負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

スペイン人がスポーツや芸術に対する情熱を真面目に使ったらどうなるのか?

スペイン人とは基本的にあまり努力をしたがらない人々であり、いわゆるラテン気質な人たちである。

情熱の国スペインといわれるように、楽しい事や盛り上がることへの熱意は素晴らしい物がありスポーツ大国、芸術大国である。料理も建築も素晴らしく美しい文化やかっこいい文化は非常に多い。

自分自身そのスペインに惹かれており憧れの国でもある。

 

例えばスポーツでいえばスペインは球技大国でありサッカー、バスケットボール、テニスなどは世界的な強豪国である。とくにサッカーに対する情熱はすさまじく1年間のテレビ番組の視聴率ランキングではトップ10すべてがサッカーの試合だったというのだからその人気は本物である。

スペインにおいてサッカーはもはや宗教であり、生活の一部でもある。サッカーを中心に生活が動いているのがスペインだ。

リーガ・エスパニョーラの強豪チームはUEFAチャンピオンズリーグを立て続けに制覇しており、数年前まではスペイン代表も非常に強かったし現在もスペイン人選手が世界各国で活躍している。

テニスも強くラファエル・ナダルはテニス史上最高の天才の1人であり、バスケットボールも世界ランキング2位の実力を持つ。

 

芸術に関しても偉大な国でありサルバドール・ダリパブロ・ピカソは芸術史を語る上で欠かすことのできない存在だ。

また建築においても巨匠ガウディを生み出しており、サグラダ・ファミリアグエル公園などは世界的な観光名所となっている。

料理もシーフード料理が多く海産物が好きな日本人にとって口に合う物が多くワインも素晴らしい。スペイン語という言語も非常にかっこよく自分自身も今勉強している言語である。食、芸術、スポーツ、言語、そして人々、そのすべてに魅力があるのが情熱の国スペインだ。

 

しかし唯一の弱点があるとするならば経済だろう。

今スペインの若者は半数が失業状態にあるとされ、PIGSの一員として欧州経済においていわば落ちこぼれのような状態にある。他の分野での高い才能がありながら先進国になれない、むしろそれどころか欧州の落ちこぼれにすらなっている。

 

なぜこうなっているかと言えばやはり彼らが努力をあまり好まない楽天的な人々だからだろう。ラテンの人々はあまり長期的なプランで努力をし続けることが得意ではなく、楽しいことを毎日楽しみたいという考え方を持っている。

高田純次の名言に「明日の1万円より今日の1000円」という言葉があるが、まさにそういう高田純次気質の人が大勢いるのがスペインである。

外国人が出るテレビ番組を見たときにスペイン人のゲストが「スペイン人は努力とかあまり好きじゃない、頑張ることが好きじゃない」と語っていたのだがそれがラテンの文化なのである。シエスタで昼寝をして美味しい物を食べてそこまで頑張らなくて、経済が落ちぶれてもサッカー楽しいと毎週熱狂して過ごしている。

 

そんな生活はもしかしたら頑張りすぎてしまう日本人にとって参考になるかもしれない。自分はそういったスペインの文化が好きで、「努力教」が支配して「仕事」が神格化されている日本の文化よりも魅力的に映る。

経済で言えばもちろん日本の方が圧倒的に優れているのだが、人間の幸せとは経済だけではないしスペイン人のほうが人生を楽しんでいるように見える。

日本が悪いというよりももう少し肩の力を抜いて、頑張り過ぎないことを覚えてもいいんじゃないかなとも思う。頑張らなくてもいいし今日が楽しければそれでいい、そんな楽天的な生き方があっても良い。

 

ただ仮にスペイン人がその楽しい事への情熱を経済や軍事などに投入して、もう少し真面目に頑張り続けたら一気に経済が回復してかなりすごい国になりそうだなと感じることもある。

実際無敵艦隊の時代や、ラテンアメリカに進出した時代があり世界最強の国だった時期がある。それゆえに今もスペイン語が通じる地域は多く、スペイン語圏を形成している。

世界の海を支配し太陽の沈まない国と言われたスペイン、そして今も芸術やスポーツでは世界屈指の彼らが努力や情熱の方向を変えたらどのような国になるのかというのは気になる部分だ。

努力をしないだけで才能は間違いなくあるのがスペイン人であり、本気を出せばヨーロッパの覇権国家にすらなれるのではないか。

 

実際スペインのサッカーを見ていても彼らは本当に技術力や想像力があり、好きなことに対しては凄く実力を発揮する。長期的な計画に関してもスペインサッカーの育成組織は素晴らしい。仮に彼らがそういった能力を発揮できる分野を国際競争力の基礎になる部分でも見つけることができたらスペインは復権するかもしれない。

楽しみを極めることが評価される時代が来ればスペインは躍進するだろう。

21世紀は好きなことで勝負する時代でもある。

もしかしたら21世紀はスペイン復活の世紀になるかもしれない。

芸術、スポーツ、そういった楽しいことが世の中を動かす時代がやってくればきっと彼らは世界を面白くしてくれるだろう。 

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