーを好きでもないのに我慢して飲む。

 

そしてそうやって積み重なったアルコールは体にとって大きな負担となり、分解されるまで地獄のような時間が続く。

上手く寝ることができた日は良いがなかなか寝られなかったり、翌日にまで二日酔いとして残るケースは最悪だ。

こんな馬鹿なことを特別お酒に頼らなければやっていられない日でもやっていたのだから自分は愚か者である。

本当はこんな行いは辞めたほうがよく、これをきっかけにもう金輪際お酒を断った方が実際は良いのだろう。そのほうが人生の新しい楽しみや目的も見つかるし健康にも財布にも優しい。

 

しかしどうせ自分はまた呑んでしまうだろう。

さっきも「この時間まで飲んでいなかったのだから今飲んだら最高に美味しいだろうな」と思っていたし、もともと今夜も飲んで過ごすつもりだった。今も飲みたいと思いながら書いており、そう簡単にはこの中毒から抜け出せないだろう。実際に断酒記録を作ろうとも思っておらず、今日飲まなかったのだから明日は良い酒が飲めるとさえ思って楽しみにしている。

これがアル中の精神構造である。

飲む、酔う、楽しむ、ダウンする、回復する、最初に戻る、このループが生活のリズムであり、荒んだ生活をしている。上手くいかな人生の中でささやかな楽しみ、手っ取り早い快楽を見つけそこに溺れる。そして人生は一向に上昇していかない。何かの努力でさえ酒がなければやれない。たとえば勉強などもお酒を片手にしなければまず始めようというやる気さえわからない。何をやるにしても酒がなければ始められなくなってしまっているのだ。

そしていわばお酒によって精神的にドーピングして続く時間は本当に短い物なのだ。総合的なエネルギーを上昇させるわけではなく、総合的なエネルギーを一瞬に凝縮して開放するだけなのがお酒に過ぎない。こんなものは飲んでも実際の所効率が悪いのである。

 

この生活を改善するために自分にはいくつかのアイデアがある。

1つ目のアイデアはまず絶対に酒を飲まない日を決めるということ。その代りその日には何か美味しい物を食べる。

2つ目のアイデアはお酒以外の飲み物で代替できるものを探すこと。たとえばエナジードリンク系は良いかもしれないし、飲み物でなくても何かスナック菓子でも良いかもしれない。

3つ目のアイデアは1日飲んだら次の日は飲まないということ。その代り飲める日はいつもよりよいお酒を飲むという事。体を休める事にもなるし、お酒を飲むありがたみも味わえる。1日飲まない代わりに、次の日は2倍いいお酒を飲めばいいと決める。

安酒を毎日飲むのと2日1回良いお酒を飲むのとでは値段は同じだ。質を極めたほうがいろんな面で良いのではないか。

4つ目はお酒以外の楽しみを見つけ、お酒に頼らずにも楽しめるメンタルづくりをするという事。たとえば感情を発散するためにゲームを大げさなリアクションなどで楽しむ習慣も面白いかもしれない。実際何か気分が入りきらない時にゲームをすると自分の中のメンタル面が整うことがある。

 

いずれにせよ無理してまずい酒をアルコールを満たすためだけに飲んで、わざわざ気分が悪くなっているのだから非常に馬鹿げた生活である。お酒を飲むにしても毎日飲まない習慣作りや、お酒以外の楽しみを見つけることを今のうちに真剣に考えていかなければならないだろう。

そして一つ言えることは今日はいつもより充実した気分で終えられるという事である。

まず飲まなかった自分をほめてあげたい。こんなに達成感がある日は久しぶりである。

そして今日は自分の稼働時間がとても長かったからいろんなことをすることができた。気分が悪くなりダウンしている無駄な時間がない。大きな盛り上がりもないが省エネ的に長時間活動できたため効率の面ではよかった。やはり一瞬にエネルギーを持ってくることには限界があるのである。

 

そして何より今気分が悪くないという事である

アルコールが入って楽しいときに比べると盛り上がりは少ないが、別の言い方をすればアルコールがアセトアルデヒドに変わって気分が悪くなっているときよりは今は楽しい。

酒を飲まない1日がこんな良い日だとは知らなかった。物足りない部分もあるが、なぜだかいつもより良い1日だったように思える。

おそらく明日は飲むだろうが、定期的に飲まない日は作っていきたいと思う。いきなり断酒に取り掛かることは難しいが減酒からはスタートできるのである。完全に断酒しようとは思わないが少しずつ減らし本当に飲みたい日にだけ飲むような生活に戻していきたい、それが今の自分の目標である。