負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

北海道民の今の精神状態ヤバそうだな・・・・

しばらくネット断ちしていてテレビも見ておらず、新聞も取っていないので北海道が大震災に陥っていることを数日遅れで知った。

サッカー日本代表のチリ戦が中止になったという話を通じてようやく自分にも情報が伝わってきた。そういえば2011年の3.11の時もワールドカップ後で、ザッケローニ体制が始まっていく頃だった。

そのザックジャパンはブラジルで惨敗するのだから、震災と共に始まった森保ジャパンは早々に不吉なスタートダッシュだ。

 

それにしてもテレビとネットを断てばまるで実感が無いことを考えると、同じ日本でも情報が隔絶されていれば何も知らないのが現実なのだろうと思う。

実際、同じ地域でも県が違えば災害と言われても他人事のように思えるし、そもそもこれだけの災害大国でいちいち気にしてたらやってられない。

 

正直、今年は自然災害があまりにも連発しすぎていてもう自分自身疲れている。

連日暗いニュースばかりでさすがに嫌気がさしてくるし、最近は雨が降っているだけで気分がどんよりして嫌になる。自分も今この時間雨と曇りが交互に訪れている状態で、陰鬱な精神状態だ。

 

こんな時お酒でも飲めればよいのだが、禁酒期間に入っているのであまりテンションを上げて盛り上げるようなことも書けない。

これを異常気象だという人もいるかもしれないけれど、元々日本という国は災害大国なので昔からこういうことを繰り返してきた歴史がある。

農耕民族として天災の影響を常に不安視して生きてきた日本人は、どうしても何かを不安に感じやすい遺伝子を持っている人が多い。農耕民族と災害大国という組み合わせが日本人の性質を作り上げてきたのだろうし、特に3.11の東日本大震災で戦後日本の裕福な時代が終わりを告げた。

 

あきらかに東日本大震災以降、この国の雰囲気は陰鬱な方向に変わってしまったし日本人は現実を悟ってしまった。盛り上がるとすれば何かをバッシングしている時だけで、ポジティブな話題が無い。テレビをつければ連日ネガティブな報道ばかり、ネットも何かを叩くツールとしてばかり使われている。

何かに反対して叩いている時の一体感が日本人の言う「絆」なのだろうし、集団で何かを叩いている時の昂揚感以外に楽しみも無いのが現実だ。

 

自分は最近、北海道についてのエッセイ集を読んだことがあり北海道への関心が高まっていた。

そこに書かれていたのは、北海道の夏は本当に短く、冬は陰鬱で長く嫌な物でしかないというそこで生まれ育った人にしかわからない感覚だった。

だから北海道の人に「北海道の夏は涼しいですね」というと嫌味に聞こえるらしく、短い夏が終わればすぐに迫りくる冬が不安になるようだ。

 

そのエッセイ集は30年ほど前の物なので、今とは当然気候も違うかもしれないが、それでも北海道の冬が厳しいことに変わりはない。

自分のように比較的温暖な地域で育っている人間には憧れに見える北国も、実際に住む人にすれば雪は忌まわしい物だ。

実際、田中角栄が新潟で選挙運動をしていた頃に「雪ばかり振らせるあの山をダイナマイトで破壊する」と公言したほど北国の人にとって雪との戦いは厳しい。

その新潟県民は自分の県の自虐ばかり言うらしく、更に鬱の発生率も北へ向かう程高くなるというデータがある。

 

秋になったとはいえまだ日中は夏模様の地域に住んでいる自分ですら、夏の終わりが寂しく感じるし夕方以降徐々に吹く風が秋色に変わり始めていることに気付く。

そう考えると北海道は自分が想像している以上に、夏の終わりは早いだろうし既に秋が本格的に始まっているだろう。

 

そんな時にこの度の震災だ。

ただでさえとうとう夏が終わってしまったかと感じているときに、この震災なわけで、その精神状態を察するに余りある。

実際、災害にあわれた人は過度に不謹慎ムードを作らないでほしいと聞くし、日常が暗いのでせめて明るい話題でも見たいだろう。

ただそもそも今の日本で本当に心の底から明るくなれて楽しんでいる人がどれだけいるのだろうか。災害など無くても日常は陰鬱なのだから、人の不安まで気にしている余裕などないのが現実だ。

 

