負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

BTS防弾少年団のM出演取りやめについて思う事

つい先ほど今週のMステが終わったが、そこにBTSの姿は無かった。

正直まさか本当にMステ出演が取りやめになると思っていなかったし、今の時代、テレビ局といえども世論を軽視できない時代になっているのだと改めて感じた。

個人的な意見としてはBTSの出演を巡る問題に関して、この解決方法はいい意味で無難だったと思う。

テレビ朝日はフジテレビの二の舞になることを避けたかったという見方もあるし、この前例によっておそらくNHKも紅白出演は見送るだろう。

 

SNSなどを見ていると、いわゆるアーミーと呼ばれるファンの意見は二極化していて出られなかったことに対して憤りを感じている人と、冷静に仕方がないと考えている人に分かれている。

 

というよりもこの状況でMステの対応に憤っている人は少数派で、大部分のファンはBTSをMステで見たいという思いを抑えて今回の事を受け入れている印象だ。しかし前者の過激な言動が目立ってしまうので、これがK-POPファンのイメージになってしまう可能性と、他の韓流アイドルのイメージ低下にも影響を与える危惧もある。

 

この件で一番怒っているのはむしろ他の韓流アイドルを応援している人達であって、これまで先人が日本で懸命に作り上げてきた信頼を壊しかねない態度への批判が多い。

この騒動後の事務所の対応を見ても、欧米市場があるからもう日本は切り捨てても問題ないと考えているのではないかと疑われても仕方がないし、それはBTSの身勝手だと考える層も存在する。

 

韓流は一枚岩だと思われがちだが実はそうではない、それどころか韓国社会自体がまとまっていない。徴用工問題だって一部の遺族団体の身勝手によって韓国全体が偏見を持たれかねないが、日本で活躍する同胞の足を引っ張っている事など彼らには関係が無い。輸出依存の韓国にとっては、ある意味貴重な外貨を得ている功労者の邪魔をしているわけだ。

 

日本で真面目に活動している他のグループからすると、これからというタイミングでBTSと徴用工遺族は何をしてくれているんだという感覚になってもおかしくは無い。

そのバンタン自体についても、「欧米市場がある」というのは一過性の流行に過ぎず、流行が去っても根強く見捨てないでいる日本ファンを切り捨てるというのは後々響いてきそうだ。

日本ファンの何が韓流アイドルにとって重要かといえば、それは不遇の時にも見捨てずに支えるからだし、実際SNSでもこれからもバンタンを支持しますと宣言しているファンは多い。

 

しかしアメリカで売れたら日本はもういいという姿勢は、今後少しずつファン離れにつながっていくようにも思う。信頼という物は気づかないところで失われていくものだ。

実際他の韓流の男性アイドルにはいくらでも良いグループはいるわけで、必ずしもBTSでなくとも替りはいる。

もっと真面目に日本人ファンを大切にしているグループは存在しているし、SEVENTEENは日韓問題が揺れているときにソウルで日本語の曲を披露したという。ファンも平和的でBTSの過激さとは一線を画している。

また改めてジャニーズの良さも分かったというか、反日的なことが無いどころかむしろ日本の魅力を打ち出そうというコンセプトの曲や衣装もあって自分の中で再評価だ。

 

双方の歴史観が食い違っていて、それ自体は当然だとは思うのだが、中立的な立場で静かにマイペースで楽しむことの難しさを感じるのも本音だ。

自分は韓流についてはあまりそういう争いを見たくないので、なるべく無意味な論争からは距離を置いてきた。しかし時々こういったコリアリスクのような事が起こるので現実を感じてしまうこともある。

韓国人が反日になることは仕方がない部分もある、韓国の世論や教育の事もあるし歴史上の出来事もそうだ。実際自分が韓国人だったら反日になっていなかったとは言いきれない。韓国人の立場を想像すれば理解できないことは無いし、日本も嫌韓をしているのだから、韓国の反日ばかりも批判できない。どちらが先か後かという論争も不毛だ。

 

ただ皇室と原爆についてはデリケートなので、今回は触れてはいけないことに触れてしまい騒動が大きくなっている。イ・ミョンバクが皇室の問題を出したことで反発を招いた時と今回のケースは比較されている。

 

日本人の立場としては謝罪や釈明を求めたいかもしれないし、今回の件に関しては自分もBTS側に非があるように思う。

ただ韓国社会というのも複雑で、基本的に日本は謝罪が足りないと思っている世論の中で、逆に自分たちが日本に謝罪するというのは天と地が入れ替わってもあり得ない。

韓国社会において「親日派」というレッテル張りは社会からの排斥を意味する。

親日派という言葉自体が裏切り者というニュアンスに近い歴史用語として使われているので、なかなか謝罪できないのも現実だ。

国際関係で強硬路線を貫けば英雄だとされ、引いて譲れば弱腰だとされる例は古今東西ありふれている。もはや本人たちの意思を超えて世論がそれを出来なくさせる時がある。

 

この騒動はしばらくは収まりそうにないだろうし、BTSも日本以外の地域での活動にシフトしていくのではないか。ただその場合、日本に戻ってくるという選択肢は保証されていないかもしれない。

また他の韓流のアーティストはこの件で日本との関係には気を付けるようになるだろうから、これで不用意な言動はむしろ減っていくきっかけになる。

ただ問題なのは韓流というものが一括りに見られることで、それはやはり多くの韓流ファンやK-POPファンが危惧している。

特定の国の物だから全部駄目だというのは、文化の発展という面においてはマイナスだ。

 

また反日を乗り越えて日本文化を愛好している韓国人も大勢いるのも事実であり、こういうことは減っては欲しいが、日韓関係においては付き物なのかもしれない。

良い物はやはり良いという感覚も持っておきたいし、悪い部分だけを拡大してみれば何事も楽しめなくなる。

日韓関係に限らず、時としてそういう人もいる、という感覚を持って極端に振れない事が求められているように思う。