負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

アフリカの発展でフランス語が重要になる?

近代においてフランス語は外交の公用語でもあり、現在でも国連FIFA、オリンピック委員会など世界的な組織ではフランス語が公用語として重視されている。

個人的にフランス語は好きな言語のひとつであり学ぼうとしていた時期もあったりフランス筆記体という独特な書式は魅力がある。使えたらかっこいい言語であるという漠然としたイメージもあり、聞いていて綺麗な言語ではあるだろう。

 

しかし戦後フランスが多数の植民地を独立させ、フランスの国力自体も最盛期程の規模ではなくなったことで全盛期ほどの重要性はなくなっている。

世界中にフランスが植民地を保有し外交の公用語、世界一美しい言語というブランド価値があった時代ほどの価値はなくなっている。あまりにもフランスの全盛期が凄すぎたことと、英語のプレゼンスの拡大に伴い地位を英語に奪われたという印象は否めない。

 

その一方で近年フランス語が再評価され始めてきている。

その最大の理由は21世紀のフロンティアであるアフリカの発展が本格的に始動し始めたことにある。これまでアフリカはポテンシャル自体は高く評価されてきたが長らく停滞していた時期もあった。しかし現在では中国、インドに続き地球最後の莫大な可能性が残された地域もである。

資源も豊富であり石油やレアメタル、鉱物などの埋蔵量は世界屈指だ。また世界7位の人口を抱え日本をも上回るナイジェリアに代表されるように隠れた人口大国、領土大国も存在する。もっともナイジェリア自体は公用語が英語なのだが、アフリカにはこれから人口、経済共に大きく発展する国が多く各国の投資も始まっている。

西洋の宗主国との関係性が深いため日本人が考えている以上に今欧州は欧米諸国はアフリカを重要視し、また中国もアフリカ外交に積極的に取り組んでいる。

 

またアフリカは現在教育水準、医療水準が飛躍的に高まりを見せておりブレイク前夜ともいえる状況になっている。日本人が思い描いているアフリカのイメージとは大きく異なり、いよいよアフリカも近代文明の仲間入りを果たそうとしている。

そもそもつい数十年前まで植民地が現実に存在していたのがアフリカだ。アジアに続いてようやくアフリカのターンが来たのが現代である。

そしてその段階が来たことで今アフリカ諸国で多く公用語に採用されているフランス語が言語ツールとして再評価されている。たとえばサッカーのコートジボワール代表ドログバなどはフランス語話者でありサッカーファンならドログバがフランス語を話しているシーンをみたことがあるのではないだろうか。

 

とにかく今アフリカでもっとも重要なことは教育水準が向上していること、資源と人口が豊富であること、そして世界中が投資を行っていることだ。

日本ではこの状況においてもまだアフリカについての報道が少なく、情報が10年ほど前時代的であり日本人のアフリカに関する知識も多いとは言えない。隣国の中国が積極的に資源外交を展開しアフリカとの関係を深めていることとは対極出来である。

これからフランス語について語る時はフランス本国や流麗なフランス文化だけでなくアフリカで通用するメジャーな言語としても考えなければならないし、アフリカについて語る時もフランス語やフランスのアフリカ横断政策の影響も考慮に入れる必要があるだろう。

なぜフランス語を学習するのか、その目的はフランス本国の文化に限られている者ではない。世界屈指のグローバル言語としてこの言語をどうとらえるのか、第二外国語としてフランス語を学ぶ際にはそう言ったビジョンも必要になってくるかもしれない。