負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

最近キズナアイなるユーチューバーが流行ってるらしい

負け組男性系やオタク系のブログを見ているとやたらキズナアイという名前に出くわす。クリスマス寂しいからこの動画見て過ごしたというようなことを書いている人が結構多いのだ。

 

調べたところによるとどうやら最近流行のユーチューバーらしいのだが、これが実は一味違う。

いわば初音ミクのようなCGに声優が声を当てているスタイルであり、そのキャラクターがユーチューバーのようなことをしつつも実際にはバーチャルだという様式になっている。

 

言ってみればアニメやゲームのキャラクターにそのままユーチューバーをさせるようなものであり、結構再生数もあり今オタク界では人気が高まりつつあるようだ。

自分はこの形式を見てなるほどなと感心したし、今後こういったバーチャルyoutuberが世の中のスタンダードになっていくかもしれない。グッズ展開もしているらしくもはや一人のキャラクターとして確立されている。

 

最近よく言われているのが「テレビはyoutubeに敗北した」という類の話だが、今後もはやアニメを1話30分で作っていく形式というのはこういったバーチャルキャラクターに駆逐されていくのではないだろうか。

 

・真面目に内容も作画も予算をかけて作ったアニメ→誰も見ない

・適当なCGで作ったけものフレンズ→予想外のヒット

・小規模な企業や個人で作れるCGのユーチューバー→ネットで人気になり始める

今世の中の人々はカジュアルな物を求めつつある、もはや真面目に凄い物を作っても見向きもされない時代になっているのが現代の潮流だと言える。

 

製作費用としてもコスパがよく、視聴者側も毎回リアルタイム視聴をしたり録画をしたりしなくて済む。もうわざわざ作る方もアニメをしっかり作る必要も無く、見る方もアニメをしっかり見る必要が無い。

今の世の中に急増している「日常に癒しを求める疲れた人々」にとってはこのスタイルのほうが気楽で良いのではないかと感じる。

 

アニメの虚しいところが放送が終了すれば流行が終息していくところにある。あくまで放送中に話題になれば華であり、放送後は忘れ去られていく。しかしこういったバーチャルyoutuberは明確な放送期間が存在するわけではなく、既に1年以上継続して活動している。

製作された話通りに順番に見る手間も必要なく、いつでも気軽に見られるという意味ではアニメを見る事よりも簡単だ。

 

もうゲームをコンシューマー機で本格的にする時代でもなくスマホで済ます時代になり、今度はもはやアニメを真剣に見る必要が無くなりカジュアルなバーチャルyoutuberで済ます時代になっていくのかもしれない、いや既にそうなって来ている。

ある意味「日常アニメ」の究極の形がバーチャルユーチューバーと言えるのではないだろうか。もはや話やストーリーを作る必要すらない時代になったとも言えるし、それゆえにフレキシブルに話題を変えられるので却って多様性がある。

もうアニメの決められた世界観だけで完結させ、毎回30分と決めてみる時代ではなくなってきているのかもしれない。

 

1話30分のアニメを見る事すら億劫なことになって来ているというのはもう数年前から指摘されている事であり、手書きのアニメが割に合わないというのも同様に数年前から言われていることだ。

またキズナアイというAI以外にも似た様なCGキャラクターは多く、今後架空のキャラクターもyoutubeが主戦場になっていきそうである。

 

キズナアイ

更にこのキズナアイには同じCGのボーカロイドとは決定的な違いがある。

ボーカロイドの場合あらかじめ録音された音声を編集して声を出させるものだったが、バーチャルAIの場合毎回声優が音声を当てるのでボカロにあったような人工音感が無いので聞きやすいのが大きな違いだ。

正直自分は初音ミクをバーチャルキャラクターとして崇める人達が理解できなかったが、ボカロへの違和感の一番の理由だった声の不自然さは無い上に音楽ではなく毎回ユウーチュバー的な企画をやってくれるので確かに見やすくはある。

 

そしてこのこのユーチューバーという設定のバーチャルキャラクターにはアニメにはない決定的な特性がある。それは視聴者に向けて話しかけてくれると言うところだ。アニメの世界はあくまでその世界で完結するのでキャラクターのセリフや会話は視聴者に直接向けたものではない。

アニメの視聴者は行ってしまえばアニメキャラクターにとっては部外者であり気付かない存在だが、視聴者に向けて動画を制作しているという設定になっているAIのキャラクターには親近感を抱けるという構造がある。

自分に向けて話してくれるという形になっているのはこれまで恋愛ゲームのキャラクターだったが、このバーチャルユーチューバーはゲームのキャラクターとしての側面も兼ね備えている。

 

またyoutubeという直接のコミュニティで見られるため、わざわざアニメを掲示板やSNSで実況しなくとも誰かと同じ空間で見ているという一体感を味わえるというメリットもある。

昔の孤独な負け組層にとって癒しとなったのはアニメだったが、もはやそのアニメを見る事すら疲れた層がより気軽に見れるバーチャルyoutuberに移住しているのかもしれない。

それに加えて現実のユーチューバーは様々な問題を起こしているため、そこには悪い意味での日常や人間性を感じてしまい癒しを得ることができないという人々にとっても大きな役割を果たす。

どうせ現実のユーチューバーというのは酷いことをやっているわけでそこには親しみを感じられないという人にとっては、ちょうどアニメとユーチューバーの中間にあるバーチャルAIが人気を得るのは必然だと言えるだろう。

どうせ彼氏がいる三次元の配信者を自分の擬似的な彼女替りにするのは虚しいが、最初からCGだとわかっているから逆にスキャンダルもなく安心できるという構造がある。

 

アニメを見るのは大変で疲れるが、かといって現実的にスキャンダルまみれのユーチューバーには夢を見れない、そんな人々の求心力を集めているのがこういったバーチャルな存在なのではないだろうか。

 

しかし自分はここまでこの形式を評価しておきながら実は少し見た程度で熱心に視聴しているわけではない。正直見ていて小恥ずかしい上に、それを見ている自分が受け入れられないのだ。

ただお酒でもちびちび飲みながら見る分にはそんな恥ずかしさも感じず、自分の擬似的な恋人替わりとして楽しめそうではある。

 

それに加えて自分は動画サイトならば海外アイドルの日常映像のようなものを見ているのでわざわざキズナアイを見る必要が無いという事情もある。いずれにせよ今の寂しい負け組層の人は孤独を癒すために何かの"異世界"を求めているのだろう。

それが自分ならあまり言葉も分からない海外のアイドルであり、その一方でこういったバーチャルのCGに異世界の幻想を求める人もいる。

 

今の時代は本当に厳しく夢も希望もない時代である。

それゆえにそういった心のよりどころとなる存在は必要となる。

疲れている人は癒しを求め、孤独は人は一体感を求める。

少し裕福な人ならばガールズバーやキャバレークラブに行き、最近ならば握手会を開催するアイドルに会いに行く事もあるだろう。

しかしネット環境さえあればそれだけでカジュアルに楽しめる上に、元々CGだとわかっているのでスキャンダルなどに苛まれる必要もないこういったバーチャルユーチューバーという形式は今後新しい流行を生み出していくかもしれない。

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