負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

お酒を飲まない夜は寂しい物だ

今晩はお酒を飲んでおらず極めて冷静だが、どこか虚しい。

もっとも酒を入れたところで結局虚しくなり、酔いが冷め終わる頃は泣きたくなるような感覚に襲われるのでむしろ今のほうが楽だとも言える。

 

酒を飲んでいない夜のメリットというのはこれから頭が痛くなることも無ければ明日の目覚めも楽だという事だ。結局のところお酒を飲んで楽しい時間というのはわずかな時間だけでしかなく、飲みすぎれば二日酔いという負の遺産の処理に明日が使われてしまう。

 

そこまでテンションも上がらず楽しくもない夜だが、逆に言えば苦痛にはならない。

無駄な出費もかさまず、その分明日使えると考えることもできる。底辺生活者は1日の出費をコイン単位で計算するようになってしまう。事実上今日と明日しか存在しない世界観の中で生きているのが自分だ。先のことを考えると本当に虚しくなる。

 

しかし冷静な今宵、自分の人生におけるモチベーションがお酒である事に気付いたのは良い発見だ。ここまでお酒に対して熱い情熱があるならば、この方向で人生について考えていくのもありかもしれない。

日本酒の世界は奥深くいろいろな資格や検定があるというのは聞くし、ワインも極めればワインセラーを自作するようになるという話は多い。

自分はカクテルに謎の憧れがあるので、カクテル作れるようになることを目指そうかなという夢もできた。

これまで現実逃避のために馬鹿みたいに酒を飲んでいたが、カッコイイ飲み方や質を極めればこれはポジティブな趣味となる。

 

お酒というのは飲む種類、飲む場所、飲む相手によって美味しさが変わってくる。それらを極上に自分のこだわりで極めるようなことを考えても良いかもしれない。

同じ飲み物で言えばコーヒーも奥深い世界であり、珈琲好きとしても知られる藤岡弘が極上の一杯を作るために山でたき火から拘っていたのを10年以上昔にテレビで見たことがある。

 

今の自分はどちらかというとアルコール効率を重視しているが、我が人生はお酒のためにあると決めて、真剣にお酒にこだわる生き方をしてみるのも面白い。

国内外問わずいろんな酒場を巡る旅に出ても面白いし、いろんな人とも飲んでみたい。自分の憧れはヤバそうな雰囲気のアングラバーや、場末の酒場といったところで飲むことでありそこで見ず知らずの面白い常連客と飲み仲間になることだ。

「濃いバーに来てる客はその人の個性も濃いはずだ」という謎理論によって、面白い人を探しに行くためにもいろんな場所を巡りたい。

 

バーや居酒屋となると出費もかさむので、そういう時はコンビニで買ったワンカップ焼酎やチューハイを片手に知らない街を歩くということもできる。

これは飲みすぎると路上で寝ることになってしまうので、ここら辺はもう少し飲み方を上手くしていかなければならないだろう。都会ならばコンビニをはしごしてその町中を巡るということもできる。

 

大阪の新世界で昼間からワンカップの日本酒を飲んでいるお爺ちゃんたちに混ざって、一緒に飲んだくれるのもなかなかの底辺感があってその雰囲気にも惹かれる。冬は寒すぎてできないが、お酒を飲みながら深夜徘徊して行けるところまで行けるというのも結構面白いしその怪しい雰囲気が好きだ。

それができない場合はストリートビューを見ながら擬似旅行をするということもできる。ストリートビューでの脳内旅行はお酒が入っていればこれが結構楽しい。

 

カクテル

また海外に飲みに行くということもいつかはやってみたいことの一つだ。

海外旅行の番組や洋画に出てくるような高級酒や高級カクテルは飲んだことが無いので純粋にどんな味がするのだろうかと興味がある。

かっこいいグラスに入って綺麗な色をしたようなお酒は一度飲んでみたい。

 

もう一度一人暮らしができたならば、いつか部屋をインテリアも含めてかっこいいバー風に改造するのも夢だ。自分で飲むのも良いしそれこそカクテルを作って振る舞うというのも面白そうだし、逆に自分と趣味が合う人の家に行って語らいあいながら飲むというのもやってみたい。

例えばミリタリーグッズやエアガン、モデルガンを集めまくっているような軍事マニアの家に行って珍しいプラモやエアガンを見せてもらいたいという憧れもある。爬虫類や昆虫のようなマニアックなペットを飼っている人の家や、アクアリウムに拘っている人の部屋も面白そうだ。

いろんなコレクションを集めてる人の家に飲みに行き、そして自分は自作バーに招待してカクテルやサワー、ハイボールなどを振る舞うという関係も理想の夢だろう。

 

駄目人間同士ネットで集まってそれこそ場末の酒場で飲むなんてのも良い。薬物依存症のオーバードーズの人たちが集まって悩みを話し合う集まりもあるらしく、そのような感覚でアルコール中毒者の集まりを開催するのも面白そうだ。

リア充が集まりそうな活況とした居酒屋ではなく、客も入っておらず寂れているような場所が自分は好きだ。薄暗いところで静かに飲むようなのもいいし、おじいちゃんおばあちゃんが昼間から集まって飲むような憩いの場所も良い雰囲気がある。

 

ただ結局飲みすぎたときに1番安全というかすぐ横になれるのはやはり自宅だ。

最近宅飲みで一人酒をする人が増えているが、交通費や帰る手段ということを考えるとどうしても家が最適解になってしまう。電車を逃してタクシーや代行になれば無駄な出費がかさんでその分飲めたと言う事にもなりかねない。

毎回ハンドルキーパーと一緒に居酒屋で食事をするというのもそう簡単に出来る事ではないし、部屋ならばネットがあるので見たいものをすぐに見ることもできる。

車内泊をしてその夜を過ごすということもできるが、夏は暑く冬は寒いのでエアコンを効かせる必要があり朝起きた時ガソリンがかなり減っていることに驚くことになる。買ってきたお酒を車内で1人飲んで、車内泊で過ごすというのは楽しいがそういうことも計算に入れなければならない。運転することはできないのでしばらくはその場所に留まることが大前提となる。

ただいろんな場所に行けるという意味では車には可能性がある。山の頂上や遠い場所の海にまで行って車内で一人酒をするのも良い雰囲気がある。

 

また一人で飲む場合はいくら醜態を晒しても誰も見ていないというのが気楽だ。

そういう意味で限界まで飲めるというのはやはり家である。

この場合「飲む場所」と「飲む相手」は関係なくなるので、飲むお酒の種類や質を極めることになる。雰囲気のいい番組を見ながら静かにじっくり飲むというのも自分がよくやっていることだ。明日のことを考えず買いためたお酒とおつまみの中から好きなものを選び、1人宴をすることはお酒隙にとって最高の贅沢である。

 

それにしてもお酒について考えるだけでこれだけいろいろとワクワクする目標や夢が出てくる。

お酒を飲まない夜は虚しいが、お酒についてポジティブに考えると少しは元気が出てくるようだ。

山の宿のひとり酒 (集英社文庫) [ 太田 和彦 ]