負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

ロシアでの仕事や旅行にはロシア語が必要

自分はロシア語を勉強していた時期があって、その目的は将来的にロシア各地を旅行するためであった。自分にはロシアや東側諸国、旧共産圏の世界が非常に好きで「ありし日のソ連」みたいなものへの憧憬や旅情がある。

 

ロシアもまったく英語が通用しないわけではないのだが、モスクワやサンクトペテルブルクのようなメジャーな観光地に限られる。これに関しては日本に当てはめて考えるとわかりやすく、東京や京都のような国際的な観光地ならばまだ英語が通用することは多いがそれでも中には英語ができる人がいるというぐらいでそこまでメジャーではない。

まして山陰地方や四国、北陸などに「日本的な風景」を求めて里山やローカルな牧歌的な場所に旅行しようと思ったら英語だけでは実際のところ厳しい。

日本の旅行は東京だけでも十分なほど充実しているのだが、典型的な日本は失われつつある。本当に昔ながらの日本を求めて旅行しようとすればローカルな旅が必要になってくるし、そういうところに実は暖かい人がいたり美味しい物や美しい景色があったりする。

 

その例で行くとロシアへの旅行にもいろんな種類があってモスクワやサンクトペテルブルクのような欧州に近い主要都市に行きたい人と、ロシア国内の共和国やウラジオストクなどの東に近い地域に行きたい人とでは目的が異なる。また中央アジアやモンゴルのような旧ソ連圏はロシア語が通じるため一口にロシア旅行と言っても様々な種類がある。

 

自分はどちらかというと本当に誰も言ったことがないところに未知の景色を求めて旅したいタイプである。モスクワやサンクトペテルブルクはもうある程度情報を知っているしネットで旅行記を見れば大体行った気になれるのが正直なところだ。

旧ソ連的なノスタルジーはロシアの中でもローカルな場所にしかないし、日本の旅行ブログなどでもなかなかそういうマイナーなところに行ってる人は少ない。

高画質な映像が見られる時代にロシア好きなら何度も見たワシリー大聖堂みたいなところにっても観光客ばかりわざわざ行く必要性を感じない。

勿論これは人それぞれで超有名なところを実際に見て感動したい人もいる。

ただ自分はこれまで一切見たことがないところに行って新しい発見をしたいタイプであり現地の人しか知らないようなところに憧れがある。

 

ロシアでもサハ共和国ブリヤート共和国のようなシベリアのマイナーなところに行ってみたいし、カザフスタンウズベキスタンのようなほとんど日本人が旅行していないところにも憧れがある。

ロシア文化が好きな人はその時点で既にマイナーな趣味を持っている人が多い。

そう考えたときにロシアの中でもメジャーな観光地に行っても求めてる物はないように思う。

そういう意味で本当にロシアを旅しようとしたらロシア語が必要になるし、現地語が使える旅というのは絶対に面白いに違いない。日本人の海外旅行って現地の言葉どころか英語すら話せずにテンプレ的な観光地巡りに終始していることが多いけど、それってもったいない旅の仕方だなとも思う。

「皆がいってるところに行く」「皆が買ってるものを買う」「誰かがやってるから自分もやる」というのが日本人の典型的な行動だけど、それって面白くない気がするのは自分だけだろうか。チリのウユニ塩湖なんかももう今日本人ばっかりで旅行した気がしないらしいし、日本人って皆がいってるところに行けばそれなりのものが見れるみたいな漠然とした期待があって自分が先駆者になろうとはしない傾向があるように思う。

 

ただこれ日本人に限った事でもないようにも感じる。

自分が外国人に人気な観光地の近くに住んでいてたまにそこに行ったときに、きれいなほど外国人観光客が同じ方向にしか行かないのをみたことがある。でも自分が行く方向にも魅力があってむしろそっちの方が桜や川が綺麗だったりするのに外国人は誰もそこを見つけてない。

ガイドブックに書かれたところにとりあえず行くというのは結局全世界共通なのかなともしれない。

せっかく外国行くのに観光客ばかりのところいっても異国に来た感じがしないし、まして同国の人がいっぱいいるところにいっても新鮮味がないように思う。

例えば今日本の主要な観光地はどこも中国人ばかりだけど、「中国人が日本に中国人を見に来て中国製のものを買ってる」みたいなことになってる。

中国人だけで集まって行動して、中国人ばかりがいるところに行く。

もうそれって日本旅行する意味あるのかなとも居ながら見てるけど、実は日本人も海外旅行で同じようなことをしてたりする。

 

結局なんでそういうことをするかというと、全ての原因はその国の現地語が話せないという事に尽きる。ある程度安全が保障されてて、それなりのものが見れるテンプレルートに皆行きたがるし、言葉ができなければそれしかできない。

旅行というのはコミュ力が最も試されるし必要なアウトドア趣味であって、コミュ力あって現地の人と話せれば一人旅でも楽しめたりする。

一人で旅して、結局誰とも話さないなら哀愁漂う寂しい独り旅になるけど、ガンガン現地の人と話したならばそれってかなりアウトドアで積極的な趣味ともいえる。

逆に顔見知りの仲間と旅行してずっとその人と話してたみたいな旅行って、一見楽しそうに見えて守りに入った消極的な旅行ともいえる。

多分そういう人たちって別にどこかに新しい物を見つけに行くことが目的じゃなくて、その仲間と楽しく過ごすことが目的で行く場所は結局どこでもいいのかもしれない。

旅行自体が目的というよりも、一緒にパーティしたいだけでそれがテンプレ旅行とかどうとか気にしてないのだろう。

あと仲間と旅行する時ってお互い無駄に気を遣ったりして結局楽しめないみたいな話も聞くし、探検家気質な人は一人旅の方がいいのかもしれない。むしろ一人ならば現地で友達を作ればいいし、コミュ力を試すことを楽しむのも旅の楽しさである。

 

だいぶ話が飛躍したけど、結局現地の言葉が必要だし現地の言葉を話すと喜ばれるというのは世界共通。英語圏以外で英語がものすごく通用する地域は既にメジャーな観光地ばかりで観光客が多い。求めるものの違いで、本当にその国が好きで知りたいと思うならば現地語は必要だし、誰かと有名なところに行ければ楽しいという人は英語とガイドブックで何とかなるだろう。

マニアックな海外旅行に必須のツールはロシアに限らず現地語であって、その前提としてコミュニケーション能力がある。徹底的に現地情報調べ上げてテンプレ旅行するよりも言葉を使えるようになってちょっとアドリブ効かせるぐらいの旅の方が楽しい。

本当の旅好きが真に準備するべきはとにかくその国の言葉なのではないだろうか。