負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

ガンダムが生き残るにはゲーム路線に切り替えるしかない

ガンダムファンにとっては常識だが、中にはそれが非ガンダムファンの人には伝わらないというような現象がある。

例えば「Zガンダム」をどう読むかなど、小学校低学年の漢字レベルと同様に簡単だ。

もちろん答えはは「ゼータガンダム」であり、機動戦士Zガンダムに登場する主人公機体である。

 

しかしこれは実はガンダムファンの常識に過ぎず、「ゼットガンダム」と読む人も実は一定数存在する。

ではなぜ彼らがこの機体名をゼットガンダムと読むのかと言えば、それはゲームで見たからである。

ガンダムゲームの代表格と言えばバーサスシリーズが知られているが、いわゆるそのバーサス系の動画をネットで見たことでガンダムを知るという新しい世代が登場しているようなのだ。

 

これはガンダムというコンテンツの人気存続を考えた場合、一つの打開策になるのではないかと自分は考えている。

Zガンダムを「ゼットガンダム」と読む新規層は貴重であり、これからの時代むしろガンダムをゲームとしてみる層が主流になっていくのではないか。

今の時代にガンダムシリーズのような長期的にコンテンツが継続している作品を最初から見るというのは非常に難しいのが現実だ。

仏教の経典を全て読んでこいというぐらいに面倒な事である。

しかし仏教にも南無阿弥陀仏と唱えていればそれで救済されるという浄土真宗という派閥が存在する。

それと同じように今後は、ゲームでガンダムの機体名さえ知っていればもうそれでガンダムファンというカジュアルなスタイルが求められているのではないか。

ガンダムファンは深みのある知識に拘りがちだが、実は浄土真宗の頃から簡単に入門できるスタイルが流行っていたのである。

 

今の時代に「ガンダムのアニメ」を見ることはやや時代遅れのダサいことになりつつあるが、「ガンダムのゲーム」をすることはスタイリッシュだという風潮がある。

スタイリッシュどうかはわからないが、とにかくゲームの世界では良くも悪くもガンダムは一目置かれている。ガンダムのゲームは凄いとか、マニアックなガチ勢が多いというようなイメージがあるのは事実だ。

アニメはダサいがゲームはかっこいい、そういう時代においてガンダムがこれから重視するべきなのは間違いなくゲームだろう。

 

ガンダムと言えばリアルロボットの世界観が人気を博してきた要因であり、個人的にもその世界観が気に入っている。

モビルスーツというのは、その世界に置いては実在する現実の兵器であるという設定があるからこそそこに深みがある。どのような目的で製造され、どのように活躍したかというその作品内の史実を考察することがガンダムファンの楽しみ方であった。

しかし今の時代に、もはや戦争の現実感は薄れゲームとして戦う事の方が憧れに感じるようになっている。

そういった時代に適応していくこともガンダムには必要なのではないか。

ガンダムのプラモデル、通称ガンプラもこれからは作中のキットというよりもゲームキャラクターのキットとして売り出していけばかつての地位を取り戻せるかもしれない。

作中の好きなキャラクターが使っているから欲しいのではなく、これからは自分がゲーム内で使っていたり好きな動画投稿者が使っていたりするからガンプラが欲しくなるという時代になっていくのかもしれない。

 

例えばキラ・ヤマトが機動戦士ガンダムSEEDにおいて搭乗するストライクガンダムという機体がある。

このMSは地球に侵攻するザフトに対抗するために、地球連合がオーブのモルゲンレーテ社と共同開発をしたという設定が存在する。更に完成間近ではあったもののOSの調整が進んでいなかったところに、クルーゼ隊が襲撃し奪取されかけるがキラ・ヤマトがOSを書き換えてそれ以降キラの搭乗機体になる。

実弾を無効化するフェイズシフト装甲やモビルスーツが携帯できるサイズに小型化したビームライフルに加え、3種類のストライカーパックがあり多種多様な局面に対応できる。

 

これくらいの設定はガンダムファンとしては基礎常識なのだが、今の時代の十年以上前の知識を当たり前に兼ね備えておかなければならないというのはハードな要求なのではないか。

Zガンダムに至っては30年前の機体であり、これはスポーツで言えば30年前の選手を知っていなければならないという状況に似ている。

 

これからはアニメ作品内の「兵器」という設定から、ゲーム内の「キャラクター」という設定の方が受け入れられやすい時代になっていくことは容易に想像がつく。

ガンダム最大の良さだったものは、今はむしろ敷居の高い設定になりかけてもいる。

そして今の時代はゲームが若い世代からは憧れの対象として見られる時代になっている。

ガンダムのモビルスーツデザインはキャラクターとして考えれば非常に優秀な物が多く、実際に若者のロボット離れだと言われながらも支持を集めている。

実際に最新作品のビルドダイバーズはVRの世界を舞台にしており、ゲーム路線は既に始まってもいる。

これからのガンダム作品が目指すべき道はゲームの世界なのかもしれない。

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