負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

外山恒一「ラジカルな学生運動を復活させなければ革命は不可能」

世の中やネットからコアでヤバイ奴や革命を企てるようなアングラな危険思想の持ち主が減少してきている!

というのは常日頃自分が主張していることなのだが、そういった絶滅危惧種的な面白い人がどこにいるのかという疑問を持つ人は実は今もどこかに潜伏しているのではないかとも思う。

 

そんな自分が今かろうじて面白いなと思う人は極めて限られている。

「皆普通の人に見えてきたし世の中普通の人が増えた、いや普通の人が大半だという事に気付いた」という幻想の崩壊に端を発する自分の絶望を癒す人は案外メジャーなところにいる。

面白いキレのある人はアンダーグラウンドにいなくて、既に有名になっている人が多い。アスリートや芸能人、アイドルは本当に面白い人が多いし捻ってマイナーなところを狙わないほうが実は面白い。

例えば声優やユーチューバーからコアな人を探し出すより、普通にジャニーズやサッカー選手を見たほうが超面白い奴いっぱいいるのだ。逆に前者のほうが意外と普通で俗な人ばかりで、そこに集うファンも普通の人が多いという現実に気付かされた。

中二病時代やアングラ時代の終焉とでもいうべきなのだろうか。

 

ただそんな中でも「アングラで面白い人間」というのはいるもので、この人中々過激だぜって人を紹介していくことも"地下活動"には必要になってくる。フランスからの独立を願う戦前のベトナムの革命活動家が日本や中国のアジア主義運動家に活路を見出したように、自分はいつか外山恒一という男に話を聞いてみたいと思っている。

 

今日日ネットユーザーに「面白い人教えてくれ」と聞いたら良くわからないユーチューバーの名前が帰ってくるのだろうが、それは何か違うという疑問を抱く人はいるだろう。

「そんなんじゃねぇんだよな、もっと危険人物感ある奴教えてくれよ」と思う自分がいるのだ。

そんな自分が知っているネットの危険人物が外山恒一である。

外山恒一

外山恒一と言えばインターネットに長年親しんでいる人ならば伝説の東京都知事選政権放送で一度は目にしたことがあるのではないだろうか。散々面白動画的なものでネタにされた泡沫候補であり、「選挙なんて意味がない」という言葉を選挙戦を使い挑発した男だ。

 

そして知名度だけは無駄に高い男でありながら、その思想の深みまで探ろうとする人はそれほど多くない。正直なところで言えばただの面白候補としてネタにされただけで終わったが、実は今もアングラな革命活動を続けている一人だ。

 

外山恒一が好きな言葉、それは「ラジカル」であり、すなわち急進的という意味だ。

80年代の学生運動という学生運動史の中ではやや下火にあった時代を詳しく知る人であり、おそらく幼少期に60年代や70年代の過激な活動に昂揚感を覚えた世代だろう。

80年代というのはいわば日本経済の絶頂期であり、戦後昭和の政治的な激動のあった時代とその後に訪れるオウム真理教という新興宗教の時代の中間にある時期で政治的な学生運動よりも経済が重視された狭間の時代だと自分は見ている。

それゆえに逆にコアな人も多く、外山恒一はまさにその時代の反管理教育運動からスタートした存在だ。

そのクライマックスとも言えるのが例の東京都知事選だったが、革命は失敗し今は細々と活動を続けている。

 

situation.jp

しかしその細々と革命運動を続けている雰囲気が自分は好きであり、数年前まではバーラジカルというところでいわば客寄せのように勤務していたようである。外山恒一がラジカルバーにいた時代はもう終わったが、その時の店に行ってみたかったなという妙な憧れもある。

 

そして最近では「自分はやはり一つの場所に留まるよりも全国を回りたい」としてアングラバー巡りをしているようである。そんな活動日誌を読むことが自分は好きなのだが、この記事は中々面白くラジカルな学生運動の再建を企図しているという内容だった。

学生運動からでなければ革命の展望は見えてこないという思想は中々興味深い。

 

しかも一見ガチな革命地下活動と思いきや普通に左翼的な教養を教えていて、知識としては中々ためになりそうなところも面白い。興味本位で行ってみたいとも思ったし参加費無料で交通費さえ出せれば食事と寝場所は提供してくれるようである。これは去年の事であり今年は夏も終わったが、来年もやるのであれば参加してみたいとも思った自分がいる。

 

単なる興味本位であり「こんなところに参加する奴、超コアでヤバイだろ」という思惑もある。

外山恒一本人も当然会ってみたい一人だが、逆にこのご時世今も彼に興味関心を抱き続けている人は間違いなくマニアックな人だろうしそういう人と仲間になってもみたい。

右翼とも左翼とも単純に断定できないその思想の深みを吸収したいと自分は考えており、「そこに集う人はリアルにヤバイ奴だろ感」もある。

危険な人に会ってみたいという中二病というか冒険心というか、そんな漠然と燻った思いが自分にはあるのだろう。 日本のどこかにまだとんでもない人が潜伏しているのではないか、そんな非日常を求める旅情にも似た感覚が未だに自分を支配しているのだ。  

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