負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

GDP世界7位のインドが躍進する日は訪れるか

インド情報を調べると日本人の予想をはるかに上回るレベルで彼らインド人が優秀な野心家であるということがわかる。

現に有名企業をはじめ世界中の企業のトップがインド人になっており、起業をする人の数も世界有数である。インドはIT大国だけでなく経営大国、起業大国にまで成長しようとしている。

 

まず大前提として日本はインドに確実に抜かれる運命にある。

気付いたときには中国に抜かれており数年で大きな差をつけられ、今では「よく中国のような巨大国家より上だった時期があったな」とむしろ中国に追い抜かれている状態が当然という感覚にさえなっている。

しかしインドに対してはまだ遅れた国であるという認識が強く、英語や技術、人工に関する強さを認識できておらず「どうせまだカースト制度が残っているような国」と軽視している部分がある。

インドに追い抜かれるのはまだ当分先だろう、今考える事じゃないという考え方があるが実はインドはもう5年もすれば世界1の人口を兼ね備える国になるのである。気づけばもう2020年という近未来感溢れる時代に突入しようとしているが、2022年にはインドの人口は世界一になると目されている。

「そういえば世界一の人口が中国だと思ってた時期があったよな」と思う時代が後にやってくる。

少し前の感覚で言えば「人口13億の中国、人口10億のインド」という感覚だったが今や「人口13億弱の中国と、人口13億の大台に突入し始めたインド」という時代になっており、日本人の想像を上回る勢いで彼らは拡大し続けている。

 

更にそれは英語人口にも反映されておりインドの私立学校では教育のすべてが英語で行われており、母国語レベルで英語を話せる人は1億人以上だと言われている。これはイギリスの人口6500万を上回り、もはや本家のイギリス以上に英語話者が多いのがインドである。

もはや英語という言葉はアメリカとインドの言葉と考えたほうが良い時代になっている。エリート層はほぼ英語を話せるため、「英語=インド語」と考えても差し支えないだろう。英語を勉強する目的の一つにインドは含まれるのだ。

実際自分も海外のチャットルームのようなサイトを英語勉強のために使っていたことがあったが、とにかくインド人が多かったことを覚えている。日本人はまだインド人をレアな存在だと思っているが、ネットの中でさえ少し海外サイトに出るだけでインド人は数多く存在する。

もはや英語と言えばイギリスよりもインドの方が重要視される時代になっている。

アメリカ、インド、中国、10年後の「世界三大超大国」の内2か国が英語を公用語にする国であり、英語の重要度は今後一層高まるだろう。

 

そう考えたとき、インドがもう少し発展した場合「英語ができる日本人」にとってはインドは新しい移住先の候補になれるかもしれない。巨大な人口を抱えるインドは日本企業が市場を求めに進出する候補になっており、既に莫大な市場を求めて自動車メーカーも多数インドに参入している。これから新しい中流階級が続々と登場するのがインドであり、そこには莫大な需要が発生する。

 

中国も昔は「日本人が住めるわけがない」と言われてたけが今や日本人も住みやすい国になった。その内インドも首都や大都市は先進国水準に成長していくだろう。ガンジス川で水を浴びているイメージはもう古く、たった数年のサイクルで日本の人口そのものに匹敵するような大卒労働者や技術者を輩出している国がインドである。

「毎日のように変化し発展していく国」としての刺激は高度経済成長期の日本のような面白さがあるかもしれない。緩やかに停滞していく日本より大きな刺激がインドにはあるだろう。

日本人がアジアで英語を使って仕事をするならシンガポールやマレーシアあたりが良いとされているが、数年後にはインドがその候補に躍り出るはずだ。

日本人のインドに対する感覚は20年前の中国に対する感覚と似てるが、その中国はもはや日本以上に裕福な環境になりつつある。

インドもその内先進国出身者でも十分に生活できる環境に発展し、インド製が中国製のように世の中を席巻する時代が来るだろう。なぜなら彼らには英語力によるマーケティング能力や、圧倒的な理系技術者養成力がある。

インドは徹底的に英語や理系技術といった実利的な教育を重視しており、莫大な人口を抱えている。

インド

インドは間違いなく世界一の国を目指そうとしている。

本気でアメリカや中国に並び、越えようとしているのがインドである。

アメリカ対ソ連の時代が終わり、アメリカ対中国の時代に突入し、ついには中国対インドの時代が訪れるかもしれない。

アメリカも現在のイギリスのような立場になり、いずれアジアの国同士で世界の覇権を争う時代がやってくるという予想はもはや安直な架空の話ではなくなっている。米ソ冷戦が終わり、米中冷戦に突入し、その後中印冷戦の時代がやってくるのではないか、数十年後のアジア情勢は間違いなくこの二カ国が左右する時代になりその時代に日本はどのような立場にいるだろうか。

 

