負け組ゆとりの語り場

社会に取り残された男が日々を語る

アメリカにとってソ連って必要だったんじゃないか説

今になってアメリカもソ連がいたころを懐かしんでいるんじゃないだろうか。

自由主義を布教する聖戦はなかなか着地点を見つけられない、打倒しても打倒しても次なる敵が現れる。ファシズムの次は社会主義国家、そして今は独裁国家テロリズムとの戦いの日々に明け暮れている。

 

ソビエト社会主義共和国連邦というラスボスを倒した後に平和と民主主義の時代が訪れるかと思いきや次はさらに厄介なイスラム過激派との戦いの時代がやってきた。

アメリカはソ連の脅威を取り除いたが現在泥沼のイスラム過激派との戦いが続いている。また急激に台頭する中国脅威論もある。世界唯一の超大国になると思いきやむしろアメリカの力は衰えより複雑な問題を抱える時代がやってきた。

 

解決の糸口が見つからない中でトランプを大統領に選ぶほど迷走しているのが今のアメリカだ。やはり彼らには米ソ冷戦時代への憧れや懐古感情が存在するのかもしれない。 

ほどほどに米ソでプロレスやってた方が世界は安定していた。

確かに代理戦争は起きてたかがアメリカ本土やヨーロッパが危険な目に会う事は少ない。

その一方で今やテロは無差別に市民を攻撃する。

ソ連にアメリカ本土を攻撃されることよりも、過激派がアメリカ本土でテロを起こす可能性の方が高くアメリカ市民も恐れている、その脅威を取り除くために難民に対して厳しい政策を取るドナルド・トランプが選ばれた。

移民問題も米ソ冷戦の時はそれほど深刻ではなかった。今やアメリカ、欧州、ロシアそれぞれが移民やテロの脅威を抱えている。

 

また何よりソ連があったほうがワクワクできたという思いもあるかもしれない。資本主義と社会主義というわかりやすい対立構図があったことで堂々とソ連を敵視できたしスパイ合戦などで盛り上がることができた。

多きな敵がいてこそ創作も盛り上がる。

今中国を具体的に敵視するわけにもいかず更に批判しにくい移民や難民という問題もあり、かつてのような派手でわかりやすい対立構図ではない。

レッドアラートのようなゲームが作られていた時代ほうがもしかしたら彼らにとって面白かっただろうし、その冷戦構造は軍拡、軍事開発などの点からも急激な進歩をもたらした。良くも悪くも戦後は米ソ冷戦の構図が文化、創作、軍事、技術など様々なジャンルに影響を与えた。ソ連脅威論の緊張感の中で様々に競い合っていた時代はある意味で華があったのかもしれない。宇宙開発競争のようなスケールの大きい競争も行われていた。

 

現在ロシアは急速に落ちぶれている、もはや一人あたりのGDPでは世界70位ほどに落ち込んでおりかつてほど張り合いがなくなっていることをもしかしたら悲しんでいるアメリカ人もいるのではないだろうか。

あの日に戻れるのならとソビエト連邦と切磋琢磨していた時代を懐古する意見も実際に存在する。もしかしたらアメリカにとってもっとも必要だったのはソ連というよきライバルだったのかもしれない。