負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

スペインの至宝イニエスタ、ワインのために中国リーグに移籍へ

中国の爆買いはサッカーの世界でも今非常に大きな話題となっており、様々な有名選手が中国スーパーリーグへと移籍している。

これまで移籍した選手を上げればキリがないが、ついに今回その食指が正真正銘のメガクラブにまで伸びたことになる。

アンドレス・イニエスタ、世界最高のミッドフィルダーでありFCバルセロナで長年活躍し続けてきたクラブの象徴だ。

 

このイニエスタという選手がどれだけ凄いかというと、メッシやクリスティアーノ・ロナウドが二大巨頭だとすればその次のカテゴリーに入る選手であり、欧州ベスト11に何度も選ばれたことがある選手だ。

スペイン史上最高の選手だと言っても過言ではなく、スペイン人と話す場合イニエスタについて話せば非常に盛り上がることが多い。

スペインのワールドカップ優勝やバルセロナのCL優勝を決定づけるゴールを決めるなど、大舞台での活躍が印象強く、また小柄ながら技巧的なプレーで体格の大きい選手の間をするすると抜けていく様はもはや芸術の極致にある。

 

そんなイニエスタがまさか今回、ついに中国スーパーリーグに移籍することになるとは衝撃的だ。「イニエスタ・コラソン」という家族が経営するワイン事業の拡大のために移籍するらしく、まさにワイン移籍だと言える。

ちなみに自分はこのワインを飲んだことがあり庶民的な価格で楽しむことができる。そこまでワイン通ではないが、スペイン産ワインらしい味わいがあったことを覚えている。

 

まだミッドフィルダーとしてはトップレベルなだけに別の欧州のクラブで見たかったという声もあるが、同時にヨーロッパではバルセロナ一筋だったことを評価する意見も存在する。

そして何より中国という事は日本から行きやすいので、イニエスタを観戦しに行くということが現実的な夢になり得る。

中東カタールに移籍したシャビは遠いが、イニエスタはすぐそこの中国だ。

自分は金銭的に余裕があれば今すぐにでもイニエスタを見に中国リーグ観戦に行きたいと思っているほどだ。3年契約なので、この3年の間に1回は見に行きたい。

そもそも日本人の中国観というのは一昔前で止まっていて、日本が圧倒的な先進国で中国は途上国だったという価値観のまま進んでいない。

現実には中国の方が新しい技術や壮大な予算で都市開発が進められており、インフラなども新時代のものになっている。老朽化したインフラが中々更新されず景気低迷に喘いでいる日本とは異なる。

 

「中国人は最先端の日本に憧れて旅行にやって来る」と日本人は考えているかもしれないが、実際はもはや中国人は日本に昔懐かしさや田舎のような癒しを求めるような時代になっている。

日本に来た中国人の本音は、最先端の部分や見習うべき市民意識はあるが、いろんなものが古くて懐かしくどこか寂れていて小さいという時代だ。

むしろ日本の方が遅れたシステムに取り残されているし、様々な物が古くなってきている。

 

だからこそ自分はいつか中国大陸の壮大なスケール感を見に行きたいと常々考えており、今回のイニエスタ移籍によってもう一つ中国旅行に行きたいという理由ができた。

最近の内向き志向の日本人は国内旅行が一番安定しているという考えになり、海の向こうの事情を見に行こうとしないが、イニエスタきっかけに中国の現実を見に行く人が増えればこうした考え方も変わってくるかもしれない。

そもそもアンドレス・イニエスタやバルセロナに興味があるという時点で、日本人が活躍することにしか興味が無い人々とは異なった価値観を持っているだろう。

 

また国家主席の習近平は大のサッカー好きとして知られており、グローバルな感覚を持っている。ついには任期が延期され、サッカーファンとしてはむしろずっと習近平がアジアのサッカーの発展に尽力するのならば歓迎だ。

サッカーファンの間でも未だに中国リーグに対して批判的な人は多いが、21世紀の大国がここまでサッカーを強化していることは、大きな発展を予測させるので個人的には楽しみな事でもある。

 

Jリーグや日本国内のサッカーに期待しても仕方がないという考え方に最近の自分はなって来ていて、衰退していく日本の替りに発展する中国のサッカーが盛り上がれば問題ないという考え方にすらなって来ている。

もしかしたらアジアで最もサッカーがコンテンツとして根付くのは中国かもしれないし、実際に既にリーグ戦は大きな関心を集めているようである。

新興国でサッカーが人気なことは明るい将来を感じさせるし、サッカーは拡大し続ける。新興国とサッカーの組み合わせは今の衰退していく日本とは真逆に大きな夢を見れる世界だ。

 

日本人選手もアジア枠があるのだから近場の中国リーグに移籍しても良いだろう、もう中国リーグがお金のために最後に行くリーグだという価値観は古くなってきている。

パウリーニョが中国スーパーリーグからバルセロナに移籍した例ができたことで、中国から欧州にステップアップできるということも証明された。

そして今回あのイニエスタが中国を選んだ、確実に世界は変わりつつある。