負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

カイジの佐原「俺気付いちゃったんすよね、社会に入っていけないってことに」

賭博黙示録カイジの10話ぐらいで金髪の佐原というフリーターと主人公の伊藤カイジが話すシーンがある。

少しうろ覚えではあるのだが「俺気付いちゃったんすよね、このままじゃ社会に入っていけないってことに」「一発当てなきゃいつまでも社会にはいっていけない」というような趣旨のセリフを言っていて、それが今の自分に凄く響く。

貧乏底辺だとほんとただ暮らしているだけというか、先行きの見えない人生の中で何も楽しみがない。結局お金がないとこの世の中何もできない、人並みの幸せもお金があって実現できる。

 

最初その佐原は悪い奴だと思いきや、実はバイトの店長から奪い取った金で「おごりますよ」と飲みに行く気さくなキャラで後の鉄骨渡りでは共闘することになる。この貧乏な底辺の若者同士の寂れた雰囲気が自分は凄く気に入っているし、また自分の状況にも合致する。カイジの部屋で語った「今への絶望」には共感するものが多く、まさに「社会に入っていけない」の一言に尽きる。

 

またその前のセリフでも面白いシーンがある。

エスポワール号帰りのカイジはコンビニバイトで「途中、途中」と言い聞かせながらひたすら冴えないバイト生活をし続けるシーンだ。この発言も今の自分に響くしほとんど似たような事を思っていた。

「今はまだ自分のターンじゃない」

「いつかチャンスがやってくる」

「今はやることをしっかりやるだけ」

「地味な作業の積み重ねの上に花が開く」

今はまるで準備期間であり花を咲かすため成長の時、今は自分が主人公の時間帯ではない、いつかやってくる華やかな時に至るまでの「過程」だと言い聞かせている。今の地味な生活の先には必ず華やかな生活がやってくるという根拠のない自信。

「今は途中」と言い聞かせているカイジのようにただひたすら地味でつまらない生活をしている。そしてそのような生活はなかなか訪れないどころか、いつの間にか膨大な時間が過ぎている。半ばあきらめにも似た感情が自分を支配し「これが俺の人生なのかな」とも思い始めてきている。

 

正直自分の人生設計が失敗して今の自分は全てにおいて落ちぶれている。

人生計画で言えば今頃こんなはずじゃなかった。

計画で言えば4,5年遅れている。

しかしその夢には今のところどうジャンプしても届かない現実がある。

ひょっとすると4,5年経ってもその時はやってこないかもしれない。

そして利根川のいうように「そのすべてが丸々自分の人生だったと気付くのだ」と悟る時が来る。いつか自分のターンがやってくる、そう思って先延ばしに人生プランを考えているうちに取り返しのつかない程時間が経っている。

現に自分の今の年齢は数年前の計画では物凄く充実して大成功しているつもりだったし、世間的にもこの年齢で大成功を収めている人は多い。

自分の人生の遅れを嫌でも実感するし、同級生が順調に進んでいるという話も聞く。そして年下に追い抜かれる感覚がついにやってきている。

ただひたすら取り残され、逆転する方法はなかなか見つからない。

全てをやり直して最初から始めたところで、結局誰かの後追い、最後尾をついていくしかない。

最下位になるために生まれてきたわけじゃない、いつか必ず逆転する、そう思って真面目に努力をすることがなかなかできず、数年後はもっと落ちぶれる。地獄のような人生が待っている、いやもうすでに地獄の底にいるだろう。

やることなすこと努力が失敗し、これが自分の人生なのかなと最近では受け入れ始めても来ているが、その内もはや比較することすら虚しくなり、何も考えずに生きる段階に入っていくかもしれない。

 

屍の様に生きるか、それとも華やかな生活を逆転してもぎ取るのが、それとも逆転など考えずに地道に黙々と当たり前の努力をし始めるのか、開き直って自分のペースで負け組人生を生きるのか、もはやどこに行っても今の所いばらの道しか続いていない。