負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

ドイツは欧州の新しい指導者になれるだろうか

昨今の欧州情勢は混沌としておりテロ問題、難民問題も含め悪化の一途をたどっているように見える。イギリスがEUを離脱したり、フランスでも国民戦線が台頭したりその他の国々でも右派政党やポピュリズム政党が現れ既存の体制のNOを突きつける流れが形成されている。

国内がテロや難民であふれかえれば欧州が右傾化、一国主義化していく流れは避けられずかつてのように欧州内で対立しあうナショナリズムの時代がやってくるかもしれない。国家というものの存在感がなくなり連合へと向かうのがトレンドだったが、今ではまずはEUからの独立、そして欧州の各国でも地域主義を掲げる勢力が独立へと向かおうとしている。

例えばスペインではカタルーニャ地方、イギリスではスコットランドがここ最近ニュースをにぎわせた。

 

そんな混沌と分裂の時代に欧州はどこへ向かおうとしているのか。

混沌の時には自然と強い指導者が求められるのが世の常である。そう考えたときに今最も欧州で力があるのはやはりドイツだ。欧州連合は実質ドイツ第四帝国ともよばれており、ドイツが今欧州では1人勝ちしているとも言われている。

「強いドイツ」が再び欧州の指導的立場を目指す時代がやってくるのだろうか。

イギリスがEUを離脱した今ヨーロッパの真の支配者はドイツとなるのだろうか。

ヨーロッパという地位の価値やプレゼンスが近代に比べて下がった今、彼らが復権を目指そうとしたらもうドイツを指導者にするしかないのかもしれない。かつてアメリカ、ソ連に対抗しようとした欧州連合は更に台頭するアジア、アフリカとの競争も行わなければならなくなった。

 

もしEUがただの烏合の衆になってしまえば21世紀の戦いにおいて欧州の権威は失墜するだろう。もう欧州の国々が一国で世界の中で大きな存在感を持つ時代は終わっている。それにもかかわらず今分裂の時代へと向かおうとしている。

その分裂に危機感を持つヨーロッパの人々がある日「強力な指導者」としてドイツを中心に据えるときがやってくるかもしれない。ヨーロッパ人には漠然としたドイツへの不安が存在する為これまでドイツとしても表立ってはヨーロッパの中心になろうとしてこなかった。

しかし時代が進み第二次世界大戦の歴史が過去のものになり、欧州の危機が迫ったとき彼らはドイツの指導的地位を求めるかもしれない。

ドイツが周辺諸国から支持され求められるようになったとき、第四帝国が誕生するのではないか。かつて軍事力によって半ば強引に勢力を拡大したドイツが今度は経済力によって「ヨーロッパの人々の民意」によって勢力を拡大するかもしれない。

 

北風と太陽の話ではないが昔のドイツは北風のようなやり方で欧州の指導者になろうとした。しかし今は多様なやり方で暖かく欧州の指導者に迎え入れられるのではないか。真に尊敬され頼られる国として欧州をまとめる立場になったとき悲願のドイツ第四帝国が完成する。

もしそうなったときドイツはどのように変化していくだろうか。ドイツ人が欧州の頂点に立つという悲願が達成されたときドイツ、そして欧州はどのような時代に向かうだろうか。

今度こそドイツが欧州の主人公になれる時がやってきたのだろうか。

 

欧州の長い歴史で見たときどの時代もその時代のトレンドを作り出す勢力が存在する。もし今度ドイツが主役になったとき、ドイツの影響は何をもたらすのかは興味深いところだ。仮に彼らの力が拡大したときドイツ語の重要性が高まり、ドイツ文化が欧州に更に広まる時代がやってくるだろう。

ドイツ文化圏が拡大し、もしかしたらドイツ文化が世界にも波及するかもしれない。

ドイツ語、ドイツ文化が流行り、ドイツのやり方が推奨される。そうやってヨーロッパのドイツ化が達成されたとき、3つの帝国が成し遂げられなかった「世界に冠たるドイツ」が完成するかもしれない。

 

ドイツの国家には「世界に冠たるドイツ」という歌詞が存在する。公式にはその1番の歌詞が歌われることは少ないが、その歌詞を正式に廃止していないところを見ると彼らの中にはまだそういった野心があるように見える。

考え過ぎだろうか、しかし虎視耽々とドイツは地位を拡大し確立しようとしているように思える。

ドイツによって指導される欧州が再び欧州としての力を取り戻した時世界はどのように変わるだろうか。そしてその新しい欧州、すなわちドイツ第四帝国は世界とどう向き合うだろうか。近代以降常に欧州に大きな影響を与えているドイツだが彼らは終わりゆくヨーロッパの救世主か、それともこれまでのように戦争の火種となるのか。いずれにせよドイツはやはりヨーロッパにおいて高いプレゼンスを持つ国であることは間違いないだろう。