負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

なぜ日本人は海外移住を金持ちのやることだと考えるのか

昔からどの時代も外国や別の地に行くというのは「裕福になるため」に自国を抜け出すという側面が強かった。現代でも世界の移民を見ればわかるように、実際の所海外に行く理由の大多数はよりよい生活を求めるための「自国脱出」のようなものなのである。

 

しかし日本人にとって海外とは「優雅で豪華な旅行先」であったり、安い物価の国に行って豪遊するための場所であったり、リタイア後の余暇を過ごす場所というメージが強い。また海外留学というのも一部の金持ち家庭のエリート教育の一環であったり、海外の学校に通うというのも大企業の社員が海外に転勤してそこで現地の学校に子供を通わせる「エレガントな帰国子女」というイメージが強い。

とにかくいずれの例にしてもある程度お金持ちが余興でやる物であって、現実的な生活手段として海外移住を選ぶケースは少ない。

日本で幸せになれないから海外に幸せを求めに行ったというケースは多くなく、基本的に日本人は日本で頑張ることが最適解だと思っている節がある。

 

しかし現実的に日本で頑張ればそれなりのものが選べてそれなりに幸せになれるかと言えばそうではない。もはやクレヨンしんちゃんの野原家ですら今の状況では上流階級と言われる程日本は貧しくなっており、持つ者と持たざる者の格差は拡大している。

もう日本もかつてほど「日本はある程度裕福な国」という幻想は持てない状況になっており、現実的に海外移住は人生の一つの選択肢に入るようになってきている。

 

貧しい国の人々が夢を追いかけて先進国に旅立ったり、何も持たない状況で海外に人生を変えようと移民したりするように、もっと日本人も海外に対して積極的にならなければならない時代にきたのではないか。もう今の時代「脱日本」を真剣に考えなければならない程日本は困窮しており、日本に一生い続けても幸せになれる確率はかつてほど高くはないだろう。

 

日本が世界トップクラスだったのは過去の話、一人あたりの給与水準などでも貧しい国になっている。その上年功序列の社会であり、既得権益層があらゆるものを支配している。年金という欠陥制度が廃止されず若者に不利な制度ばかり作られている現実を見ればこの国がもう素晴らしい国とは言えなくなっていることが明らかだと気付くだろう。

 

「なんだかんだで日本は良い国」「海外はそこまで良くない」という幻想にも似たものが、未だに日本人を日本に縛り付けているのではないか、自分にはそう見える。もちろん今の日本で幸せな人は日本にいたほうがいいだろう。問題なのは日本で負け組側にいる人間が海外に移住することを全く考えもせず、日本はそれでも世界で恵まれてると言い聞かせながら日々の惨めな生活を続けているという事にある。

まるでブラック企業に勤めている社員が「なんだかんだせ正社員はマシ、転職してもいい仕事は見つからない」と自分を言い聞かせてその会社を辞めないのと同じである。ブラック企業をやめないのと同じように「ブラック国家」にしがみつき、「なんだかんだで正社員は恵まれてる」と言い聞かせるように「なんだかんだで日本は良い国」と言い聞かせているし、言い聞かせられている。日本人は徹底して奴隷根性に染まっている。

ブラック企業に勤めている人ほど自分の立場を正当化し、仕事を神格化している姿は使役している支配者からすれば都合のいい存在だろう。

「なんだかんだで日本は良い国」と擁護する人々は、海外に行くことが面倒だと考えていたり恐れていたりする人々だ。

 

もう日本が絶対的に裕福だった時代は終わり、日本より雇用条件や給与水準が優れた国はいくらでもある時代になった。日本の古い労働文化やブラックな労働環境、雇用条件に固執するよりも人生を変えるために真剣に海外移住について考える必要がある時代だが訪れ始めている。

もう海外はお金持ちの旅行先やリタイア先ではない。

現実的に働きに出る場所になり始めているのだ。

一度海外移住について考えてみるだけでも人生の視野は広がる、自分はそのように思う。それでも日本が良いと判断するならば日本を選ぶべきだが、海外について考えもせず無自覚に一生日本で過ごすことを選んでしまう事は可能性を排除することになるだろう。

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