結局アニメは放送中しか盛り上がらないのが弱点
アニメ最大の弱点に気付いてしまった、それは放送中止か盛り上がらないという致命的な構造だ。
特に昨今大量生産されている1クール型のアニメはその12話の間しか盛り上がらず、放送が終わればブームは下火になり、そこに群がっていたオタク達は冷淡に去っていく。
この冷たさや後の祭り感が自分は虚しくなったからもしかしたらアニメを見なくなったのかもしれない。
最近アニメで流行った作品といえば『ゆるキャン』の名前を良く見かけたが、それですら最近徐々に下火になりつつある。
あの作品は冬の寒い時に、暖かそうなキャンプを見るから楽しかったわけで放送が終了し季節が変われば、そういうムードでもなくなっていく現実がある。
お祭りが終わればまた日常に戻っていかなければならないし、今後もうネットが一つのアニメで盛り上がるような事はもう無いだろう。
けもフレですごーい!と言っている人なんてもうどこにもいない。
所詮一瞬のブームに群がる人々など仲間であるかのように思えて、終わった後は去って行く他人でしかないのだ。
だからこそ明確な放送期間が存在せず、日々投稿が続けられるバーチャルユーチューバーは安心感があるし現代に適応したコンテンツになろうとしている。
放送期間中にしか盛り上がらないアニメの弱点を克服したのがバーチャルユーチューバーなのだと考えれば画期的だ。
またこういった男性ファン主体のアニメというのは、熱しやすく冷めやすいファンが多くなりがちで深みや濃さは無い。
逆に女性ファン主体のジャンルというのは、ずっと語り続けるようなファンが多くコミュニティがそこに存在し続けるというのが大きい。
例えばもう数年前のアニメを熱く語っている男性オタクはほとんど存在しないが、ジャニーズのようなアイドルだと古参グループにも現役で語るファンが大勢いる。
男性に比べて女性の心理が複雑なところもあるのかもしれないし、一度好きになったら女性ファンはずっと応援し続ける傾向がある。
これはアイドルに限らず声優などにも言えることで、女性声優は消耗品のように変わるが男性声優は未だにあの人がやっているのかということが多い。
昔のオタクはもっと二次元の嫁を本気で愛していたよなぁという懐古になってしまうが、今の男性オタクは非常に浅はかな気質になっているように思う。
ネットでも定型文や短文でしか語れないし、単純な事しか考えていない。
オタクはこじらせてナンボであり、面倒だからこそ良かったが今のオタクコンテンツは全てが簡単でカジュアルな物に向かいつつある。
男性であっても例えば軍事や歴史といった硬派なジャンル、アニメならガンダム、あるいは特撮に集まっているファンは重厚なファンが多い。
野球はなんJに影響されたライトファンが増えているが、逆にサッカーはコアな評論家が多く自分は気に入っている。
日常アニメやバーチャルユーチューバー、なんJというのはてっとり早く浅い人間が集まる場所のような世界になっているのかもしれない。
難しいことは避けたいというのが現代人の本音だ。
そしてやはりお祭りが終わり日常に戻っていかなければならないというのは寂しい。
それはオリンピックやワールドカップが終わる寂しさにも似ていて、アニメが最終回を迎えるというのは虚無感がある。
オンラインゲームやソーシャルゲームがサービスを終了することとも似ているだろう。
その悲しみが虚しいからこそ終わりのないコンテンツに自分は居場所を求めているのかもしれない。
例えばジャニーズは近年有名なグループが解散するという大きな出来事はあったが、基本的に解散することは稀でなんだかんだで活動は続いていく。
グループの勢いが落ちたとしても、むしろ女性ファンはそういう不遇の時にこそ燃える傾向があり、逆に盛り上がることも多い。これはブームが過ぎ去れば何事も無かったかのように去っていく男性ファンとの最大の違いだ。
ガンダムも終わるといわれながらも、根強いファンがおり議論は連日続いている。
他にロボット関連作品が作られなくなったことにより、仕方なくガンダムに移住する層も存在するため意外とこれからも息が長そうだ。
放送すれば一気に盛り上がらなくなる1クールアニメより、バーチャルユーチューバーの時代になっていくようにこれからはそのコンテンツの持続性というものが求められるのではないか。
むしろ日常がいつまで続くかわからないという不安の方が大きい時代に、しばらくは安泰であるという保障性はもはや貴重な物になっている。
現れては消えていくチェーン店より変わらない味を提供し続ける老舗が良いし、何も起こらないことがむしろ幸せな時代だ。
続いていく事はかけがえのない事なのだ。