こういう時はお酒でも飲めばいいのではないかと自分のような人間は考えてしまう。

酒は現実逃避の友だ。

北海道の震災の規模が分からないし、インフラがどうなっているかもわからない。同じ北海道内でも被害の度合いには差があるだろう。

道内のコンビニやスーパーからストロングゼロや氷結が一気に消えるという現象が起きているという話は伝わって来ていないけども、自分ならそういう時酒に頼ってしまうのではないかと思う。

 

ただヤケ酒に走ってしまい、次の日起きたら現実は変わっていないどころかより強く押し寄せてくる。結局お酒など脳内にある幸福物質であるセロトニンの前借りに過ぎないし、アルコールで無理やり使い切った分だけあとでツケが来る。

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北海道の人は北国には珍しく、開放的で明るいという話も前述のエッセイ集で読んだ話として覚えている。

東北に比べると北海道は様々な出自の人が集まって開拓してきた歴史があるので、ある種大陸的というかアメリカ的のような多民族的なところがあって、同じ北国でも事情が違うようだ。

偏見と言われることを承知で、同じ北国でも北海道は陽東北は陰のイメージがある。

そう考えると北海道の人はこの震災もわりと上手く乗り越えて引きずらなそうな気はするし、原発のような二次災害が起きていないことは幸いだ。

東北が今もあの震災を引きずってるのは放射能という消えない負の遺産のせいだろう。

自分はそういった震災番組に関心を持ち、原発関連のドキュメント番組などをこれまで何度も見てきただけに、その過酷な実態は多少知っているつもりではいる。

 

肉親を失っている人もいるだけに、「日本人のテンションが低くなって陰鬱な国になったのは3.11のせい」なんて不謹慎なことは言いたくないのだが、もうこれ以上災害でどんよりするムードになってほしくはないというのが本音だ。

さすがにうんざりするしこの夏だって振り返ってみれば災害の話ばかりだった気がする。

 

物は考えようで日本列島は災害大国だからこの島国は呪われているというのはネガティブな発想だ。

確かに資源も少ない上に災害大国ではあるし、それほど国土も広くは無い。

その一方で国防の面ではかなり有能で、日本海の荒波があるおかげであまり他国から攻め込まれたことが無い。じゃあ地震が無い代わりに、列強に囲まれ定期的に戦争の通り道にされてきたポーランドやベルギーのような国が羨ましいかと言われれば悩むだろう。

イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡よりはるかに日本海というのは防波堤として優秀だ。

陸は狭くても領海は広く海洋国家を目指すこともできるし、実際そうした時期もあった。太平洋へは常に開かれているしこれから海底資源が見つかればバブルだって始まるかもしれない。

 

これまで日本は攻めにくい上に、占領してもあまりメリットがないというのはある意味で平和の要因でもあったし、大陸からある程度距離を置いていられることで長らく独立を保ってきた。太平洋戦争だって本土決戦を避けられたわけで国土が本当に外敵に蹂躙されるような経験はほとんどない。

それこそ古代史にまでさかのぼれば何かまだ発見されていないこともあるかもしれないが、ほとんど他国に占領される時期というのを経験していない。

もちろん世界情勢がこれから大きく変わっていく可能性はあるが、他国の兵隊が乗り込んでくるのはそれこそ敗戦直後に進駐軍がやって来たことぐらいだ。

この度の北海道だってソ連に狙われたが終戦を早く済ませたことで無事だったし、冷戦でも自衛隊の戦車を集中的に配備して厳重に警戒していたのに結局ソ連は乗り込んでこなかった。幕末に当時の帝政ロシアから異国船がやってくることもあったが、その後明治時代に日本の一部になっていく。

 

人生の何事にも悪いところもあればいいところもあるわけで、あまり思いつめない方がよいのではないかと最近自分は開き直っている。

日本人は遺伝子の問題として過剰に不安を感じやすいし、自然災害に怯えてきた農耕民族としての生い立ちも関係している。

ただその分、国防には向いている場所にあるわけで災害は多いけど戦争は少ないと考えればプラスマイナスゼロどころかプラスの方が大きい。

また中国大陸から離れていることで微細粉塵はかなり軽減されている。韓国など連日、微細粉塵の話ばかりで綺麗な青空も中々見れないようだ。

もう自然災害に関してはどうせ定期的にやって来るのだから、あまりそのたびにネガティブになり過ぎず、時々やって来るものとしていなすように付き合う以外にないだろう。