負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

藤井聡太君ついに連勝ストップ、これまでのことは偶然か?

前人未到の連勝記録を打ち立てた天才中学生として話題になっていた藤井聡太には、普段将棋にそれほど関心がない自分でも注目せずにはいられなかった。

29連勝というのはプロ将棋史上最高記録であり、デビュー後からの連勝となると10連勝が最長となるためどちらにしても偉業である。

「漫画やライトノベルのキャラクターなら怒られる」というぐらい創作の世界でもあり得ない記録であり、将棋の歴史に残ることは間違いないと言われている。

確実にタイトルを勝ち取る逸材であり、むしろこれは序章に過ぎないのかもしれない。

 

そんな藤井聡太にプロとして始めて挫折が訪れる。

30連勝をかけて挑んだ佐々木五段との一戦に敗れここで遂に無敗記録がストップ、初めて土をつけられる結果となった。

自分自身は本当にここ最近藤井君について知ったレベルであり将棋の事は良くわからないのだが、どこまで連勝が続くのかということには興味があった。

そして今回連勝がストップしたことで、ある意味「まだ中学生なんだな」と安心した人もいるのではないだろうか。

将棋の良さはこういった棋士の個性や棋界のエンタメ要素で盛り上げているところにあるだろう。個性の強い棋士がいて将棋を知らずとも盛り上がれる

自分自身将棋を指すこと自体にはそれほど興味はないが、将棋界の構造や棋士エピソードの話題を聞くのは面白いと思っている。

 

藤井君の常連のお店や勝負飯が取り上げられるのも一見するとどうでもいいことのように思えるが、そういったカジュアルなエンタメ要素も実は業界全体を盛り上げることに役立つ。

アイドルにしてもスポーツにしてもその業界のファンにしかわからない話題ばかりより、普段ファンではない人も話題にする要素があったほうがより大きな盛り上がりになる。金と銀の動かし方すら曖昧な自分でさえ今回の藤井フィーバーには関心を寄せられた。

 

さてそんな藤井聡太君だが、いつか勝負の世界は負けるときが来るものでありむしろ負けを知ってからどう修正していくかの方が大事だろう。

ここから再び連勝をし始めて今度は30連勝を達成してしまうのか、それともまるでこれまでのことが嘘だったかのように連敗をするのか。

よくスポーツの世界でも前半活躍するが対策され始めてからめっきり活躍しなくなるという選手がいる。

ある意味ノーマークの存在だったから藤井棋士はここまで連勝を積み重ねられたのか、それともまだ成長途上でありこの敗戦を受けてさらに飛躍するのか。彼の場合まだ10代前半であるため頭脳の成長という意味ではまだこれから非常に大きな伸びしろがある。おそらく頭脳の飛躍的な成長が見込めない20代以上の棋士はこれからごぼう抜きにされていくのではないか。

 

藤井聡太はこう語っている。

「今は勝敗が偏っている時期。いずれ平均への回帰が起こると思っています。」

連勝街道にある時でさえ彼は冷静に分析していた。

今回の敗戦もいずれ来ることだろうと覚悟は決めていたのではないか、そして挫折を知ってむしろ強くなる、14歳にしてそんな気風さえ漂わせている。

藤井君の名言も自分が言えば少し意味が変わってくる。

「今は勝敗が偏ってる時期。負けが込んでますけど平均への回帰が起こるのではないかと思ってます。」

 

そんな自虐はともかくこれまで負け続けてきた人間と、勝ち続けてきた人間とでは世界観が違うかもしれないがこういう時往々にして、これまで勝ってきた人はまた勝つのである。

まるで主人公補正がかかったヒーローになるための星に生まれてきたような藤井君は、この敗戦さえも物語の一部にしてしまうだろう。

余りにも眩しすぎる天才少年のこれからの未来はもはやだれも予想できないストーリーになるはずだ。若い世代でもこれだけやれるということを示し続ける姿は新しい世代にとっても心の拠り所になるだろう。

藤井君と同世代の天才が新しく世の中を盛り上げてほしいなと思う。