負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

外国語の勉強は徹底してネイティブの発音を聞かなければならない

日本の英語教育や外国語教育で最も足りていないのがネイティブの発音を聞くことなのではないだろうか。ネイティブの発音を知らないのにいきなり教科書で文字から入るのが日本式の学習方法である。

明治維新の時に外国語文献の翻訳を徹底して行って西洋文明を取り入れてきた過去があり読解に重きを置いているのが日本の英語教育だ。

 

しかし自分たち日本人が日本語を習得したときにいきなりひらがなを覚えて文法を覚えただろうか。子供の時の言語の習得と、学生になってからの言語の習得は順序がなぜか違っていて子供の時は「発音→文字」の順序で習得し、学生になってからは「文字→発音」の順で勉強していく。

まさにこれが根本的な間違いであり、日本人が外国語の習得ができない最大の原因である。

 

日本語が話せてスラングまで覚えたりタメ語や方言の発音までマスターしている外国人には、本になると途端に読めなくなるというパターンが多い。

逆に日本人は海外文献の難しい論文まで読めるのに、簡単な会話もできなかったり発音がほとんどマスターできていなかったりすることが多い。

 

言語というのは文字だけの世界ではないし、そもそも言語自体文字より先に発音から発生している。母国語も発音から習得して、そもそも言語自体が発音から発生している。

それにもかかわらず学習になるとなぜか文字や文章の世界から入っていく。

自分はこれが全ての間違いの原因になっているのではないかとみていて、今スペイン語の習得においても徹底的にネイティブの発音を聞いて耳で覚える勉強法を行っている。

そして日本語がペラペラの外国人動画投稿者などもたいていそのパターンで習得したと語っていている。とにかく聞いて覚える、感覚で慣れるということが有効だと言われている。

 

またネイティブの発音から覚えるパターンは実は効率がいい。

外国語の単語をスペルや日本語の意味から暗記しても、その後綺麗に発音を覚えられるかと言えばそうではなく、文章や発音記号だけで勉強しているため発音が覚えられなかったりする。

逆に発音でなんとなく覚えてる言葉は実際のスペルを見たときに「この単語聞いたことがある」とすぐに想像がつく。ネイティブの発音を聞きまくった経験というのは必ず後で単語を覚えることに役に立つ。

全ての意味を最初から理解しなくても徹底的にネイティブの発音を聞くことが大事で、逆にスペルや日本語での厳密な意味を丁寧に一つずつ暗記していく方法は途方もなく効率が悪いし正しい発音も身につかなく典型的な読解専門の勉強方法になってしまう。

知識はあるが言葉としてはつかえない、実際日本人の外国語学習者でもそういう人は多い。

 

日本人の外国語勉強は目指す物がそもそも違っていて本気でその言葉をネイティブ並に自然に話すことは最初から無理だとあきらめている人が多いし、その領域を目指してもいない。

そんなものはその国で生まれた人や、帰国子女じゃなければ無理だという諦めにも似た感情が最初から存在する。

その結果どうしても正しい文法で作文したり、丁寧に読解することが優先されてしまいテキストテスト主体の検定で高得点を取ることが目的になってしまっている。

外国人と話すことや外国で生活するということが日本ではリアルな物ではないし、目指す必要もないというのが実態である。

検定の結果=外国語の実力という先入観があるし、外国語が話せることを重要視していない文化的な背景がある。TOEICや英検を神格化しすぎているのが日本人であり外国語を話すことよりも論文や書籍の翻訳家になるような勉強をしているパターンが多い。

 

それゆえにリスニングやスピーキングがそれほど重要視されずどうしても文章の世界が重視されている実態がある。

そのリスニングも綺麗な発音で台本に書かれたことを教材向けに録音している者が多く、ネイティブがリアルな会話で使っているあまり上手くない発音や砕けた喋り方にはかなり弱い人が多い。

自分が英語を勉強していた時期はこの弱点を克服するために海外の有名人のインタビューなどを聞くことが多かった。リスニング教材はもちろん実用的ではなく、スピードラーニングのようなものもあまり実戦的とは言えない。

映画も洋楽も結局は俳優や歌手が綺麗に発音していることが多いし、台本や作詞が整えられている。

それよりは英語圏のネイティブの有名人が台本無しで話しているインタビューやラジオなどを良く聞いていた。たとえば典型的なイギリスの労働者階級訛りの英語などは良く聞いていて歌手のノエル・ギャラガーのお世辞にもきれいとは言えない英語を聞いたり、ベッカムやジェラードのような労働者階級出身のサッカー選手のインタビューなども良く聞いていた。これらの発音はとにかく早く、そして整えられたクイーンズイングリッシュの発音ではない。

 

日本語の学習で言えばNHKアナウンサーの綺麗な丁度良いスピードの発音ばかり聞いていても勉強にならず、本当にリアルな日本語を学びたければバラエティ番組や芸能人のくだけたラジオなどを聞いたほうが役に立つことと似ている。

綺麗に教材として録音されたリスニング教材も、実際はそこまで丁寧な完璧な言い方はしないしそもそもそんな会話しないという物が多い。

それよりはリアルなネイティブの会話を聞いてそこから直接学ぶ方が結局は習得できるし、ネイティブの会話にはすべてが詰まっている。

母国語もネイティブから聞いて覚えたのように、外国語もネイティブから聞いて覚えることが大事である。実際外国語が話せる人は海外での生活経験があったり、外国人の友達がいることが多い。さすがにその環境を今すぐ整えることは難しいが、今はインターネットがあり動画サイトなどでいくらでもネイティブが発音している「リアルな教材」を探すことができる。

もう教材のために作られた会話や文章などから学ぶことはやめよう、それが日本人が外国語を話すための近道かもしれない。