負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

ニートが頑張って酒を辞めてみた ついに一週間達成

ここしばらく続けている禁酒生活でついに自分は一週間一滴もお酒を飲まないという偉業を達成した。もはやこれは奇跡であり、大躍進である。

頑張ればできる、不可能はない、これは他人にとっては小さな一歩だが自分にとっては大きな一歩だ。

他者から見れば子供がひらがなの「か行」まで書けるようになったぐらいの進歩でしかなく当たり前のことでしかないのだが、自分にとっては考えられもしないような成長であり感動している。

 

そういえば聞こえは良いが実質的には消極的な理由である。

そろそろ生活が行き詰りつつある哀れなニートが仕方なく節約しているに過ぎず、生活の実態は悲惨そのもの。働いてもいないのに昼間から酒に入り浸るという最底辺の生活を辞めただけでしかない。そんな当たり前以下のことさえ大袈裟に自分で褒めるしかないのが現状だ。

まるで赤ん坊が歩けるようになったことを誉めたてるように、アルコール依存者は少し頑張ってお酒を飲まなかっただけでも偉大な成功のように自分で自分を褒めてあげる必要がある。

他人はわざわざそんな当たり前以下のことができたところで褒めてくれないだろう、だから自分で褒めてあげるしかないのだ。

小学生が逆上がりできたり補助輪なしで自転車に乗れたというぐらいの褒め方を自分にしてあげなければならない。お酒を辞めるというのはアルコール依存者以外からすればよちよち歩きで頑張って歩く赤ちゃんにしかみえないが、どちらも本人は一生懸命なのである。

 

思えばこの一週間本当に大変だった。

何度もお酒を飲みたいと思ったことはあったしとにかくつまらなかった。人生が楽しくない時にすぐお酒に頼っていた自分は中々つまらない時間帯に耐えることができなかった。

お酒に頼らずとも楽しいことに恵まれている勝ち組ではなく、底辺の負け組人間にとっては日々がとにかく楽しくなく陰鬱でありお酒にしか逃げ場所が無い。

 

自分がこの期間において心がけたことは「楽しくないことに慣れる」ということだった。お酒を飲まない状態や低いテンションで過ごす状態を日常として受け入れていくことからがスタートだった。

やることが無い時はとにかく小説を読むか録画していたテレビ番組を見る、何か嗜好品が欲しい時はガムで我慢する。

この程度の生活が何も社会に貢献していないニートの自分にとって身分相応なんだと言い聞かせて、ひたすら地味なことに徹していた。そうしていくと徐々にお酒を飲んでいないことが普通に感じられるようになり、むしろ創作活動なども積極的に行えるようになり少しずつ精神面で充実し始めてきた。

 

とにかく朝起きたときに快調ということのありがたみを感じる。

気分が悪い状態で起きなくて済むし、お酒が切れていれば買いに行かなければならないという面倒なこともなくなった。この一週間飲まなかったことでだいぶ酒代も浮いたことは間違いなく、健康面と金銭面でも大きな進歩があった。

今回の生活のルールは完全なる断酒を目指しておらず、節酒であり完全に飲んではいけないというわけではなかったが綺麗になりつつある内臓をもう少し維持したいという思いが打ち勝った。

自分のルール上飲んでも問題はないが、ここで飲んでしまうと積み木が崩れてしまう事と折角綺麗になりつつある内臓をまた元に戻してしまうのは良くないと感じた。今は脳も体も完全に元に戻す過程にある。

また一度その快楽を取り戻してしまうと、おそらく次の日からまた同じことが繰り返されるだろう。今日だけはお酒に頼っていいという考え方をしてしまうと、その基準がどんどん緩くなってしまい結局また元に戻ってしまう。

お酒

しかし禁酒をしたからといって劇的に人生が変わることは無い。

酒がなくなったことでつまらない生活には拍車がかかっている。

小説を読む機会は増えたものの、本当の充足感は得られない。

相変わらず暑くてつまらない生活が続く。

金もなければ夢も希望もない、彼女もいなければ予定もなく仕事もなく、実力も才能もなく、魅力も人脈もなく挙句の果てには情熱もやる気もないときた。

完全にないない尽くしである。完全に誰にも必要とされない生きてる価値のない人間だ。最下層の人間が幸せに生きることができない社会だけが広がっている。

 

とにかく何をやっても充足感と達成感が得られない。

無気力だからと言って何もやっていないわけではないのだが結局結果が出ず上手く行かないため、いつのまにか吊り下げられた人参に向かって走る馬のように思えてくる。

勝てない上に楽しくないゲームをやろうと思わないように、人生というゲームに依然として自分はうんざりしている。人生というゲームの攻略が下手なうえに雑魚みたいなキャラしか使わせてもらえないのだから楽しくないに決まってる。

 

その心の隙間を埋めるのが酒だっただけに、空虚感は強くまだ完全なる代用品を見つけられていない。

唯一心の支えになっているのは小説で、何もすることが無い時に仕方がないから読書をしている。つまらない中から少しは面白い物を探すという消極的な楽しみ方だ。

創作に関しても特に面白い反応は無く「自分の為だ」と言い聞かせてる物の、特に達成感もなくすぐにモチベーションは下がるということの繰り返し。

相変わらず楽しい物は見つけられていないが、所詮無能ニートの実態などこの程度でしかないのだろう。無価値な人間は楽しんではいけないのがこの社会だから仕方がない。

 

他に楽しいことがある人がお酒を我慢することは比較的簡単だが、ほとんど楽しみが無い人や楽しみを作ろうとしても結局上手く行かず失敗する人というのは酒から脱却することが難しい。

それゆえに自分はこの長い間酒に入り浸っていた。

酒があるから他に楽しみを見つけようとしないともいえるし、楽しみを見つけようとしても上手く行かないから結局酒に頼るともいえる。明確な境界線は無く卵が先かヒナが先かという議論に近い。

 

つまり今の自分は楽しくないのにお酒まで奪われている状況であり、非常に葛藤している。ただ自分は完全には悲観していない。

まだ1週間でありこれはゴールではない。

徐々にお酒を飲んでいなかった頃、10代の頃の情熱と夢を取り戻して再スタートしていけるように時間をかけながら頑張っていくしかない。

五十音で言えばまだ「か行」に来たところである。こんなところがゴールだとは思ってはいけないし、自分はメンタルが強いと言い聞かせながら這い上がっていくしかない。

自分は駄目なんだと諦めてしまえばまた同じことの繰り返しだ。

赤ん坊だって頑張って歩こうとして子供だって頑張って文字を覚えようとしている、その姿と同じように地道な進歩を続けていくしかない。

自分は自分の戦いをする、今できる地味なことを頑張る、それしかできないがその積み重ねの先にしか新しい道は開かれないのだから。