インド人最大の特徴はやはり英語力の高さと理系技術の高さだろう。

未だに日本人はダルシムのイメージでインドを見ており、世界の先進国で最も対インド観において前時代的な感覚を持っている。

遅れているのはインドではなく、日本人の対インド観のほうだと言えるだろう。

これまで日本人はインドを中国の向こう側にある遠い国だと考え、あまり意識してこなかった背景がある。

第二次世界大戦インパール作戦の失敗によってインドは果てしなく遠く、たどり着けない場所というようなイメージがある。更に遡れば「天竺」として幻想にも満ちた別世界のような遠い場所というイメージすら存在する。

同じアジアだが中国程近くは無くリアルな存在として認識していないというのが日本人の対インド観の実態であり、未だにダルシムガンジス川のイメージが強い。インドの首都がデリーだということを知っている人がどれだけいるだろうか。彼らは次世代の技術大国、英語大国、IT大国、起業大国、経営大国、人材輩出大国、そして人口大国である。

 

中国人が世界屈指のスーパーコンピューターを開発する時代が来ることを30年前の日本人は想像もしていなかった。日常の家電製品ならば中国製で十分な時代が来ることも考えてはいなかった。

次はインド人が中国人の様に躍進する時代が来るだろう。

GDPで世界7位というのは日本人感覚で言えばまだ余裕がありそうにさえ感じるが、人口の3分の1が高齢者の国がはたして人口の半分が24歳以下の国に対抗できるだろうか。そしてその国は数年で世界一の人口大国になる国であり、年々英語と高い技術を兼ね備えた野心のある大学卒業者を輩出している。

 

インド工科大学というインド版東大の卒業生が世界中の大企業から争奪戦に合い世界中に高額報酬で引き抜かれている。

日本で東大出る以上に人生が変わるインドドリームがある。

このような国では誰もが懸命に勉学に打ち込む。

日本で東大出たところで人生が劇的に変わることはそれほど多くなく東大を卒業してもフリーターやってる人まで存在する。しかしインド工科大学を出たインド人は生活が天と地ほど変わる。今インドには人生を変えるために勉強をしている人が数多く存在し、インドはその夢を追いかけられる環境になっている。学問や勉学に夢を見ることができる国は強い。

 

また彼らインド人は語学プラスアルファで様々な高い能力を兼ね備えているため世界中に移民している。すでに世界的企業の経営トップがインド人になるケースも多く、いずれ世界中どの企業にもインド人がいる時代がやってくるかもしれない。イギリスの高級自動車メーカー「ジャガー」がインド企業に買収されたのはもう10年前の話である。

そして彼らの世界進出はインド人にとって有利に働き、インド人の時代がやってくることを意味するだろう。

 

しかしインドには最大の問題点が存在する。

それは時として悪名高く語られるカースト制度」である。

インドを他の民主主義国家や近代国家と同列に語ることができないのはカースト制度が存続していることが要因だと言われている。

近代的な枠組みの中にない国が、果たして21世紀の時代に本当に大国や先進国になれるのかという事には疑問符が付くことも多い。

実際にインドの現状を見てもまだ改善しなければならない部分は多く19世紀以前の文化や慣習が残されている地域も存在する。

人種も宗教も言葉も多様であり、様々な文化が混在する。

それゆえに「世界一の人口大国」を考えることができない部分もあり、19世紀的な生活をしている人も実は多数存在し文明国になりきれていないのも実態だと言える。

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しかしその文明国や民主主義国家という価値観は現在の先進国から見た考え方であり、その枠組みで考えること自体がナンセンスなのかもしれない。全ての国がアメリカ的な民主主義国家にならなければ発展しないという考えのほうがむしろ古い考えになっていき、いわゆる近代国家とは違う新ジャンルの国が台頭する時代になるのではないか。

現に中国は改革開放によって市場経済を導入しているがブラックボックスな部分もあり、必ずしも西側先進国と同様のメカニズムで動いていない部分もある。

そしてむしろこれからの時代に置いてはそういった近現代のメカニズムにとらわれないような国の方が躍進するのではないか。むしろこの近現代の停滞を打破する人材が現れるのは「カオス」が存在している国であり、インドはまさにその条件に合致する。

カースト制度も実はインドのような様々な文化が混在する巨大国家を統治するには必要な制度なのかもしれないし、「カースト制度に関係なく出世できる」という動機によってインドのIT産業は発展した。

 

更にインドはまだ成長の過程にある国であり、ついに目覚め始めた国だ。

日本も身分社会が存在した時代から文明開化を行い急激に近代文明の仲間入りを果たしていき、戦後は焼け野原から先進国の仲間入りを果たした。

ある時何かのエネルギーを持った国は急激に躍進する。かつて日本人自身がその立場であり、間近で中国の躍進を見届けた。次に我々が目撃するのはまさインドの躍進なのかもしれない。