負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

朗報:タイラントさん、まだオリジナル遊戯王を作っていた

自分が創作活動をする上でたまに刺激を貰っているのがガチで10代が手作り感ある感じで作っている作品だ。

「自分にもそういうエネルギーあったよなぁ」と思いながら、失いかけているものを取り戻すことができるのがこういう本当に厨二病感ある動画やイラストだ。

厨二病の手作り感ある創作は面白いし自分が理想とするジャンルでもある。

 

特にこのtylant100という投稿者は自分が今現在唯一気に入っているユーチューバーだと言っても過言ではない。

一見すると最近のヒカキンに憧れて始めたような10代のキッズ投稿者のように見えるが実は違う。むしろタイラントさんはインターネット上における創作歴でいえば自分より2年近く先輩になる。

 

事の始まりは「youtubeに自作遊戯王作ってる奴いるぞ」ということが話題になったことだ。某掲示板で晒されて自分はこの人を知ったのだがその時中学生になったばかりだったのがこのタイラントさんであり、まさに「リアル厨二病」と言える存在だ。

実家の自動車のナンバーが映りこんでいて再投稿したという騒動すらあったほど、ガチで中学生が制作していたノリがある。しかも友達仲間で作っているわけではなく完全にすべてを1人でやっているからさらに凄い。

 

自分は熱心なファンというわけではないのだがたまに「まだ活動してるのかな?」と調べることがあり、未だにあの「遊戯王END OF THE DARKNESS」シリーズを作っていて安心した自分がいる。

そんなタイラント君がもうすぐ高校卒業か大学一回生ぐらいの年齢だと思うと時が経つの早いなとも思うし、他人事ながら自分の弟を見るような感覚でほっこりせずにはいられない。 

 

www.youtube.com

 

しかも凄いのが微妙に動画編集技術のレベルが年々上がっているという事で、レベルはそこまで高くないけども実際自分がこの編集ができるかと言えばできないことを思うと尊敬しているし憧れもある。

自分が中高生の頃であればなおさらこのような編集はできないから、下手だなとか全く思わない。自分がやったときの難しさを知っていると馬鹿にする気にはなれないなぁと思う。

 

活動歴が自分より長いこともあって「タイラントさん」だと思っているし、ジャニーズも入所日が遅ければ年下に敬語を使わないといけない的なノリで自分の中では先輩だと思っている。ある意味自分にとって厨二病の先輩がタンラントさんである。

 

このダークネスシリーズの凄いところは全部自分でアフレコしているという事にある。自分自身の映像、自分がコスプレした映像、ゲームキャラの画像、遊戯王カードの画像などに自分で声を当てていてそれぞれのキャラを全部自分で演じているというなんとも手作り感溢れる構成だ。

しかも最近では外の撮影が厳しくなり全部部屋でやっているというところも微笑ましく、そういう切な製作事情があると言うところも面白い。

そんな中高生が自分の身の回りで揃う素材だけでがんばって作ってる感、本当に好きでやっている感に刺激を受ける。

他には「プリキュア」「龍が如く」「とある科学の超電磁砲」などの作品が好きなようでそういったシリーズ関連の動画も上げている。

 

「個人創作ってこういうことだよなぁ」と本当に好きでやるということを失いかけている自分に問いかけてくるものがある。

自分自身好きなようにやっているように思いながら実は結構これでいいのかと悩むことが無いと言えば嘘になる。むしろ自分の創作については「なんでこれやってるんだろうな」と疑問に思う事の方が大半で、情熱が湧いたり無くしたりの繰り返しでもある。

 

そんな時に10代の少年が本当に好きでそれほど多くの人が見てなくても楽しそうにやっている姿を見て昔の自分を見ているような感情にもなるし、厨二病的な原点に立ち帰ることもできる。

 

最近「ユーチューバー」という言葉定着してむしろ憧れのような意味合いがある時代になっているけども、出始めの頃は「ユーチューバー(笑)」という侮蔑的な意味合いがあり「しょぼい動画投稿者」的なニュアンスのほうが強い時代があった。

 

むしろ今も一部のアイドル的な人気を持つ投稿者を除いて自称動画投稿者的な人が大半だとも思う。ただ自分はそういう元来の"しょぼいyoutuber"のほうが好きで、プロや芸能人並になって来てる最近のネットと違う個人活動の雰囲気の方に謎の落ち着きを覚える。

 

自分だけが見ている親近感あるユーチューバーみたいなものが人気になりがちだけども、実際はもう芸能人や有名番組並の時代になっていてそこに友達感覚持つのもなんか違うよなぁと感じずにはいられない。

