負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

「たかじんのそこまで言って委員会」ってNPになってつまらなくなったよな

自分のかつての日曜日の過ごし方と言えば「たかじんのそこまで言って委員会」を休日の昼間に見る事だった。ちょっと過激な討論番組で特に西日本では有名で、「問題番組」的な扱い方もされていた。

番組のボリュームも大きく、更に語られる内容や出演者も多岐にわたっていた。

時の総理大臣や有名政治家も出演したり、裏の業界に詳しい出演者も出演したり非常に豪華な番組だった。

 

もちろんそのスタンスは今も続いているが、最近めっきり自分は見なくなってしまった。

「NPになり始めてから委員会つまらなくなったよなぁ」と思っている人は結構多いらしく、自分もその一人だ。

まだ番組が続いているという事を見ればある程度人気を維持できていることは間違いないが、もはや固定視聴者層をがっちり固めているだけで日曜日昼の名物番組のような扱いではなくなっている。

 

たかじんの委員会が劣化した理由には大きく分けて2つある。

1:やしきたかじんの番組ではなくなった

2:単なる保守層に媚びた右翼礼賛番組になった

 

まず第一に、やしきたかじんが司会を務めていたが急逝して現在では辛坊治郎がメインを務めている。「たかじんの番組」から「辛坊さんの番組」になったことで、結局自分はたかじんが「やっぱ好きやねん」だったんだと再確認した。

決して辛坊さんが嫌いなわけではないのだが、メインの司会を務めると違和感があり番組の雰囲気も違うように思えてくる。

 

更に自分が見限り始めた時期に三宅久之が津川雅彦になったことで、本当にただの右翼番組になってしまった感はある。自分は保守論客応援側で見ていたのだが、それはあくまで一般番組の中で保守論客が奮闘するのが好きだったからだ。

更に竹田恒泰までレギュラーとして定着して以降、完全に左翼をいじめる番組というか田嶋陽子を集団で叩く番組になってしまった。

 

自分は田嶋陽子の思想に共感しているわけではないしむしろアンチなのだが、「ヤバイ左翼」として頑張ってほしいという思いもあった。

そして三宅久之とバトルしてた頃はなんだかんだでお互い歴戦の信頼感みたいなものがありそれが非常に好きだった。

なんだかんだで三宅さんは紳士だったが、津川はひたすら傲慢に見えた。

政治思想で対立していても個人ではリスペクトし合っていた三宅と田嶋の黄金カップリングも、津川雅彦になってから完全に田嶋陽子を批判する番組になったし、そこに井上和彦や竹田恒泰が乗っかってくる構図があまり好きになれなかった。

 

更にその頃からですらメンバーが変わり果て、最近では知らない人たちばかりになっている。いつの間にかその津川雅彦もいなくなり、勝谷誠彦や宮崎哲弥、そして山口もえもいなくなっている。

勝谷誠彦に至っては兵庫県知事選に立候補していたらしく、最新の雰囲気が変わりすぎていて「丸くなった感」が否めない。

逆に言えばそのニュースしか知らない程自分の政治熱も下がっていったのかもしれないし、それゆえに見なくなったのかもしれない。

 

今はどうなっているか正直見ていないのでわからないが、一時保守層に媚びたような作りが増えすぎてそれ以降一般視聴者や革新や左派に見限られた側面はある。

彼らの主張に賛同しているわけではないが、かといって「日本すごいですね」系の番組や「海外の反応」みたいになると面白くない。

 

たかじんという中立がいる中で、ガチガチやりあう番組だったから面白かったが今は固定視聴者層向けの内輪番組になってしまったことでかつての過激さが無くなってしまった。

番組全体として丸くなったし、小者化が進んだような印象は否めず、もうネットでたかじんの委員会持てはやしてる人がいたら今時時代遅れだなとも思う。

 

たかじん生前に委員会を見ていたら"ヤバイ奴感"があったけが、今は普通にどこにでもいるネット右翼なんだなぐらいにしか思わない。

一見すると保守的に見えた宮崎哲弥や勝谷誠彦には実は左派的な思想もあったが、井上和彦や竹田恒泰になってくるとただのよくいる量産型ネット右翼の上位互換にしか見えない。

逆に言えば左翼のほうも劣化していて、田嶋陽子ですら結構先鋭的だったなと思わせられる。左右双方おもしろくなくなったという言葉に尽きる。

 

日曜日の昼間にもかかわらず限界にに挑戦するディープな番組だったから面白かったものが、身内向け番組なり固定視聴者層に媚びたような内容になってしまうと逆に面白くない。

やしきたかじんが「絶対東京には進出させない」と言っていたからローカルで自由にやれていたものが、そのローカルですら自由にやれなくなったのは世相を反映しているだろう。

「自分の好きな番組が劣化した論」はよく聞く。

ゴールデンに進出してから駄目になったとか、番組の趣旨が変わり始めてから面白くなくなったとか、おそらく自分の「そこまで言って委員会」への思い入れはその感情と似ているのだろう。

もっと端的に言えば「過激な奴が過激じゃなくなるとつまらなくなる」という法則が当てはまる。

もう戻ってこないたかじんがいた日々に思いを馳せながら、もうNPになって見ることもないに委員会にさよならを告げたい。 

 

そんなことを言いながらも後日実際にNPを見たのだが、予想通りつまらなかった。

シンプルに言うのであればトゲの無い普通の討論番組になったという印象だ。確かに有益な情報は多く、識者の話自体は興味深い。ただこういう番組ならわざわざ見る必要はないしいくらでも変わりの番組は存在するという印象を受けた。

ローカルだからやれていた過激さが無くなり、そこまでいって委員会の名物だった発言の自主規制もこの時は一度もなかったのは名物がなくなったようで寂しく感じた。

やはりあの頃の委員会は戻ってこない、この番組はやしきたかじんだから作れていた番組で本当はその時に終わっているべき番組だったのかもしれない。

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