負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

ワイ、シンカリオンを見て少年の心を思い出す

ここ最近ロボットアニメ少なくなって、子供がロボットに興味なくしてるのではないかと漠然と考えていたが唯一の例外がある。

それは『新幹線変形ロボ シンカリオン』というアニメであり、今日日珍しい典型的なホビーアニメであり、更にその玩具がセールス的に好調だと言う事も昔懐かしの現象を感じさせる。

 

自分がなぜこのアニメを見たのかというと、「久しぶりにキッズ向けのアニメ見たいな」と思ったからだ。ロボットアニメ自体がもう絶滅危惧種になっているのではないかと思っていたが、かろうじて子供向けに放送して流行っているアニメがあるということでシンカリオンを知ったのがまずはきっかけだ。

そしてテレビ番組欄にちょうどシンカリオンがあったので、とりあえず1話だけ、具体的には13話を見たのだがこれが非常に面白かった。

 

なんというか典型的かつ王道の子供向けアニメのような展開で「そういえば俺ってこういうの育ったし、憧れてたわ」となるような内容になっている。

こういう変な髪形したクールなキャラクターや優しいお母さんキャラいたし、こんな変形シーンのバンクよくあったわと、まるで大人になってヒーローショーを見たような感覚になる。

 

このアニメを見ると確かに日常生活の疲弊た現実の中で忘れていたような少年の心を取り戻すことができる。

過去に放送されたすべての話を見たわけではないが主人公は子供で、秘密裏に悪の敵と戦っており今回の13話では母親が薄々気づいているという展開になっている。

都会のマンションで母親のキャラクターが夕飯作って、それを子供の主人公が食べるシーンって昔のアニメよくあったよなあというのも懐かしくなった。自分が結婚生活を送ることが無縁な昨今の独身男性にとっては、こういうシーンすら貴重で、そんな光景すらイメージが沸かなくなっている時代になっている。

こういった家庭的な何気ないシーンが現代人にとっては非常に和やかに映る程、現実が悲惨な社会になっている。

昨今の晩婚化を考えると、主人公が小学生の中学年ほどの年齢なことに対して両親が若すぎるというのもあるが、ある意味アニメの中だからこそ非現実的な事ができるということに現代人は立ち帰るべきなのかもしれない。

ストーリー展開や設定、オープニングやエンディングにしても本当に良くあるような典型的な作りになっていて、昔のホビーアニメの王道になっている。今時こんなホビーアニメがあるのかということに驚き、忘れていた感覚を取り戻せる。

「そういえば自分って少年だったんだな」とこういうことが懐かしくなる。

こういったロボットや乗り物が好きだということすら失っていく時代の中で、今の時代にこれだけ全国区で大々的にホビーアニメを放映して商品展開をしているアニメはもはや貴重だ。

 

正直なところ自分は新幹線や電車という乗り物がそこまでかっこいいと思うタイプではないのだが、こういったロボットアニメ自体が貴重な時代にもはや詳細な好みに細分化する余裕はないのが現代だ。

自分はどちらかというと戦車や戦闘機のようなミリタリー系列の方が好きなのだが、実際に戦闘機に乗る機会は無いのが現実だ。

しかし新幹線というのは実際に乗りに行ける交通手段なので、こういったアニメを見て新幹線に憧れた子供が、親にねだって乗りに行ってどこかに行きそこで食事でもするのならばそれは経済への良い刺激となる。

途中に入るコマーシャルには実際にJRのものがあり、このアニメを見た子供はきっと新幹線に憧れ、将来的に運転手になりたいと思うかもしれない。今の時代壮大な戦いが起こるわけでもなく、こういった日常の中の乗り物に夢を感じるほうがきっと正しい路線だ。

 

昨今のネットの風潮はレジャー施設が高いとか、交通渋滞の中でゴールデンウィークに外出する家族連れは効率が悪いだとか、そういう後ろ向きの思考になっている。ネットの普及によりネット民的思考が世の中に広まり過ぎた結果、世の中が停滞しているとも言える。

日々のストレスの中で何かを叩く方向にしか向かっていかない悲しい時代だ。

ネットで真実を普及させれば世の中が正しい方向に向かっていくのではないかと期待していたら、そうならなかったのが現代なわけで、かつて当たり前に存在したライフスタイルの時代に回帰するべきなのかもしれない。

全国的にやっているロボットアニメやホビーアニメ自体が少ない時代に、そう考えるとシンカリオンはかなり頑張っている方だ。

本当に自分好みのものを選べるような贅沢な時代は終わっているので、新幹線に興味が無かったとしてもロボットホビーアニメを求めるならばシンカリオンしかないとも言える。

男性の購買意欲が低下していると言われるが、そこに人が集まり消費が活性化しもう一度男性向けのコンテンツが活気づき業界が潤うのならば未来を感じることができる。

何もかも衰退していく時代はやはり楽しくないわけで、こういった明るい話題が今は求められている。

そしてシンカリオンを見た子供たちはロボットに魅力を感じるだろう。

将来的に育った彼らがもう一度明るい時代を作り上げる原動力になるのかもしれない。