自分だけの友達感覚で人気ユーチューバーや動画投稿者を見ていても、所詮最近流行のものと変わりないわけでもうアングラ感はあまりない。テレビ並に見られている規模の物を見て芸能人と変わらないしユーチューバーを見てるというのが既に普通の流行になっている時代に雑誌で特集されるような人を見てもそこに友達感覚や親近感はないと自分は思う。

すでに雲の上の存在であり、もう立派な芸能人になってしまった人に親近感を抱いても虚しいし生きる世界が完全に違う。

 

そんな中で良い意味で昔ながらの「誰が見てるんだよこれ」的な単なる趣味動画投稿者のほうに自分は味わいを感じる。ユーチューブがこれほどメジャーになってからやり始めた人とは違う面白さがある。

そういう意味でタイラント君は自分の中では、最近この2,3年でヒカキンに憧れてユーチューバー始めた子とは違うなと思って見ているし前述のとおり年下であっても先輩ともいえる存在だ。

アイドル感覚のユーチューバーと違って、誰もいない河川敷で細々と七輪の炭火火焼して一人で安酒飲んでるおじさん投稿者とかのほうが自分は好きだなとも思う。

 

正確には年齢わからないけどもおそらくそろそろ大学か就職ぐらいの時期で、彼の創作活動が環境や財力の変化によってどうなっていくのかというのは興味深い。

中高生の頃は情熱があって「大学の4年間あれば凄いことができる」と思ってたのに、結局無駄に浪費した自分のような失敗は繰り返さないでほしいなとも少し心配している自分もいる。

大量の時間があって思う存分創作や制作ができる、結局何もできなかったり何にもならなかったりするのが大学という時間でもある。

自分が中高生、大学初期ぐらいに描いていた「厨二病ノート」を見ると、この頃に思い描いてたこと全然できなかったなという事の方が多い。

 

タイラント君は「遊戯王END OF THE DARKNESS」を外で撮影できなくなったと言っているけども、いざ自分が大学生になって自由な時間もあって製作環境が整ったとしてもこの頃のような情熱あるものが作れるとは限らない。

自分も今作ってる物と、授業中のノートに落書きで書いていたものとどっちの自由度が高いかと言われれば回答には悩む。あの頃の妄想力の方が高かったよなぁ、と謎の厨二病センスの衰えのようなものも感じるし「思ったように成長できなかったな」という思いもある。

 

環境が整って良い場所で自由に撮影したものが面白いのか、部屋の中にある限りの素材で工夫して情熱で補ってた頃の方が面白いのかは難しい問題になる。

よくユーチューバーでも「狭いアパートで撮影してた頃の方が面白かった」という人はいるし、自分もペンタブではなくアナログでノートに描いてた頃の方が発想の自由さはあったと思う。そういう時にこういう10代のリアル厨二病を見ると希望を取り戻せる。

 

タイラント君のいいところは、しっかりこの遊戯王ダークネスのオリキャラに情熱を持っていることでもある。

オープニングに恒例のオリキャラがかっこよくOP風に登場して、エンディングには全部自分で演じているこれまで登場したオリキャラのオールスター集合絵も登場する。

 

これの何がそこまで自分の心に響いたのかというと「自分しかわからない自分のオリキャラへの愛着」にある。

自分の考えた最強のオリジナルキャラクター集合時のオールスター感は、自分でオリキャラを描いたことがある人にしかわからない魅力がある。

自分でここまで作ってきたという思い入れがあるから、傍から見たらイタい上にしょぼく見えるかもしれないけど愛着を持つ。

「タイラント君、このキャラクター全員好きなんだろうな」という作者ならではの特別な思い入れがすごくわかる気がする自分がいる。

 

ましてや彼の場合、自分で声変えながら専門的でもない見様見まねのアフレコをしているから面白い。これがどこかの養成所である程度の専門教育を受けた人がやっていたら「はいはい、上手いね」としか思わないけども、中学の頃から自分独自の工夫でやっていると個人の手作り感あっていいなぁと思う。

遊戯王初期の風間俊介の演技がなぜか面白い事と似ているかもしれない。

 

タイラント君は本当に遊戯王好きなんだなという思いが伝わってくるし、5年がかりで10数話作り続ける熱量に自分が失いかけているものを見出したりもする。

結局こういう作品は自己満足でもいいし、それを作る過程で何らかの技術向上や制作経験が得られれば次につながってくるから無駄では決してない。

そして10年後「そういえば俺こんな作ったわ」と無性に懐かしくなる時が来る。

そういう無名の創作というのはどこかで大切なものになる日が来るし、絶望的に誰も見ていないわけではない。

 

そういう姿を見て続けることの大事さを再確認した自分もいるし、そんな姿に刺激を受けて「こういうのやっていいんだ」と思う人が新しく出てくればそれは凄くいいことだとも思う。